相続した空き家を壊す前に 固定資産税と解体費用を比べる

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相続した空き家は、壊せば維持費がすべて下がるとは限りません。建物の税負担がなくなる一方で、土地の住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税等が上がることがあります。

解体費、翌年以後の税や管理費、売却価格を同じ表で比べ、補助金や売却の税特例は契約・着工前に確認します。古い家が危険な状態なら、税だけを理由に放置するのではなく、修繕や早期売却も含めて対応を考えてください。

目次

解体費用だけでなく土地の翌年以後の税負担も比べる

住まいと土地の模型

課税明細には、土地と建物の評価や課税標準、税額が別に載っています。建物を壊したときに変わる項目も別なので、合計額だけを見て判断しないようにします。

建物の税額と土地の住宅用地特例を分ける

住宅用地には、固定資産税の課税標準を軽減する特例があります。住宅1戸当たり200平方メートルまでの小規模住宅用地では、原則として価格の6分の1が課税標準になります。解体して住宅用地でなくなると、この特例から外れるのが通常です。

固定資産税の課税標準が単純に6倍とは限らない

「6分の1がなくなるから請求額は必ず6倍」とは限りません。土地の負担調整、建物分の減少、都市計画税、自治体の措置などが関わるためです。現在の課税明細を使い、解体後の土地の税額の見通しを市区町村の税務担当へ尋ねます。

1月1日の状態と建替えや勧告の例外を確認する

期限を確かめるカレンダー

固定資産税は、原則として毎年1月1日の状況に基づき判定されます。工事完了が年をまたぐと影響する年度が変わるため、解体予定日とその後の土地利用を年表にして確かめます。

賦課期日と解体日を年表にする

年末までに住宅がなくなる場合と、年明けに解体する場合では、翌年度の判定が異なり得ます。ただし、税のためだけに危険な建物を残す判断は適切とは限りません。安全確保、売却予定、工期と追加の保有費も同じ期間で比較します。

建替え中や管理不全空家の扱いは自治体へ尋ねる

建替え中の土地などには一定の条件で住宅用地の扱いを継続する例外があります。また、管理不全空家等や特定空家等への勧告で、既に特例から外れていることもあります。指定や指導だけで自動的にすべて外れるとはせず、自治体の通知と適用状況を確認します。

見積書は本体工事以外の項目までそろえて比較する

費用の支払記録と領収書

見積りの坪単価が同じでも、含まれる工事や処分費が違えば、最終的な負担は比べられません。まず各社へ伝える面積、構造、敷地、残置物の条件をそろえます。

残置物やアスベスト調査と地中埋設物を確認する

本体の解体に加え、家財処分、塀や庭木、アスベストの事前調査や対応、養生、搬出経路、地中埋設物、整地などの範囲を確認します。未確認の項目を0円扱いせず、追加費用が発生する条件と見積りに含む範囲を明記してもらいます。

境界や隣家への対策を見積条件に入れる

境界、隣家との距離、共有部分、私道の利用も事前確認が必要です。接道の条件によっては壊した後に再建築できず、売却価格へ影響する場合もあります。不動産会社や建築の相談先へ確認してから、解体後の売却価格を試算します。

補助金と売却特例の申請順を解体前に確かめる

提出書類を照合するファイル

自治体の解体補助金には、契約や着工前の申請を求めるものがあります。工事を終えてから対象だったと気づいても受けられるとは限らないため、所在地の制度と申請時期を先に確認します。

契約前の申請が必要な自治体制度を確認する

対象になる建物の危険性、申請者、工事業者、税の滞納、予算上限などの条件は制度ごとに違います。他市の上限額や採択例を自分の物件へ当てはめず、未採択の補助金は確定収入に入れないでください。

相続空き家の譲渡特例と確認書の資料を残す

相続空き家の譲渡所得の特別控除も、建築時期、親の居住、相続後の利用、売却期限、売却額等の条件があります。解体前の写真や自治体の確認書に必要な資料を残します。取得費加算とは同じ譲渡への併用ができないため、どちらを使うかも税理士に確認します。

現状売却と解体後売却を同じ収支表で比べる

税額を確かめる計算機と資料

比べるのは、現状の家付きで売る案と、自分で解体して土地を売る案です。片方だけ高い売値を採用するのではなく、売却までの期間と費用の条件も合わせます。

工事費と保有期間の税や管理費を入れる

解体後の売却価格が高くても、工事、整地、保有中の税、管理、仲介等の費用を引くと手取りが少ないことがあります。買い手の解体を条件とする契約などは、誰が費用と責任を負うかを契約条件で確認します。売却価格だけで決めないでください。

取得費と売却手取りを二重計上しない

親の取得費を譲渡所得の計算に使う場合でも、昔の購入代金を現在の支出として手取りから再び引くわけではありません。収支表と譲渡課税の計算を分けます。最初に課税明細、同じ条件の工事見積り、現状と解体後の査定を集め、解体の時期を比較してください。

売却時の税金は工事費とは別に計算します。相続した実家を売るときの税金も確認し、取得費と適用する控除の資料を用意してください。

比較の項目2案で条件を合わせるところ
売却代金現状引渡しと更地引渡しそれぞれの査定
工事負担本体・家財・調査・付帯・追加工事
保有コスト同じ売却予定日までの税・管理・保険
未確定の制度補助金の採否・税特例の適用・必要資料

よくある質問

疑問を調べる本と資料

空き家を解体すると固定資産税は必ず6倍ですか

必ず6倍になるわけではありません。課税標準の特例、負担調整、建物分、都市計画税等で実額が変わるため、自治体へ試算を確認します。

解体補助金は工事後に申請できますか

制度によりますが、契約や着工前の申請が必要なものがあります。対象と申請順を所在地の自治体へ先に確認してください。

相続空き家の控除には解体前の資料も必要ですか

必要になることがあります。家屋の要件や自治体の確認書を先に調べ、写真や利用状況の資料を工事前に残してください。

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