休眠預金を相続したときの請求 通帳が古い口座の調べ方

亡くなった親の古い通帳が出てきても、長く使っていないという理由だけで残高を諦める必要はありません。休眠預金等活用法によって移管された預金も、元の金融機関で所定の相続手続きを経て請求できます。
ただし、古い預貯金がすべて同じ制度の対象とは限りません。通帳の銀行名、商品、最後の取引を調べ、承継銀行の相続窓口へ口座の有無と必要書類を問い合わせます。
古い口座でも休眠預金になっただけで権利は失われない

休眠預金等は、原則として2009年1月以降の最後の異動から10年以上取引がない預金等です。民間公益活動に活用されても、預金者等が返還を請求できる仕組みが残ります。
移管後も元の金融機関で請求する
金融庁は、移管後も取引のあった金融機関で引き出すことができ、制度上の引出し期限はないと案内しています。名義人が亡くなった場合も、銀行所定の手続きを経て相続人が請求できます。預金保険機構へ直接行けば通常の払戻しができる、という案内ではありません。
制度対象外の古い預貯金を区別する
外貨預金など対象外の商品があり、郵政民営化前の定期性の郵便貯金等も別の扱いです。とても古い口座では制度の対象、契約上の扱い、資料の保存状況を確かめます。「古い通帳なら何でも期限なく同じ手続きで受け取れる」と一般化しないでください。
通帳と郵便物から現在の承継銀行を調べる

通帳や証書に現在と違う銀行名が書かれている場合は、合併や事業承継をした金融機関を調べます。支店がなくなっていても、口座記録の確認先がないとは限りません。
支店統廃合と旧銀行名をたどる
通帳の銀行名、支店名、口座番号、名義、届け出ていた住所、最後の取引日を控えます。親の改姓や転居があれば、その経過も整理します。公式の店舗案内や合併情報を使い、古い電話番号だけを頼りにしないことが大切です。
通帳がなければ口座の手がかりを整理する
通帳がなくても、利息の通知、郵便物、ほかの口座からの振込記録などが手がかりになります。すべての銀行を一度に必ず検索できるわけではありません。相続時口座照会も生前の付番など対象に条件があるため、個別の照会と組み合わせます。
預金以外にも手がかりを探すときは、親の財産の調べ方も確認し、古い口座を含む財産の一覧を作ります。
| 通帳から控えること | 銀行へ尋ねること |
|---|---|
| 旧銀行名と支店名 | 現在の承継先・口座記録の照会先 |
| 商品名と最後の取引 | 休眠預金等制度の対象か・別制度か |
| 名義と住所の経過 | 改姓や転居をつなぐ資料 |
| 相続の状況 | 調査と払戻しそれぞれの必要書類 |
相続関係を示して口座の有無と手続きを照会する

銀行が見つかったら、名義人が死亡していることと、休眠扱いと思われる古い口座があることを伝えます。口座の調査と、実際に預金を受け取る手続きを分けて確認すると話が通じやすくなります。
調査の申込みと払戻しの合意書類を分ける
相続人であることを示す戸籍等を使って口座を照会し、死亡日時点の残高資料を求めます。調査する人と預金を最終的に取得する人が同じとは限りません。銀行へは、遺言があるか、遺産分割が済んでいるかも伝えてください。
遺言や分割の状況で必要書類を確かめる
払戻しでは、死亡と相続関係、本人確認に加え、遺言や協議書など取得者が分かる資料の確認を受けます。原本の還付、法定相続情報一覧図の利用、印鑑証明書の扱いは銀行ごとに確認します。休眠預金だから相続書類が不要になるわけではありません。
残高と手数料や入金予定を確認して払戻しを受ける

銀行から回答があったら、残高と払戻しの方法を確認します。古い口座の調査に時間がかかる場合は、回答予定日も記録し、税務申告など別の期限と並行して管理します。
未利用口座手数料と休眠預金の制度を分ける
休眠預金等の移管と、銀行の約款による未利用口座管理手数料は別の仕組みです。手数料の有無は銀行、開設時期、口座の利用状況で異なります。親の口座に具体的にどの規定が適用されるのかを尋ね、制度名だけで負担を推測しないでください。
入金先と処理完了の記録を残す
受取人と振込先を銀行に伝える際は、預金を取得する権利を示す資料と一致させます。相続人代表の口座へまとめて入った場合は、家族への精算記録も残します。現金で受け取るか、別口座へ振り込むかなどは銀行の受付条件を確認します。
後から見つかった口座は分割と税務を再確認する

遺産分割や相続税申告を終えた後に見つかった口座でも、そのまま手元に入れて終わりとは限りません。元の協議と申告で、その財産をどのように扱っていたかを確かめます。
残余財産の条項と相続人の合意を確認する
協議書に後から見つかった財産の取得者を定める条項があれば、対象となるかを確認します。該当しなければ追加で分け方を協議することがあります。受領の窓口を担当した人が、当然に全額を自分の財産として取得するわけではありません。
死亡日残高を基に追加の申告を検討する
相続税では、原則として死亡時の財産の価額を基に確認します。追加の預金が課税価格や申告要否へ影響する場合は税理士に資料を渡します。まず旧通帳と親の氏名・住所の経過を整理し、承継銀行の相続窓口へ調査を依頼してください。
よくある質問

休眠預金は相続人でも受け取れますか
制度の対象となる休眠預金等は、銀行所定の相続手続きを経て相続人が請求できます。元の取引金融機関へ問い合わせてください。
古い通帳がなくても調べられますか
調査できる場合があります。銀行名や支店、名義人の住所など分かる情報を集め、本人確認と相続関係の資料を銀行へ確認します。
休眠預金と未利用口座手数料は同じですか
別です。休眠預金等の法制度と、銀行の約款に基づく手数料は条件が異なります。該当する口座の取扱いを個別に確認してください。