遺言執行者を解任できる場合 任務を果たさないときの家裁への申立て

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遺言執行者に選ばれた人から説明が来ず、手続きも進んでいない。遺言執行者が任務を怠った場合など、正当な事由があれば、利害関係人は家庭裁判所へ解任を申し立てることができます。

ただし、相性が悪い、遺言の配分に不満があるという理由だけで、自由に交代できるわけではありません。遺言で定められた仕事と実際の対応を比べ、何が行われていないかを資料で示す必要があります。

目次

遺言執行者の解任には任務懈怠など正当な事由が必要

意思を残す書面と封筒

民法1019条は、遺言執行者が任務を怠ったときや、その他の正当な事由があるときに、家庭裁判所が利害関係人の請求で解任できると定めています。家族の多数決や一方的な通知だけで解任が成立するものではありません。

遺言の内容への不満と任務の問題を分ける

自分の取得額が少ないという不満は、遺言執行者が指定を実行していることへの不満かもしれません。遺留分や遺言の有効性の問題と、執行者が適切に仕事をしているかは、別に確認します。

反対に、必要な手続きを理由なく放置する、財産の流れを説明しない、不適切に財産を扱う、といった事情があれば、具体的な行為と資料を整理して相談します。

期間の長さだけで任務懈怠と決めない

戸籍の取得、金融機関の確認、登記、遺言の解釈などに時間がかかることもあります。何が終わり、何が止まっているか、その理由を確認したうえで、正当な事由があるかを判断する必要があります。

まず遺言と財産目録から執行者の職務を確かめる

提出する書類を照合する資料

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な財産管理や行為をする権利義務を持ちます。相続に関するすべての仕事を、すべての相続人の代理人として自由に行う立場ではありません。

就任の通知と財産目録を確認する

執行者が任務を始めたときは、遅滞なく遺言の内容を相続人へ通知する必要があります。また、相続財産の目録を作り相続人へ交付する義務もあります。通知や目録が届いていなければ、まず状況を問い合わせます。

遺言の写し、指定された財産、すでに実行された手続きを確認します。本文で何を任されているかが分からないまま、葬儀や家族間の全交渉まで当然に担うと思い込まないようにします。

財産の扱いは注意義務との関係で見る

遺言執行者には、準用される委任の規定に基づく善良な管理者の注意義務などがあります。親族である執行者でも、預かった財産を自分の財産と同じように使ってよいわけではありません。

連絡や送金の記録を残し具体的な不履行を示す

記録を保管するファイルと資料

解任を求めるなら、抽象的な疑いだけでなく、日時、行為、求めた説明、回答の有無を残します。家族内の感情的な対立と、職務に関係する事実を分けて整理してください。

困っていること残しておきたい資料
連絡や説明がない問い合わせの文面、送信日、回答の有無
手続きが進まない就任時期、必要作業、経過と説明された理由
財産の扱いが不明財産目録、取引履歴、登記、支払いの記録
利益が対立している契約、相手方、利害関係を示す資料

まず具体的な説明を求める

「何もしていない」とだけ伝えるより、財産目録、手続きの進捗、未了の理由、今後の予定を尋ねます。やり取りは記録に残る方法を選び、回答があった場合もそのまま保存してください。

必要な財産の情報は、預金や不動産の確認方法も参考にできます。ただし、権限なく口座へログインしたり、執行者の資料を持ち去ったりする方法で調べないようにします。

利害関係人が家庭裁判所へ解任を申し立てる

意思を残す書面と封筒

解任は、利害関係人が家庭裁判所へ申し立て、裁判所の判断を受ける手続きです。申立先、利害関係の示し方、必要資料や費用は、裁判所の案内で確認します。

求める解任事由を資料と対応させる

遺言書、執行者が就任した経緯、相続人との関係、任務を怠っているとする事情などを整理します。執行者の対応に疑問があっても、裁判所へ出す事実と証拠は具体的にする必要があります。

すでに財産の処分が迫っている場合は、解任の申立てだけで足りるかを弁護士に確認します。職務の執行停止などの対応が必要となる場面もあるため、何がいつ起こりそうかを先に伝えてください。

申立ての結果が出る前に勝手に交代しない

別の人へ財産や通帳を渡せば正式に交代できる、と考えないでください。現在の執行者の権限、審判の効力、後任の必要性を確認して進めます。

解任と辞任や後任の選任を別に考える

相続財産の配分を考える資料

解任は、本人が職を辞める辞任とは別です。遺言執行者が正当な事由により辞任する場合にも、家庭裁判所の許可が必要とされます。

解任後の執行を誰が続けるかを確認する

執行者がいなくなった場合や欠けた場合には、利害関係人が家庭裁判所へ選任を求める制度があります。後任の候補、未了の手続き、引き継ぐ財産と記録を整理します。

執行者が複数いる場合も、一人が外れたらほかの全員の仕事が当然に止まるとは限りません。遺言の指定と各自の権限を調べる必要があります。

損害の回復は別に検討する

解任が認められても、失われた金銭が自動的に返還されるとは限りません。返還や損害賠償が必要か、請求の根拠と期間を別に相談します。

遺言の実行と税の申告も同じではありません。申告の要否と特例を確認し、執行者との問題があることを税理士にも共有してください。何を止め、何を期限内に進めるかを分けることが必要です。

よくある質問

相続の疑問を確認する本と資料

相続人全員が反対すれば遺言執行者を外せますか

家族の合意だけで法的な解任が成立するわけではありません。任務懈怠などの正当な事由について、家庭裁判所へ申立てを検討します。

執行者が親族でも財産目録を作る必要がありますか

遺言執行者には相続財産の目録を作成して相続人へ交付する義務があります。親族であることだけで不要にはなりません。

解任されたら損害も自動的に返してもらえますか

自動的には回復しません。返還や損害賠償の必要がある場合は、根拠と期間を別に確認します。

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