公正証書遺言の費用 手数料の計算例と見積もりの確認点

公正証書遺言の費用 手数料の計算例と見積もりの確認点のイメージ

公正証書遺言の費用は、公証人へ支払う手数料、証人の手配などの実費、専門家へ依頼する場合の報酬に分かれます。遺産の総額だけで一律に決まる料金ではありません。

公証人手数料は2025年10月1日に改定されています。現在の表を使い、財産を受け取る人ごとに計算したうえで、遺言加算や出張費などを確認する必要があります。

これから子や配偶者へ遺言を残したい人に向けて、自分で準備する場合と専門家へ頼む場合の費用を分け、見積もりに必要な資料まで整理します。

この記事でわかること
  • 改定後の公証人手数料を使った計算方法
  • 証人や出張と専門家依頼で増える費用
  • 見積もり時に用意する財産と家族の資料
目次

公正証書遺言の費用は公証手数料と依頼料に分ける

公正証書遺言の費用は公証手数料と依頼料に分けるに関する資料のイメージ

「遺言作成費用」と書かれた金額でも、含まれる業務は同じではありません。公証役場の手数料だけの案内なのか、事務所の相談や文案作成報酬なのかを最初に確認します。

国が定める手数料と事務所の報酬は別

公正証書遺言で確認する費用
区分主な内容金額の決まり方
公証人手数料財産価額による手数料と遺言加算など公証人手数料令
証人や資料の費用証人の手配と戸籍等の取得手配先と資料の通数
専門家報酬内容の検討や文案作成と連絡調整など事務所との契約
出張などの費用病床執務加算や日当と旅費執務条件と実費

公証役場へ直接相談して作成する場合でも、定められた公証手数料は必要です。一方、弁護士や司法書士の報酬は国の一律料金ではないため、業務範囲と税込総額を見積もりで確認します。

2025年10月改定後の手数料を使う

公証人手数料の現行表は、2025年10月1日施行の改正に基づきます。以前の表にある基本手数料や遺言加算を、そのまま現在の費用へ当てはめると金額がずれることがあります。

金額表の更新日だけでなく、使われている料率と加算額を見ます。費用を比較するときは、同じ受取人と財産価額、証人と出張の条件をそろえて問い合わせることが大切です。

公証人手数料は財産を受け取る人ごとに計算する

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目的の価額は、遺言によって一人が受け取る利益の金額を基に計算します。一通の遺言でも、受取人が複数なら各人の手数料を求めて合計します。

目的価額を受取人ごとの金額へ分ける

財産価額による基本手数料の主な区分
各受取人の目的価額基本手数料
50万円以下3000円
50万円超100万円以下5000円
100万円超200万円以下7000円
200万円超500万円以下1万3000円
500万円超1000万円以下2万円
1000万円超3000万円以下2万6000円
3000万円超5000万円以下3万3000円
5000万円超1億円以下4万9000円

これは基本手数料の主な区分で、遺言加算やその他の費用を含みません。1億円を超える区分の超過加算や、金額を算定できない法律行為の指定は、公証役場へ内容を示して確認してください。

預金や不動産を同じ人へ渡すなら、その人が得る価額をまとめます。不動産の評価資料と預金額をそろえ、誰へ何を渡すのかを一覧にすると計算の根拠が分かります。

財産4000万円を一人と二人に渡す例

例として、目的価額の合計が4000万円で、ほかに加算対象の指定はないとします。妻一人へ4000万円を渡す場合の基本手数料は3万3000円です。

妻と子へ2000万円ずつ渡す場合は、一人につき2万6000円、合計5万2000円となります。遺言加算1万3000円をそれぞれの案へ一回加えると、下表の計算になります。

同じ4000万円でも受取人で変わる計算例
渡し方基本手数料合計遺言加算小計
妻一人へ4000万円3万3000円1万3000円4万6000円
妻と子へ各2000万円5万2000円1万3000円6万5000円

これは手数料の一部の比較例で、証書に関する加算、交付、証人、書類取得や依頼報酬などは別です。総額を安くするためだけに受取人を一人へ集めると、生活や二次相続の目的と合わなくなる場合があります。

遺言加算や証人や出張の追加費用を確認する

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基本手数料が分かったら、作成する内容と当日の方法で追加される費用を調べます。公証役場へ行けるか、証人を誰が手配するかでも総額が変わります。

1億円以下には遺言加算1万3000円

一通の遺言における目的価額の合計が1億円までの場合は、原則として遺言加算1万3000円を加えます。受取人ごとの基本手数料と混ぜず、合計額へ適用する加算として扱います。

祭祀主宰者の指定など、財産の相続や遺贈とは別の法律行為を含めると、追加の手数料が問題となることがあります。どんな希望を遺言へ書くのかも、見積もり時に漏れなく伝えます。

証人の手配料と出張の日当や旅費を確認する

公正証書遺言では、原則として適格な証人2人が必要です。推定相続人や受遺者、その配偶者や直系血族など証人になれない人がいるため、家族を連れて行けばよいとは限りません。証人の紹介を依頼するなら、手配料が別かを確認します。

病気などで公証役場へ出向けず出張を依頼する場合は、病床執務加算の適用や日当、旅費を確認します。基本手数料の一部が1.5倍になる場合があり、日当は一日2万円、4時間まで1万円などの基準があります。

訪問だから何円と一律に決めず、場所と所要時間、本人の状態を伝えて見積もりを依頼してください。

自分で準備する場合と専門家へ依頼する場合を比べる

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自分で準備するか専門家へ頼むかは、費用だけでなく、家族関係と遺言内容の複雑さ、本人ができる作業から考えます。必要な法律判断を省いて価格だけを比べると、望む分け方が実現しないおそれがあります。

公証役場へ直接相談して作成を進める

財産と受取人の希望を整理し、公証役場へ相談して必要資料を案内してもらう方法があります。本人が公正証書の完成した文面を自作して持参しなければならない、という制度ではありません。

公証人は本人の意思や内容を確認して公正証書を作ります。家族が本人の意思を代わりに決めて署名だけを求めることはできず、本人が内容を理解し判断できることが必要です。

法律判断や複雑な分け方を専門家へ依頼する

前婚の子がいる、事業用財産を特定の子へ渡したい、遺留分へ配慮したい場合などは、弁護士や司法書士などに内容の検討を依頼できます。相続税の比較は税理士の領域も関係します。

見積もりでは、戸籍収集、財産調査、文案の修正、証人、役場への連絡、当日立会いのどこまで含むかを確認します。将来の遺言執行まで含む契約なのか、作成だけなのかも分けてください。

財産一覧と家族関係を伝えて見積もりを取る

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費用の問い合わせには、財産の概算総額だけでなく、受取人ごとの配分案を持参します。正確な金額が不明なら、その点を示したうえで必要な評価資料を聞けます。

不動産評価や預金と受取人の資料を用意する

自分と受取人の関係が分かる戸籍、本人確認資料、不動産の登記事項証明書と固定資産評価の資料、預金などの一覧を準備します。何が必要かは内容と本人確認方法で変わるため、公証役場の案内で確定します。

相続準備全体がまだなら、親の相続準備で確認する書類を使い、財産一覧と家族関係の資料を先に整えられます。

執行報酬や将来の名義変更費も別に見積もる

遺言の作成費用を払えば、死後の名義変更や税申告まで無料になるとは限りません。遺言執行者を専門家へ依頼するなら、将来の執行報酬、実費、解約条件などを別に確認します。

母に多く残す案を考えている場合も、母の生活と二次相続の比較を踏まえて配分案を決めると、作成後に費用を払って修正する負担を減らせます。

公正証書遺言の費用に関するよくある質問

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公証役場の相談にも費用がかかりますか

日本公証人連合会は公証業務の相談を無料と案内しています。証書作成の手数料や外部専門家の相談料とは分けて確認してください。

遺産4000万円なら費用はどこでも同じですか

総額だけでは決まりません。受取人ごとの配分、加算対象の指定、証人や出張、専門家へ依頼する範囲で総費用が変わります。

作成後の保管に毎年料金がかかりますか

公証人が原本を保管するための保管手数料は不要と案内されています。将来の謄本交付や執行などの費用は別に確認します。

財産一覧の右に受取人と配分案を書き、公証手数料、証人、出張、専門家報酬を分けた見積もりを依頼してください。料金の総額と、含まれる仕事を同じ条件で比べられるようになります。

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