子の保険料を親が払っていたとき 年別負担表で満期金の税金を確認

子の名義で入った保険を親が払っていたとき、満期金の税金は契約者名だけでは決まりません。途中から子が払っていれば、同じ満期金に贈与税と所得税が関係することもあります。
父36万円・子24万円の保険料で満期金300万円を受け取る架空例を使い、負担表から税目と計算を分ける方法を説明します。
- 年別の保険料から実際の負担者を確かめる
- 満期金を父36/60と子24/60に分ける
- 子の一時所得と現金贈与の資料を別に確認する
契約者名より実際に払った保険料を年別に確かめる

生命保険の契約者が子の名前でも、保険料を父が払ってきたなら、満期金の全額を子が自分で積み立てたお金と同じには扱えません。税金を調べるには、保険証券に加え、実際の保険料負担者を確認します。
まず契約ごとに、契約者、被保険者、満期金の受取人、満期日、保険料の支払履歴を並べます。父の口座から引き落とされた分と、就職後に子の口座から払った分を、名義変更日だけで区切らず金額で集計してください。
| 年別台帳の欄 | 照合する資料 |
|---|---|
| 対象年と支払日 | 保険会社の支払履歴と通帳 |
| 実際の支払額 | 保険料、払戻しや調整の有無 |
| 引落口座と資金の出所 | 父の直接払いか、子自身の資金か |
| 変更や不明な点 | 契約変更書類、入金の経緯、未取得資料 |
| 支払年の仮定 | 父の負担 | 子の負担 |
|---|---|---|
| 2022年 | 12万円 | 0円 |
| 2023年 | 12万円 | 0円 |
| 2024年 | 12万円 | 0円 |
| 2025年 | 0円 | 12万円 |
| 2026年 | 0円 | 12万円 |
| 合計 | 36万円 | 24万円 |
満期金300万円を保険料36万円と24万円の割合で分ける

次は計算を説明する架空例です。父子とも存命で、子が契約者かつ満期金の受取人です。年12万円を5回払い、最初の3回の36万円は父、後の2回の24万円は子が負担し、総保険料60万円、満期金300万円とします。通常の一時金としての満期金で、源泉分離課税となる商品や年金受取ではない前提です。
| 負担者 | 負担保険料と割合 | 満期金の対応額と税目 |
|---|---|---|
| 父 | 36万円÷60万円 | 300万円×36/60=180万円 贈与税の対象 |
| 子 | 24万円÷60万円 | 300万円×24/60=120万円 所得税の一時所得を計算 |
相続税法5条は、他人が負担した保険料に対応する保険金部分について、保険料全額に対する負担額の割合を用います。この例の3年と2年という年数で分けられるのは、毎回の保険料が同じ12万円だからです。増額や一時払いがあるなら、年数だけで3/5と決めることはできません。
父に対応する180万円は、父が過去に払った36万円そのものへの課税額ではありません。満期時の保険金のうち父の負担に対応する取得額です。他の暦年課税の贈与との合計、基礎控除などを確認して贈与税の申告を判定します。
子の部分は年間の一時所得と合わせて計算する

子に対応する120万円から、子自身が負担した保険料24万円を差し引きます。他の一時所得がなく、特別控除を全額使える前提なら、120万円−24万円−50万円=46万円です。その2分の1である23万円が、他の所得と合計する金額となります。
| 計算段階 | この例の金額 |
|---|---|
| 子の一時所得の収入部分 | 120万円 |
| その収入のための子の保険料 | 24万円 |
| 特別控除前 | 96万円 |
| 特別控除50万円の後 | 46万円 |
| 2分の1後に合計する所得 | 23万円 |
50万円は同じ年の一時所得全体で使う特別控除です。他社の満期金などがあればまとめて計算し、契約ごとに50万円ずつ引きません。また、父に対応する贈与税の180万円と、子の一時所得23万円を一つの税目へまとめることもできません。
23万円は所得税額や手取りの減額ではありません。ほかの所得、控除、申告要否の条件を合わせて確認します。給与所得者のいわゆる20万円の基準も受取額そのものではなく所得で判定し、年末調整や給与額等の条件があります。住民税の申告は別に確かめてください。
父からもらった現金と父の直接払いを同じにしない

父から現金の贈与を受け、子がそのお金を自分で管理し保険料を払ったという説明と、父が子の保険料を直接負担したという説明は、事実を調べて区別します。子名義口座を経由しただけで、当然に子が負担したことになるわけではありません。
現金の贈与と主張する場合は、その都度の合意、子の受領と管理、送金記録、贈与税の申告や生命保険料控除の取扱いなどを整理します。保険料のために親が送金していた事情も含め、都合のよい部分だけを台帳へ記載しないでください。
満期前に父が亡くなっていた場合は、本例とは入口が変わります。死亡時の生命保険契約に関する権利が相続税の対象となるかを確認する必要があり、将来の満期予定300万円をそのまま死亡日の財産額にはできません。
年別台帳で不明な支払いは未確認とし、保険会社には払込履歴や満期明細を、税理士には負担関係と死亡の有無を示します。契約者名を今から変えることだけで過去の父の負担が消える、と考えず、過去の事実から計算を整えていきます。
相続に伴うほかの確認は、生命保険の贈与税は誰にかかる 保険料負担者と受取人別の判定も参考に、今回の申告資料と分けて整理してください。
よくある質問

子名義なら親が払っていても子の負担ですか
名義だけでは決まりません。実際の資金の出所と、現金贈与が成立していたかなどを年ごとに確認します。
途中から子が払えば満期金は全部子の所得ですか
過去の親の負担は消えません。保険料の実負担割合に対応して、贈与税と所得税の部分を分ける場合があります。
親が払った保険料だけに贈与税がかかりますか
保険金を受け取ったときは、親の負担に対応する保険金の額を確認します。払込保険料そのものだけを贈与額にする計算ではありません。