遺産分割で決めた代償金が払われないとき 協議書と調停調書の違い

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遺産分割で約束した代償金が払われない場合は、まず支払期限と手元の書面を確認します。普通の遺産分割協議書と、強制執行認諾文言付きの公正証書、調停調書等では、請求から回収へ進む方法が違います。

未払いになったから家の名義が自動的に戻るわけではありません。協議を一方的に解除できると考えて処分せず、催告、履行勧告、債務名義の取得や執行を、状況に応じて検討します。

目次

未払いでも遺産分割が当然に元へ戻るわけではない

契約や権限を確認する封筒と書類

代償分割は、一人が不動産等を取得する代わりに、ほかの相続人へ代償金を支払う方法です。支払いが滞っても、成立した遺産分割の結果が当然に消えるわけではありません。

債務不履行と全員による合意解除は違う

相続人の一人が約束した債務を履行しない場合でも、他の相続人が通常の契約と同じように一方的な解除をしてよいとはいえません。全員が合意して解除し再協議する場合とは区別します。

解除の条項や合意時の事情も確認する

支払いがない場合の解除条件があるか、合意当初から支払意思がなかったなどの事情があるかによって、別の法律上の検討が必要です。自分で登記を戻そうとする前に、元の書面と連絡記録を法律相談へ持参します。

協議書と公正証書や調停調書の違いを確認する

手続きの書類を照合する資料

強制的な回収には、執行力のある債務名義が必要です。相続人全員が実印を押した協議書でも、それだけで直ちに給与や預金を差し押さえられるわけではありません。

手元の書面主に確認すること
私文書の協議書訴訟や支払督促等で債務名義を得る必要があるか
公正証書金銭債務と強制執行認諾文言等があるか
調停調書・審判等支払条項、確定、執行に必要な書類や手続き

公正証書という名称だけで決めない

公証人が作成した書面でも、対象の金銭債務や執行を受け入れる文言等が問題になります。表題だけで執行できると判断せず、全文を確認します。

未払い額と催促の経緯を記録して請求する

記録を保管するファイルと書類

未払い額を計算し、いつまでに何円を支払う約束だったかを整理します。一部入金があるなら、元本や遅延損害金等の扱いも確認します。

請求した内容と相手の回答を残す

協議書、入金明細、催促の文書、メール等を保存します。書面で請求する場合は、金額、根拠、支払期限、振込先を明確にします。内容証明郵便を送れば、それだけで差押えまでできるわけではありません。

分割払いや減額は新たな約束として記録する

支払い方法を変える合意をするなら、残額、各支払日、不履行時の扱いを明確にしてください。時効も関係するため、「相続だから一律10年は大丈夫」と放置しないようにします。

家裁の取決めなら履行勧告を申し出る

日付と期限を確認するカレンダー

家庭裁判所の調停や審判等で定めた取決めが守られない場合は、その家裁へ履行勧告を申し出る方法があります。

勧告は無料でも強制回収ではない

家裁は必要な調査をして、取決めを守るよう勧告します。手続きに費用はかかりませんが、応じない相手に履行を強制する制度ではありません。

私的協議や公正証書だけでは対象にならない

家庭裁判所の取決めではなく、家族だけで作った協議書や公正証書により合意した場合は、履行勧告の対象外です。手元の書面に応じて、請求や裁判手続きを検討します。

回収方法と費用を弁護士に具体的に確認する

金融口座と送金を確認する資料

債務名義があれば、相手の財産に対する強制執行を検討します。ない場合は、訴訟や支払督促等で取得する方法が考えられますが、必要な対応は事案によって異なります。

相手財産と回収にかかる負担を比べる

未払い額、相手の預金や給与、不動産の担保状況、財産処分の動き、手続費用を整理します。債務名義があれば必ず全額回収できるわけではありません。急いで財産を保全する必要がないかも弁護士へ確認します。

代償金の未払いと相続税の納付義務も別の問題です。受け取っていないから税金も自動的になくなるとは判断しないでください。まず協議書や調停調書の全文と入金記録を用意し、現在使える回収手段を確認しましょう。

よくある質問

手続きの疑問を確認する本と資料

代償金が払われなければ遺産分割を取り消せますか

未払いだけで一方的に解除できるとはいえません。全員の合意解除、解除条項、合意時の事情等を分けて検討します。

実印の協議書があれば差押えできますか

協議書だけで直ちに強制執行できるわけではありません。判決等の債務名義が必要かを確認します。

履行勧告を申し出れば裁判所が代償金を回収しますか

履行勧告は支払いを促す制度で、強制回収ではありません。対象は家裁の調停等の取決めで、私的な協議だけでは利用できません。

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