相続した実家の解体 石綿調査と見積書の確認

不動産の条件を整理する住まいと土地の資料

実家の解体見積に「アスベスト調査込み」と書かれていても、含有が判明した場合の除去費まで含むとは限りません。契約後の追加費用や工程変更を防ぐには、調べる範囲と、その後の作業を分けて読む必要があります。

石綿の事前調査、行政への結果報告、除去作業に関する届出は別の手続きです。相続した住宅を発注する人の立場から、見積書と受け取る書類を確認します。

この記事でわかること
  • 80㎡未満でも原則必要な事前調査を確認する
  • 調査・分析・除去の見積範囲をそろえる
  • 発注者と元請業者の届出を分けて工程を決める
目次

小さな木造住宅でも調査と報告を分けて確認する

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

建築物の解体等では、原則として工事の規模や建材の種類等にかかわらず、対象箇所の材料について石綿の事前調査が必要です。木造住宅でも、屋根材や外壁材などに使われている可能性があり、構造だけで含有なしとはいえません。

よく見かける80㎡は、建築物の解体工事について、調査結果を行政へ報告する基準です。正確には「当該解体工事に係る部分の床面積の合計」が80㎡以上かを見ます。建築面積や敷地面積ではありません。

例えば解体部分の床面積合計が70㎡と90㎡の二つの住宅なら、いずれも事前調査は原則必要です。90㎡の工事は、この面積基準による結果報告の対象になります。「報告対象外だから調査も不要」という見積の説明になっていないか確認してください。

図面と現地調査で不明な建材を残さない

取引記録を保管するファイルと資料

調査は、設計図書等の書面調査と目視調査を行い、含有の有無が明らかでない場合には分析するか、含有しているものとみなして必要な措置を取る、という流れです。図面に石綿の記載が見つからないことだけをもって、不使用とは判断できません。

建築物の調査は、2023年10月以降、有資格者が行うことが原則です。誰が調査し、どの資格により担当するかを元請業者へ確認しましょう。所有者側は、建築確認の資料や増改築の図面など、手元の情報を提供して調査に協力します。

元の屋根と後年の増築部分がある家なら、どちらも調査範囲に入っているかを報告書で確かめます。調べた部位、使用した資料、分析又は含有みなしの判断、不明箇所の扱いを読み、口頭の「問題なし」だけで済ませないでください。家族で建材を剥がして試料を取ることは避けます。

調査と分析と除去の費用を見積書で読み分ける

合意の内容を確認する契約書類

見積Aには書面・目視調査だけ、見積Bには同じ範囲の調査に加えて、一定数の試料分析と特定の含有建材の除去まで含まれているとします。この二つは合計額だけで比較できません。調査込みという表現を、作業と数量へ分けて確認します。

確認する費目見積書で尋ねる内容
事前調査対象の建物・部位、報告書作成、調査担当者
試料採取と分析対象建材と試料数、追加分析時の金額や承認方法
除去と飛散防止含有材の範囲・数量、工法、養生などの措置
運搬と処分廃棄物の取扱い、見積に含む範囲
未確認箇所解体の進行で判明した場合の再確認と変更契約

石綿の種類や建材の状態、面積、工法で必要な作業は異なります。全国共通の坪単価を当てはめず、同じ条件で比較できる見積を依頼しましょう。含有が判明する前の概算と、調査後に確定する作業を分けておくと追加契約を判断しやすくなります。

調査結果と届出を受け取って着工日を決める

支払内容を確かめる領収書と計算道具

一定規模以上の工事の結果報告と、吹付け石綿等の除去に関する届出は同じものではありません。厚労省の案内では、いわゆるレベル1・2の対象作業について、施工業者の労働基準監督署への計画届と、発注者の自治体への届出がそれぞれ原則14日前までに必要とされています。

どの建材がどの手続きに該当し、誰が提出するのかを元請業者へ確認します。代行を依頼する場合も控えを受け取り、行政への結果報告を送っただけで全ての届出が終わったと考えないでください。自治体の条例による追加の届出も照会します。

発注者は、必要な調査や飛散防止措置を妨げる費用・工期を条件にしないことが大切です。調査結果に応じて契約と工程を更新し、工事後は施工記録や完了報告など、交付された書類を保存します。共有する実家なら、解体の同意や費用負担も契約前に別途確認しておきましょう。

関連する基本事項は、相続登記の義務化はいつまでか 3年の期限と必要書類や未分割の対応も参考にしてください。

契約や手元の資料をもとに相談する場合は、相続サポートの相談窓口をご覧ください。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

80㎡未満の実家なら石綿調査は不要ですか

原則として事前調査は必要です。80㎡は建築物の解体工事の調査結果報告に関する基準であり、当該解体工事に係る部分の床面積合計で判断します。

調査込みの見積なら除去費用も含まれますか

必ずしも含まれません。調査、試料分析、含有材の除去、養生、運搬処分などの範囲を確認し、含有が判明した場合の追加契約も決めておきます。

届出は全て解体業者に任せてよいですか

施工業者が行う手続きと、発注者が義務を負う自治体への届出などは区別が必要です。代行を依頼する場合も提出の対象と時期を確認し、控えを受け取ってください。

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