遺言執行者を辞任するには 就任前の辞退と家裁の手続き

遺言執行者を辞任するには 就任前の辞退と家裁の手続きのイメージ

遺言執行者に指定されても、就任を承諾する前なら辞退できることがあります。

一方、就任後に任務を辞めるには、正当な事由があり、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

家族へ「もうできない」と伝えるだけで、就任後の辞任が完了するわけではありません。

承諾や任務の開始の有無、保管中の財産、残っている手続きを確認し、引継ぎまで含めて進めます。

この記事でわかること
  • 遺言執行者の就任前の辞退と就任後の辞任の違い
  • 正当な事由と家裁の許可を得るための準備
  • 許可後の引継ぎと後任選任や解任との区別
目次

遺言執行者は就任前の拒否と就任後の辞任で手続きが異なる

遺言執行者は就任前の拒否と就任後の辞任で手続きが異なるに関する資料のイメージ

指定された段階で必ず就任するわけではない

遺言書に名前があることと、本人が就任を承諾していることは分けて考えます。

引き受けられない事情があるなら、放置せず、相続人など関係者へその意向を明確に伝えます。

利害関係人から、相当の期間を定めて就任するかどうかの回答を求められ、その期間内に確答しないと承諾したものとみなされる規定があります。

返事をしなければ辞退になると考えないでください。

すでに承諾して任務を始めたかを確認する

就任通知を送った、財産目録を作成した、銀行と執行者としてやり取りしたなどの経緯を確認します。

どこまで行えば承諾に当たるか迷う場合は、時系列の記録とともに専門家へ相談してください。

就任後の辞任には正当な事由と家庭裁判所の許可が必要

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病気など任務を続けられない事情を説明する

民法1019条2項は、正当な事由があるときに、家庭裁判所の許可を得て任務を辞することができるとしています。

病気や生活上の事情などについて、なぜ任務の継続が難しくなったのかを具体的に示す必要があります。

病名や多忙という言葉があるだけで、必ず許可されるわけではありません。任務の内容、進捗、本人の状況、関係者への影響を踏まえて判断されます。

相続人の同意だけで辞任が完了するわけではない

相続人全員が承諾していても、就任後の辞任について家裁の許可が不要になるとはいえません。

反対する相続人がいる場合も、同意の有無だけで結論が決まるわけではなく、法定の要件に沿って判断されます。

申立先と必要資料を裁判所に確認して申立てる

申立先と必要資料を裁判所に確認して申立てるに関する資料のイメージ

遺言書と就任の経緯や辞任理由をまとめる

辞任許可は家庭裁判所へ申し立てる手続きです。

一般に遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所への申立てを確認し、提出先に書式と添付資料を問い合わせます。

遺言書、就任した経緯、処理済みの事項、辞任理由を示す資料等を整理します。

診断書などを提出するかは事情によって異なり、全国共通の一式として決めつけず裁判所の案内に従ってください。

費用と追加資料は申立先の最新案内で確認する

収入印紙や連絡用郵便料、追加の照会への回答方法は申立先で確認します。

後任の選任を同時に考える場合も、辞任許可と選任は別の手続きなので、それぞれの書類と費用を確かめます。

申立てをしただけで任務が終わったと扱わず、審理中の財産管理や必要な対応についても確認してください。

許可までの日数を一律に見込んで、期限のある手続きを止めないことが大切です。

許可後は保管財産と進捗を後任へ引き継ぐ

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財産目録と入出金や未処理事項を記録する

許可後は、保管する預金・現金・書類等、処理した内容、まだ終わっていない業務を明らかにして引き継ぎます。

預り金と自分の資金を混ぜず、残高と明細を照合できる状態にします。

引き継ぐ内容記録する事項
財産と原本書類保管場所と数量や残高と返還先
完了した手続き実施日と提出先や控え
未処理の事項期限と必要資料や連絡担当者
費用と報酬支出の内訳と領収書や取決め

必要な処理を放置せず後任選任の要否を確認する

執行者がいなくなった場合に、利害関係人が家庭裁判所へ新たな執行者の選任を求めることがあります。

遺言による認知等、執行者が行うべき事項もあるため、遺言の内容から後任の必要性を確認します。

相続人自身の税務申告や登記の期限も、辞任手続きだけで当然に延びません。相続税の申告期限や相続登記の期限を関係者と共有します。

他の執行者を辞めさせたい場合は解任の問題になる

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自分の辞任と利害関係人の解任申立てを混同しない

執行者が任務を怠っている、不適切な財産処理をしているとして、利害関係人が辞めさせたい場合は解任が問題になります。

執行者本人が正当な事情を理由に辞任する手続きとは異なります。

単なる不満ではなく任務の内容と支障を示す

連絡がないなら、いつ何を照会して回答がなかったか、どの財産や手続きに支障があるかを記録します。

遺言どおりの執行が自分に不利だという不満と、任務を怠っていることは同じではありません。

辞退・辞任・解任のどれか迷ったら、まず指定、承諾、任務開始、現在の問題の四つを日付順に並べてください。

段階が分かれば、必要な申立てと引継ぎの相談を具体的に進められます。

よくある質問

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遺言執行者に指定されたら必ず引き受けますか

就任前なら辞退できる場合があります。ただし回答を求める適法な催告を放置すると承諾したものとみなされる規定があるため、意向を明確に伝えてください。

相続人全員が同意すれば就任後も辞められますか

同意だけで辞任が完了するわけではありません。就任後は正当な事由があり、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

辞任の申立てをしたら財産管理をやめてよいですか

申立てだけで任務が終わったと扱わないでください。審理中の対応と許可後の財産・書類の引継ぎを、裁判所や専門家に確認します。

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