子の贈与税を親が払うとどうなるか 追加の贈与と納税資金の準備

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子へ財産を贈るとき、贈与税の分も親が用意すれば、その資金も原則として子への贈与になります。親から税務署へ直接払えば追加の贈与を避けられる、というわけではありません。

元の財産の贈与と、納税資金の贈与や税負担を分け、いつ子が利益を受けたかを確認します。同じ年の総額から手取りを逆算する場合と、翌年に納税資金を渡す場合では、年ごとの集計も異なります。

目次

贈与税を親が負担すると納税資金も原則として贈与になる

口座と資金の移動を確認する資料

贈与税を申告・納付するのは、原則として財産を受け取った子です。申告作業を親が手伝うことと、税金を親自身のお金で負担することを分けて考えます。

税金を申告する人と費用を負担する人を分ける

親が子へ納税資金を渡す場合は、その資金が贈与になります。親が子の代わりに税金を払う場合も、第三者の弁済により子が利益を受けるため、原則としてみなし贈与の対象となります。支払先が税務署か子の口座かだけで決まるものではありません。

贈る財産と税金の肩代わりを別に記録する

税額を子の財産から払い、親が振込の操作だけを手伝う場合とは区別します。誰が資金を出し、最終的に負担するかを記録してください。子が負担する契約なのに親の口座から払い、後の精算もない状態では、書面と実際の資金負担が一致しません。

追加の贈与は実際に資金を渡し負担した年で整理する

期限を確かめるカレンダー

暦年課税は、受け取った人の1年間の贈与を合計して計算します。納税資金についても取得した年を確認し、元の贈与が行われた年へ自動的に戻して加えるわけではありません。

年をまたぐ贈与と翌年の納税を分ける

例えば、その年1月1日現在18歳以上の子が親から現金500万円を受け取り、他の贈与がなく特例税率で計算すると、贈与税は48万5000円です。その納税資金を親が翌年に新たに贈るなら、原則として翌年の贈与の集計に入れ、翌年の他の贈与も合わせて判定します。

書面の贈与契約による取得時期も確認する

ただし、贈与の取得時期は資金の振込日だけでは決まりません。口頭贈与と書面の贈与契約などでは原則の時期が異なるため、あらかじめ納税資金の給付まで約束した書面がある場合は内容を確認します。日付をずらすだけの形式的な処理にしないでください。

手元へ残す金額を決めて贈与額と納税額を試算する

税額を確かめる計算機と資料

同じ年に渡す財産と納税資金を合わせて、子の手元に500万円を残したいなら、単に500万円と当初の税額を足すだけでは足りないことがあります。贈与総額が増えると税額の計算も変わるためです。

税率と控除を受贈者の条件に合わせる

例として、1月1日現在18歳以上の子が直系尊属から暦年課税で受贈し、他の贈与や特例がないとします。総額560万円なら、110万円を引いた課税価格450万円に特例税率20%を掛け、控除30万円を引くと税額は60万円です。560万円から60万円を納め、500万円が残ります。

贈与総額と税引後の受取額を同じ表へ示す

500万円だけの贈与では、課税価格390万円に15%を掛け、控除10万円を引くため48万5000円となります。税率区分が変わる点が逆算の注意点です。この例は端数が生じませんが、実際には課税価格や税額の端数処理も含めて申告額を確認してください。

成人の子への特例税率の仮定例税金と手取り
500万円だけを贈与(500−110)万円×15%−10万円=48万5000円
同年に総額560万円を贈与(560−110)万円×20%−30万円=60万円。手取り500万円
翌年に納税資金を追加贈与原則翌年の他の贈与と合算。契約による取得時期も確認

貸付や生活費の扱いを納税資金へ安易に当てはめない

借入や債務の契約書類

納税資金を「貸したことにする」「生活費という名目にする」といった形だけで、当然に課税を避けられるわけではありません。親子間の資金の実態を確かめる必要があります。

借用書だけでなく返済能力と実際の返済を確認する

貸付なら、返済能力、返済期限や方法、利息の取扱い、実際の返済記録を確認します。借用書があるだけで贈与と無関係になるとは限りません。返済しないまま免除される場合も、別の利益として課税を検討します。

贈与税の支払を当然の生活費非課税としない

扶養義務者が通常必要な生活費等を必要の都度負担する非課税の扱いを、贈与税の納税資金へ当然に当てはめないでください。また、法令上の連帯納付義務として親が納付する場合の求償等は、任意の肩代わりと分け、個別に税理士へ確認します。

契約と資金移動や納付記録を贈与年ごとに残す

記録を保存するファイル

贈与の記録は、元の財産と納税資金を分け、受け取った年と贈与者ごとに残します。申告書の送信・提出と、税金の納付が終わったことも別々に確認します。

子自身の申告と納付の完了を確認する

贈与契約、振込記録、子が管理する口座の記録、申告書と納付記録を一続きに保管します。父と母から資金を受け取った年も、110万円を贈与者ごとに引くわけではありません。子が受けた年間合計で計算する点を守ります。

相続時精算課税や住宅資金の特例は別の要件で確認する

相続時精算課税や住宅取得等資金などを使う場合は、それぞれの届出や申告、資金の使途の条件もあります。通常の暦年課税の計算例をそのまま当てはめないでください。まず財産と納税資金をいつ誰が負担する予定かを一覧にして、手取りと税額を試算します。

財産そのものを渡す手順は、現金の生前贈与の進め方も確認し、子が受け取って管理できる状態と記録を残します。

よくある質問

疑問を調べる本と資料

親が直接税務署へ納付すれば追加贈与ではありませんか

原則として追加の利益の問題が生じます。子自身が負担すべき贈与税を親が肩代わりした実態は、送金先だけでは変わりません。

翌年にもらった納税資金は前年の贈与へ足しますか

自動的に前年へ足すわけではありません。取得時期を確認して年ごとに集計します。ただし書面での贈与契約等により時期が変わる場合があります。

贈与税を払うための親の貸付は課税されませんか

実態のある貸付かを確認します。借用書だけでなく返済能力や実際の返済が必要で、返す予定がない資金は贈与として問題になります。

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