公証人に遺言の出張作成を頼むには 病院や施設で準備する連絡表

遺言の原本と照合用の資料を重ねて確認するイメージ

入院中や施設入所中で公証役場へ出向けない場合、公証人の出張による遺言作成を相談できます。家族は予約や資料集めを助けられますが、本人に代わって遺言の内容を決めることはできません。

出張日は、公証人だけでなく本人の体調、病院の面会条件、証人二人の予定を合わせて決めます。役場へ伝える事項と施設へ頼む事項を、一枚の連絡表に分けて準備しましょう。

この記事でわかること
  • 本人の希望と意思伝達の方法を役場へ伝える
  • 病院の立入条件と証人や案文を出張前にそろえる
  • 病床執務加算と遺言加算や日当を別に見積もる
目次

本人の希望と出向けない事情を役場へ伝える

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

最初の連絡では、本人がどこにおり、なぜ来所が難しいか、どのように会話や意思の表明ができるかを伝えます。家族が用意した財産案がある場合も、それが本人の確認前なのか、本人が希望した内容なのかを分けます。

例えば手術を控える父なら、予定日、面会できる時間帯、疲れやすさ、会話や筆記の状況を整理します。家族の都合で治療を変える話にせず、医療と作成のそれぞれの担当者へ正確な状況を伝えてください。

出張を依頼できる地域や日程、診断書等の要否は役場に確認します。診断名だけで作成可能・不可能と決めず、最終的な本人の意思の確認は公証人の手続きとして進めます。

病院や施設の面会条件と静かな場所を確保する

取引記録を保管するファイルと資料
病院・施設へ確認公証役場へ共有
公証人と証人の立入り人数、入館方法、感染対策、事前申請
場所と時間個室等の確保、診療や食事と重ならない時間
本人の状態会話・聴覚・筆記、疲労、補助機器
変更時の連絡施設と家族の担当、役場へ連絡する人

本人が自由に意思を伝えられる場所を相談します。大部屋で財産や家族の話をすべて聞かれる状況では、内容の秘密や本人の意思確認に支障が出ることがあります。

診療や服薬に関する情報は医療者へ確認し、家族の判断で調整しないでください。会話できる時間に波があれば、その事実を公証人へ伝え、予定の立て方を相談します。

証人二人と案文の確認を出張前に終える

贈与の合意を記録する契約書類

出張前に、本人確認、相続人との続柄、財産を特定する資料、渡し方の希望をそろえ、案文を確認します。到着後に初めて口座や土地を探す状態では、本人に負担がかかり、予定どおり進まない原因になります。

証人二人も別に手配します。推定相続人や受遺者、その配偶者・直系血族等は証人になれないため、来られる家族二人で代用するとは考えないでください。役場の紹介を希望するなら、病院への出張に対応できるかも尋ねます。

案文を家族が確認した後でも、公証人は本人の真意を確認します。受取人等の利害関係人に席を外すよう求める運用があることを、施設にも先に伝えておくと場所の調整がしやすくなります。

病床執務の加算と日当や旅費を分けて見積もる

支払内容を確かめる領収書と計算道具

出張費用を「全部1.5倍」と計算しないようにします。病床執務加算がされる場合、目的価額による手数料を基に加算し、遺言加算は別に扱います。病院へ出張する費用が一つの定額になるわけではありません。

見積もりの区分確認する内容
目的価額による手数料相続人・受遺者ごとの利益に応じて算定
病床執務加算適用の有無と加算の対象。遺言加算を除く基礎を確認
遺言加算目的価額合計1億円以下の場合は1万3000円
日当と旅費日当は1日2万円、4時間以内1万円、旅費は実費
そのほか交付費用、証人への謝礼、専門家への依頼費等

これらは2025年10月の手数料改定後の公的案内に基づく区分です。実際の目的価額、病床執務の扱い、移動時間等を役場へ示し、総額と支払方法を確認してください。

証人への謝礼や外部専門家への依頼費は、公証人の法定手数料と別です。見積書では同じ「遺言費用」に合算された項目を分けると、どこに追加費用が生じるかを追えます。

当日の体調変化と完成後の交付を確認する

相談に持参する書類と封筒

予約後に体調や面会制限が変わったら、分かった時点で役場へ連絡します。予定日に本人の意思を確認できるとは限らないため、当日必ず完成するという前提で財産の手続きを約束しないようにします。

電子サインが難しいなど、身体状況による方式上の対応も公証人へ事前に相談します。本人の答えを家族が補って内容を決定することとは違います。

完成後は、交付された正本や謄本等の保管先と、公証役場の連絡先を記録します。延期や中止の場合の費用、再予約、資料の返却も確認し、案文のままのものを完成した遺言と取り違えないようにしてください。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

本人が入院中でも家族だけで公正証書遺言を作れますか

家族は連絡や資料準備を助けられますが、遺言を代理で決めることはできません。公証人が本人の意思を確認できることが必要です。

病院への出張では費用がすべて1.5倍ですか

一律に全費用を1.5倍にしません。病床執務加算の対象、遺言加算、日当、旅費、証人等の費用を分けて見積もります。

公証人が来ればその日に必ず完成しますか

本人の意思確認や体調、面会条件等によります。変更時の連絡方法と延期時の扱いを事前に確認してください。

相続対策について問い合わせる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次