死亡事故の損害賠償金に相続税はかかるか 受取人と請求権の区分

死亡事故の損害賠償金に相続税はかかるか 受取人と請求権の区分のイラスト

交通事故で親が亡くなり、その死亡に対して遺族へ支払われる損害賠償金は、相続税の対象になりません。ただし、親が生きている間に受け取ることが決まっていた未収の賠償金などは別です。死亡後の入金かどうかだけで非課税とは判断できません。

示談書や判決等から、誰のどの損害に対する支払いかを確認します。死亡保険金や入院給付金も受け取る場合は、賠償金と混ぜず、支払いの根拠ごとに整理してください。

目次

死亡による損害賠償金は相続税の対象にならない

契約や権限を確認する封筒と書類

国税庁は、被害者の死亡に対して支払われる損害賠償金は相続税の対象にならないと案内しています。一方、生前に受け取ることが決まっていた損害賠償金を未受領のまま亡くなった場合、その債権は相続財産となります。

死亡への賠償と生前の未収債権を分ける

前者は親の死亡による損害への支払いです。後者は、親が生きている間に持っていた金銭請求権を引き継ぐ問題です。どちらも死亡後に子の口座へ入る場合がありますが、入金時期だけでは区分できません。

民法上の相続と相続税の分類は同じではない

亡くなった本人の損害賠償請求権を誰が承継するかと、その金額が相続税の対象になるかは別に検討します。「相続税がかからないなら相続放棄にも関係しない」と考えないでください。遺族自身の慰謝料請求も別の権利として整理します。

示談書や判決から支払いの対象を確かめる

手続きの書類を照合する資料

示談書、保険会社の支払明細、判決等を読み、支払いの対象を確認します。慰謝料、逸失利益、治療費等の記載があっても、その言葉だけでは生前の権利か死亡による損害かが分からないことがあります。

確認項目資料から調べる点
対象となる損害死亡、死亡前の傷害、遺族固有の損害等
請求権を持つ人亡くなった本人、権利を承継する人、遺族自身
確定の経緯生前の合意や判決、死亡後の交渉
入金と分配代表口座への入金か、各権利者への支払いか

代表口座に入っただけで一人の財産にはならない

遺族の代表者がまとめて受領する場合は、誰の権利に基づく金額を預かっているかを記録します。分配が権利に沿う処理か、それとは別の贈与かは、合意や請求権の内容と合わせて確認します。

生前確定の未収金や受領済み預金は別に判断する

記録を保管するファイルと書類

例えば、事故でけがをした父への賠償額が生前に決まり、受け取らないまま別の原因で父が亡くなった場合は、父の未収債権として相続財産になることを確認します。

すでに受け取った預金も区別する

生前に本人が受け取り、死亡時に預金等として残っている場合は、その預金等を相続します。もともとの受領時に所得税が非課税だったからといって、後の相続でも預金を除外できるわけではありません。

額が未確定の生前の請求権をゼロと決めない

生前の傷害等について裁判や交渉が続いていた場合は、未確定でも相続する権利が存在することがあります。死亡に対する賠償と同じ非課税扱いにせず、権利の内容と評価を専門家へ確認してください。

所得税と死亡保険金の扱いを混同しない

税額や評価額を確認する計算資料

死亡に対して加害者から遺族が受ける損害賠償金は、所得税も非課税とされています。ただし、事業用資産の損害への補償などは、支払原因により死亡までの所得に含めるものがあります。

死亡保険金とは支払いの根拠が違う

加害者側の保険会社が賠償として支払うお金と、親等が加入していた生命保険の死亡保険金は別です。生命保険金は、実際の保険料負担者、被保険者、受取人等によって課税関係を確認します。

生前の入院給付金も同じ箱へ入れない

親が生前の入院により受け取るべきだった給付金を、死亡後に相続人が受ける場合は、未収金として相続財産となることがあります。「保険会社からの入金」を全て死亡賠償や死亡保険と同じにしないことが大切です。

他の遺産の申告期限は賠償確定待ちと分ける

日付と期限を確認するカレンダー

死亡への賠償交渉が続いていても、親の預金、不動産等に相続税の申告が必要かは先に判断します。原則の申告・納付期限が、示談成立待ちで自動的に延びるわけではありません。

未確定の内容を申告資料と分けて記録する

何について交渉中か、どの権利が生前からあったか、支払いが決まったものは何かを一覧にします。新しい資料が出た場合の申告の見直しも含め、事故の経緯を税理士へ説明してください。

まずは支払通知だけではなく、示談書や判決等の根拠資料を用意します。死亡への賠償、生前の未収金、保険契約の給付を区分できれば、非課税の金額と他の遺産の申告を混ぜずに確認できます。

よくある質問

手続きの疑問を確認する本と資料

死亡後に支払われた賠償金なら全て相続税はかかりませんか

全てではありません。死亡に対する賠償と、生前に確定していた未収債権等を分け、支払根拠で判断します。

生前に受け取った賠償金が預金に残っていても非課税ですか

死亡時に預金として残っているなら、その預金は相続財産として確認します。受領時の所得税非課税と、後の相続税は別です。

賠償交渉が終わるまで相続税の申告を待てますか

交渉中であることだけで申告期限は延びません。他の遺産を調べ、未確定の権利の内容と評価も含めて期限内の対応を相談してください。

相続対策について問い合わせる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次