信用金庫の出資金を相続する手続き 払戻しと名義変更の確認事項

信用金庫に預金があった親の遺産を調べるときは、出資金も確認してください。
出資金は預金と別の財産で、口座を解約しただけでは手続きが終わらないことがあります。
会員として引き継ぐか、死亡脱退に伴う払戻しを受けるかは、相続人の資格と金庫の定款で確認します。預金と同じようにその場で全額払い戻されるとは限りません。
- 出資金は通帳残高とは別に照会して遺産一覧へ記載する
- 会員資格と定款の申出期間から承継か払戻しかを確認する
- 払戻しの時期と税務上の評価を同じ金額や日付として扱わない
信用金庫の出資金は預金と別の相続財産

出資の有無を取引店へ照会する
信用金庫の会員として出資していた場合、出資証券や出資配当金の通知が残っていることがあります。
配当の入金がある通帳も、出資の存在を調べる手がかりになります。
金庫へ相続の連絡をするときは「預金だけでなく出資金も確認したい」と伝えます。
出資の残高、会員番号、必要な証明資料を尋ね、預金の一覧とは別に記載してください。
預金保険の対象である預金とは違う
出資金は信用金庫の会員としての持分です。預金そのものではないため、預金保険の保護や自由な払戻しを同じ条件で考えることはできません。
まず預金の相続手続きと出資の手続きを分けます。預金をすべて解約した後でも、出資の処理や配当の入金が残る可能性があります。
会員資格と申出期限で承継か払戻しかを確認する

信用金庫法と取引金庫の定款を確認する
信用金庫法は、死亡した会員の相続人で会員資格を持つ人が、定款で定める期間内に加入を申し出た場合の扱いを定めています。
相続人なら誰でも、いつでも名義変更できるという意味ではありません。
営業地区との関係などの会員資格、申出期間、複数の相続人がいる場合の取得者の決め方を取引店へ確認します。
期間は他の金庫の案内をそのまま使わず、実際の定款と手続案内によります。
承継しない場合は死亡脱退の払戻しを確認する
例えば兵庫信用金庫の案内では、死亡から3か月以内の相続人への名義変更と、名義変更しない場合の法定脱退による払戻しを案内しています。
この3か月を全金庫共通の期間とは扱わないでください。
資格がない、今後取引しないなどの理由で承継を望まない場合も、払戻しの書類と申出時期を尋ねます。
通帳の解約書類だけで出資分まで処理されたかを、別に確認します。
出資金の払戻しは時期と金額を取引店へ確かめる

年度末後の払戻しとなる場合がある
持分の払戻しは、預金の払戻しと異なり、事業年度や財産の状態を基に進める扱いがあります。窓口へ書類を出した当日に、払込額全額が戻るとは限りません。
いつ金額が確定し、いつどの口座へ入るかを確認します。相続税等の納付資金に予定する場合は、入金時期が申告期限に間に合うかも照合してください。
配当や関連取引も分けて精算する
未払いの配当や、借入れなどの関連取引がある場合は、その清算や払戻しへの影響も確認します。
預金、出資、融資を同じ「残高」の一項目へまとめない方が、手続きの残りを把握しやすくなります。
| 確認項目 | 取引店へ聞くこと |
|---|---|
| 承継 | 会員資格と定款の申出期間 |
| 払戻し | 計算方法 確定日 入金予定日 |
| 配当 | 未払分と将来の送金先 |
| 借入れ等 | 関連する精算や提出書類 |
死亡日現在の出資資料を取得して申告漏れを防ぐ

預金の残高証明に出資が載るとは限らない
預金の残高証明書を取得しても、出資金は別の証明書で示される場合があります。死亡日現在の払込額や保有持分、配当の状況について、出資の証明を依頼します。
税務上の評価と、後日実際に入金される払戻額は分けて確認します。
少額だから一律に遺産から外すのではなく、ほかの財産と合わせて相続税の基礎控除と申告要否を判断します。
JAや生協の規則を信金へそのまま当てはめない
信用組合、農協、生協などにも出資がありますが、根拠法や資格、脱退・払戻しの条件は同一ではありません。
「出資金」という名称だけで、期限や返金方法を共通にしないようにします。
最初に、配当通知や出資証券を取り出し、発行団体と取引店を一覧へ記入してください。預金の照会と同じ連絡の中で、出資の有無と現在の手続案内を確かめます。
よくある質問

預金を解約すれば出資金も返ってきますか
自動的に終わるとは限りません。出資は預金と別に、承継または死亡脱退の払戻し手続きを確認します。
出資金は相続人なら誰でも引き継げますか
会員資格と、定款で定める期間内の申出などを確認する必要があります。実際の信用金庫の案内に従ってください。
出資金はその日に全額払戻しされますか
その場で全額戻るとは限りません。事業年度、持分の計算、定款等による金額と時期を取引店へ確認します。