失業給付の受給中に死亡したら 未支給分の請求と期限

失業給付を受けていた家族が亡くなった場合、まだ支払われていない分を遺族が請求できることがあります。ただし、受給資格者証に残っている日数を、そのまま家族が受け継ぐ制度ではありません。
先に確認するのは、死亡前の支給対象日と、請求できる遺族の続柄・生計です。ここでは基本手当を中心に、ハローワークへ伝える事情と、未支給失業等給付の請求書類を整理します。
- 残り日数と死亡前の未支給分の違い
- 生計を同じくした遺族の範囲と順位
- 6か月の申請期限と準備する証明資料
残った支給日数と死亡前の未支給分を分ける

未支給失業等給付は、亡くなった本人に支給されるべき給付で、まだ支給されていないものを対象にします。所定給付日数のうち使わなかった将来分を、まとめて現金で受け取る仕組みではありません。
基本手当では、原則として死亡日の前日までに失業の認定を受けられる日があるかを確かめます。認定が済んで未入金の分と、死亡により次の認定日に行けなかった期間は、確認する資料が違います。
| 確認する期間 | 先に調べる記録 | 窓口に伝えること |
|---|---|---|
| 認定済みで未入金の分 | 受給資格者証、認定と入金の記録 | どの認定分が支払われていないか |
| 最後の認定後から死亡前まで | 認定予定日、就職・就労・収入等の記録 | 本人が認定を受けられなかった事情 |
| 死亡後の残り日数 | 所定給付日数と死亡日 | 将来分の全額請求ではないことを確認 |
待期中や給付制限中など、本人が生きていても支給されない日は、死亡したことだけで対象になりません。また、現行の業務要領には、死亡時刻等から死亡当日も失業認定できる場合の取扱いがあります。死亡日を一律に含めたり除いたりせず、日時と受給状況を伝えて確認してください。
相続人の人数ではなく生計同一の遺族順位を確認する

請求できるのは、死亡当時に本人と生計を同じくしていた、配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹です。配偶者には事実上の婚姻関係にあった人も含まれ、受け取る順位はこの順です。
遺産分割で受取人を自由に選ぶものではありません。例えば、生計を同じくしていた妻と、別の家計で独立していた長男がいるなら、「長男が相続する財産を多くしたから」という理由で長男が請求できるわけではありません。
別居と別生計は同じ意味ではない
生計を同じくすることは、必ずしも同居や、本人に全面的に扶養されていたことを意味しません。別居していても家計の全部又は一部を共同で営んでいたなら、送金や生活費の負担等を説明できる資料を窓口へ示します。
同順位の請求権者が複数いる場合、その一人の請求は全員のための全額の請求とみなされ、その人への支給は全員への支給とみなされます。子が二人いるから、同じ給付を二重に請求するという扱いにはしません。
死亡した日の翌日から6か月以内にハローワークへ請求する

現行の雇用保険法施行規則は、死亡した日の翌日から起算して6か月以内に、死亡した人に係るハローワークへ未支給失業等給付請求書を提出することを定めています。「死亡を知った日」から一律に数える期限ではありません。必要な認定が残っているかも含め、早めに受給していた窓口へ連絡します。
| 書類の目的 | 準備する資料の例 |
|---|---|
| 死亡の事実と年月日 | 死亡診断書、住民票の写し等 |
| 請求者との続柄 | 戸籍謄抄本、住民票記載事項証明等 |
| 死亡時の生計同一 | 住民票や別居時の送金記録等 |
| 本人の受給と未認定期間 | 受給資格者証、必要な失業認定申告書等 |
所定の請求書は様式第10号の4です。給付の区分、受給資格通知の交付状況、すでに提出した資料等によって必要な書類は異なります。本人の受給情報と、請求する遺族自身の情報を区別し、必要書類を一律の一覧だけで決めないでください。
未認定期間の就労状況を推測で埋めない
未認定の基本手当については、死亡した本人がその期間に失業していたことの認定が必要です。就職・就労、内職や手伝い、収入等を、家族が分かる記録から確かめます。別居して日常を把握していなかった場合などは、その事情を伝え、追加の証明方法を確認します。
請求控えと入金を年金や給与の手続きと別に残す

提出後は、請求した給付名、対象期間、提出日、追加資料の依頼、決定と入金を対応させて保管します。受給資格者証の残日数と、今回の決定額が単純に一致するとは限りません。
6か月の申請期限を過ぎていた場合も、それだけで諦めずハローワークへ相談してください。申請期限と時効は別で、労働局の案内は未支給給付について、死亡した日の翌日から起算する2年の時効も示しています。ただし、期限を延ばしてよいと考えず、給付の要件や未認定期間の証明を速やかに確認します。
公的年金の手続きは、年金受給者が亡くなったときの手続きも確認してください。年金事務所へ死亡を届けても、ハローワークへの未支給給付請求まで自動的に済むわけではありません。
給付と遺産の手続きを資料ごとに整理したい方は、相続サポートの相談窓口をご利用ください。
よくある質問

失業手当の残り日数をすべて受け取れますか
受け取れるとは限りません。死亡前に本人へ支給されるべきだった未支給分が対象で、未消化の将来分をすべて換金する制度ではありません。
法定相続人なら誰でも請求できますか
法定相続人であるだけでは足りません。死亡当時の生計同一と、雇用保険法が定める遺族の範囲・順位を確認します。
未支給失業等給付はいつまでに請求しますか
原則として死亡した日の翌日から6か月以内です。過ぎていた場合も申請期限と時効は別なので、必要な認定や書類とともにハローワークへ相談してください。