企業年金を受けていた人が死亡したら 支払元と遺族給付の確認手順

企業年金を受けていた人が亡くなったら、通帳や年金証書で支払元を確認し、その基金や企業年金連合会へ死亡を連絡します。日本年金機構へ届け出ただけで、企業年金の全ての手続きが終わるとは限りません。
遺族が請求できるものは、未支給の年金、保証期間に応じた一時金など、制度によって違います。「企業年金なら遺族が必ず同じ給付をもらえる」と考えず、故人の給付名と規約から確認しましょう。
- 年金の通知と通帳から現在の支払元を特定する
- 死亡を先に連絡し、未支給分と過払いを分ける
- 保証期間・受取人・必要書類を各基金の規約で確認する
通帳と通知書から企業年金の支払元を調べる

通帳の入金名と年金証書の発行元を対応させる
企業年金は、退職した勤務先の基金等から受けるものだけでなく、転職・基金解散等により企業年金連合会へ引き継がれたものもあります。勤務先の社名だけで窓口を決めず、現在届いている証書や振込通知書を確認します。
| 調べる資料 | 控える情報 | 連絡の目的 |
|---|---|---|
| 年金証書・裁定通知書 | 給付名、支払元、年金番号等 | どの制度の受給かを特定する |
| 振込通知・通帳 | 入金名、金額、支払日 | 複数の支払元を見落とさない |
| 退職時の案内 | 元の勤務先、基金名、移換の通知 | 現在の窓口がわからない場合の照会 |
公的年金と企業年金を別行にする
公的な老齢年金と企業年金が同じ通帳へ入っていても、請求先は同じとは限りません。支払元別の一覧を作り、「死亡連絡済み」「書類待ち」「請求済み」を記録すると、一つ連絡したつもりで他を忘れるのを防げます。
死亡の連絡を先にして過払いを防ぐ

書類を全部集める前に死亡の連絡を入れる
企業年金連合会は、死亡の連絡によって支払いを止め、必要な死亡届等を送ると案内しています。連絡が遅れたことで払い過ぎとなった金額は、返還が必要になる場合があります。戸籍を取りそろえるまで何も伝えない、という進め方は避けてください。
死亡後の入金を見つけても、すぐに遺産として分けたり生活費に使ったりせず、どの月分の給付かを支払元へ確認します。振込日が死亡後だから全額過払い、または故人の口座に入ったから全額相続財産、とだけでは判断できません。
現況届を故人が生存する形で出さない
故人宛ての現況確認が届いた場合も、本人の署名を家族が代わりに作って返送せず、死亡を連絡します。遺族の届出として代筆できる範囲と、故人が生存しているという申告は違います。記載者・請求者の欄は基金の案内どおりに確認してください。
未支給年金と遺族給付は規約で分けて確認する

未支給分と保証期間の一時金を分けて聞く
故人に支払うはずだった年金の残りと、死亡によって遺族へ支払う一時金等は、対象や受取人を別に確認します。年金に保証期間がある場合、残りの期間に対応する一時金が支払われる制度もありますが、全ての年金に共通するものではありません。
| 公式案内の例 | 確認できる制度の違い | 一般化しない点 |
|---|---|---|
| 企業年金連合会 | 給付の種類・移換状況・保証期間で死亡一時金の有無が変わる | 基本年金等のみの場合に死亡一時金がない案内もある |
| 東芝企業年金基金 | 遺族年金制度はなく、保証期間内の残存期間分を一時金で支払う案内 | この基金の一時金方式を全基金共通にしない |
| NTT企業年金基金 | 遺族給付は公的遺族厚生年金の要件に準じ、年金事務所での手続きを先に進める案内 | 公的年金の決定が全基金で必須とはしない |
死亡連絡は早めに行い、給付の請求順序は基金の指示で進めます。配偶者、子、父母等の順位や、生計同一・生計維持の条件も制度ごとに違うため、民法の法定相続分だけで受取人を決めないようにしてください。
請求書が届いてから原本と返却方法を確認する

故人と請求者を確認する資料を案内ごとに用意する
死亡診断書等、関係がわかる戸籍、年金証書、請求者の口座資料などが求められます。原本か写しか、発行時期の条件、年金証書の返却の要否は、届いた請求書の案内で確認してください。同順位の人が複数いる場合は代表者や委任の資料も聞きます。
死亡連絡の期限や処理期間も一律ではありません。たとえば東芝基金の案内には死亡後30日以内の連絡がありますが、これを全企業年金の全国共通期限と説明することはできません。手元の基金の案内に従います。
提出後は控え、発送日、追加照会、決定通知を保管します。最初の一歩は、通帳の入金と証書を支払元ごとに並べ、現在の窓口へ死亡の連絡を入れることです。
関連する手続きは、年金受給者が亡くなったときの手続き 未支給年金の請求と必要書類でも確認できます。
よくある質問

年金事務所に連絡すれば企業年金も止まりますか
全てが同時に止まるとは限りません。企業年金の支払元を特定し、基金や企業年金連合会にも所定の死亡連絡をします。
保証期間があれば必ず遺族年金を受け取れますか
給付の種類は規約で違います。残存期間分を一時金で支払う基金などもあるため、給付名、保証期間、受取人を確認します。
死亡後に入金された企業年金は使ってよいですか
対象期間と過払いの有無がわかるまで使わず、支払元へ確認してください。未支給分の請求と、払い過ぎた給付の返還は別に整理します。