海外居住の相続人と納税管理人 相続税の届出と申告準備

海外居住の相続人と納税管理人 相続税の届出と申告準備のイメージ

海外に住む相続人でも、日本の相続税の申告が必要になることがあります。

日本国内に住所・居所がなく、相続税申告など国税の事務処理が必要な場合は、納税管理人を定めて届出を行います。

納税管理人は、相続人に代わって税金の負担そのものを引き受ける人ではありません。

税務署からの書類の受取りや申告・納付の事務と、税理士への税務代理の依頼を分けて準備してください。

この記事でわかること
  • 海外居住で相続税を申告する場合の納税管理人の役割
  • 相続税の届出様式と選任する人の確認事項
  • 申告期限に向けた資料の送付と納付資金の準備
目次

海外居住者は相続税の申告が必要なら納税管理人を定める

海外居住者は相続税の申告が必要なら納税管理人を定めるに関する資料のイメージ

海外にいるだけで相続税が不要になるわけではない

相続税の課税範囲は、故人と財産を取得する人の国籍や住所、居住履歴等により変わります。

海外居住でも日本国外の財産まで対象になる場合があります。まず申告が必要かを確認し、そのための国内窓口を準備します。

住所や居所の有無は滞在先だけで決めない

海外への一時的な出張や留学などでは、日本国内に住所があると扱われる場合があります。

住民票の異動だけでなく、生活の実態から国内に住所や居所があるかを確かめます。居所は、生活の本拠でなくても継続して滞在する場所です。

納税管理人は国内の国税手続きを扱う人や法人

納税管理人は国内の国税手続きを扱う人や法人に関する資料のイメージ

納税義務は財産を取得した相続人にある

納税管理人は、国内で国税に関する事務を扱う個人や法人です。

税務署からの通知を受け取ったら海外の相続人へ伝え、申告や納付に必要な事務を進める役割を担います。

国内の家族に頼む場合も、必要な通知を見落とさず連絡できるか、長期間対応できるかを確認します。

誰でも名義だけ置けばよいというものではなく、何を任せるかを話し合っておきます。

税理士への申告依頼と納税管理人の選任を区別する

納税管理人を家族に頼んでも、その家族が税理士として税務相談や申告代理を行う立場になるわけではありません。

税額の計算等を専門家に頼む契約と、納税管理人の選任は別に確認します。

税理士に納税管理人も依頼できる場合は、報酬と委任範囲、申告後の通知への対応期間を確認してください。

申告業務の契約に自動的に含まれるとは限りません。

届出は相続税用の様式と所轄税務署を確認する

届出は相続税用の様式と所轄税務署を確認するに関する資料のイメージ

所得税用の届出をそのまま代用しない

国税庁の相続税・贈与税の納税管理人の届出手続を確認し、適切な様式を使います。

海外赴任者の所得税用の届出と混同しないよう、税目を伝えて税務署へ問い合わせます。

提出先は納税地を所轄する税務署長です。相続税の納税地は、原則として故人の死亡時の住所等を基に確認します。

国内の家族の住所だけで提出先を選ばないでください。

届出は、納税管理人を定めたとき、又は出国の日までに提出します。相続開始後に海外へ転出する場合も、出国前に手続きを確認します。

複数の海外相続人がいるときは各人の手続きを確認する

申告する相続人が複数いても、各人の納税義務や国内の住所・居所の有無は別です。

一人が選任したことで全員の届出が済んだと考えず、対象者ごとの氏名と届出状況を担当税理士等と確認します。

書類の受取りと納付を申告期限から逆算する

書類の受取りと納付を申告期限から逆算するに関する資料のイメージ

海外送金と国内納付の資金移動を先に決める

税額が確定してから送金方法を調べ始めると、銀行の確認や送金日数が期限に影響する場合があります。

送金限度額、必要資料、着金までの時間、国内での納付方法を早めに確認します。

相続税は原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します。

相続税の申告期限の計算を基に、書類の返送と納付資金の準備を並行してください。

電子申告の利用者識別番号も準備する

非居住者でもe-Taxの利用者識別番号を取得できます。

相続税の電子申告を依頼する場合は、各相続人の番号や本人確認の方法、代理送信に必要な資料を税理士と確認します。

相続税申告の必要書類に加え、海外の住所や署名を証明する資料の要否も、実際の手続きに合わせて確認します。

帰国や担当変更があれば届出の扱いを確かめる

帰国や担当変更があれば届出の扱いを確かめるに関する資料のイメージ

税務署からの通知を受け取る連絡先を維持する

帰国して国内に住所を持つようになった、納税管理人が転居した、担当者を替えるなどの変更があれば、届出の変更や解任の手続きを確認します。

申告書を提出して終わりとせず、後日の連絡先を確保してください。

海外居住歴と財産一覧をそろえて相談する

最初の相談では、故人と自分の国籍や住所の履歴、相続開始日、取得財産、国内で連絡を受ける候補者を伝えます。

課税範囲の判断と、通知を受け取る人の選定を同時に進めると、必要な届出と資料が明確になります。

よくある質問

よくある質問に関する資料のイメージ

海外にいる相続人は必ず納税管理人が必要ですか

国内に住所・居所がなく、相続税申告等の国税事務が必要な場合に選任します。海外滞在だけで判断せず、住所・居所と事務の要否を確かめます。

納税管理人に家族を選べますか

国内の家族等に依頼することも検討できます。通知の受取りや必要な事務に対応できるかを確認し、届出を行ってください。

納税管理人が相続税を負担するのですか

納税義務者そのものが納税管理人に入れ替わるわけではありません。相続人の納付資金と、納税管理人が扱う事務を分けて準備します。

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