相続土地国庫帰属の負担金を見積もる方法 土地区分と隣接地の確認表

相続土地国庫帰属制度の負担金は、全ての土地で一筆20万円になるわけではありません。土地の種目、所在する区域、面積によっては面積に応じた算定が必要です。
二筆以上ある場合は、隣接する土地をまとめて算定できる特例も確認します。筆ごとの資料をそろえ、負担金と審査手数料、整備費を分けて資金を見積もる方法を説明します。
- 筆ごとに種目と区域や面積を整理する手順
- 面積算定と隣接地の合算申出の確認点
- 負担金以外の支出と納付期限の管理方法
登記の地目だけでなく現況と区域をそろえる

負担金は、国が引き取った後の土地の管理に要する10年分の標準的な費用を考慮して算定されます。承認の際に一度納めるもので、10年ごとに同じ負担金を払い続ける制度ではありません。
算定の準備では、土地を一筆ずつ並べ、登記の地目と面積、現況、都市計画の区域等を確認します。登記が宅地なら全国一律20万円という判断はできません。
| 筆別台帳の列 | 資料と確認先 |
|---|---|
| 所在地と地番 | 登記事項証明書、公図 |
| 登記の地目と面積 | 登記事項、必要な現況の確認 |
| 現在の利用状態 | 現地写真、貸借や農地等の資料 |
| 区域等の指定 | 自治体の都市計画担当、農業委員会等 |
| 隣接する筆 | 公図、位置関係、申請予定者 |
最終的にどの種目や区分に当たるかは、法務局へ現況を示して確認します。検索して見つけた計算例と似ていても、同じ条件であることを確かめず数字を当てはめないようにします。
一律額と面積による算定を分ける

原則20万円となる区分がある一方、市街化区域や用途地域が指定された区域の宅地、一定の田畑、森林などでは、面積による算定を確認します。田畑では区域の指定や利用環境に関する条件があるため、単に農地かどうかだけで分けません。
森林の算定と市街地の宅地の算定も同じ式ではありません。また、面積が2倍なら負担金も必ず2倍という単純比例でもないので、該当する区分と面積帯の式を使います。
面積帯の式を使う場合の計算例
法務省の案内にある市街化区域等の宅地の例では、50平方メートル超100平方メートル以下の帯は、面積に2,720円を掛け、27万6,000円を加えます。この条件の100平方メートルなら、100×2,720+276,000=54万8,000円です。
同じ100平方メートルでも、原則20万円の区分なら計算の枝が異なります。この例を自分の土地へ使う前に、宅地の区分と区域指定、面積の前提を確認してください。見積もりには使用した式と確認日も残します。
隣接する土地は合算申出の条件を確認する

隣接する二筆以上の土地について、同一の土地区分など所定の条件を満たす場合は、一つの土地とみなして負担金を算定する申出ができます。申請をしただけで自動的に合算されるものではありません。
面積によって負担金が変わる区分では、対象となる各筆の面積を合計して算定します。「二筆を一つにするから必ず20万円」という制度ではない点に注意してください。
| 仮定する条件 | 負担金の比較 | 別に確認する費用 |
|---|---|---|
| 原則20万円区分の隣接二筆で特例対象 | 個別なら計40万円、合算なら20万円 | 審査手数料は二筆で2万8,000円 |
| 面積算定区分の隣接二筆で特例対象 | 合計面積で該当式を確認 | 測量や撤去等の実費は別 |
上表の一行目は、法務省の案内を踏まえ、同一区分等の条件を満たすと仮定した比較です。申出は承認申請時から承認されるまでの間に行うため、隣接図、各筆の区分、申請する人をそろえて早めに確認します。
負担金をまとめることと、土地の分筆・合筆の登記、申請する筆数を変えることは別です。審査手数料まで一筆分になると見込まないようにします。
負担金と整備費を分けて資金表を作る

国へ納める負担金のほか、申請時には一筆1万4,000円の審査手数料が必要です。取下げや却下、不承認でも審査手数料は返還されません。承認後の負担金と、結果にかかわらず先に使うお金を分けます。
土地を整えるための建物解体、残置物撤去、境界に関する確認、専門家への依頼も別の支出です。全件で同じ工事が必要とは限らないので、現況を相談してから必要な範囲の見積もりを取ります。
| 費用の列 | 発生する段階と性質 |
|---|---|
| 審査手数料 | 申請時。筆数ごとに確認し原則返還なし |
| 整備と調査 | 現況と必要な対応で変動 |
| 専門家報酬 | 依頼する作業範囲と契約による |
| 負担金 | 承認後の通知に基づき納付 |
二筆を合算して負担金が20万円と見込めても、総費用が20万円だけになるわけではありません。売却や隣地への譲渡を比べるときも、同じ範囲の調査・工事費をそろえ、手放すまでの管理費を含めて比較してください。
通知到達後の納付に備え現金を用意する

承認されると、負担金の通知と納入告知書が送られます。納付期限は、負担金の通知が到達した日の翌日から30日以内です。申請日や承認日から一律30日と数えるのではありません。
期限内に納めないと承認の効力が失われ、再び国庫帰属を希望するなら申請をやり直す必要があります。納付した時点で所有権が国へ移るので、承認通知を受け取っただけで管理や支払いが全て終わったとは考えないでください。
共有者がいる場合は、代表者への通知受領日、各人が用意する金額、代表者へ送る期限を共有します。通知が来てから不動産の売却や借入れで資金を作る計画では間に合わないおそれがあるため、承認前から準備します。
納付場所と方法は納入告知書の案内に従い、法務局へ現金を持ち込んで払う手続きではありません。通知、納付の控え、筆別台帳を一緒に保管し、家族の立替精算も確認しましょう。
よくある質問

負担金は10年ごとに払いますか
承認の際に一度納めます。金額は10年分の標準的管理費用を考慮して算定されますが、10年ごとの定期的な支払いではありません。
隣接する二筆は全て一筆分の費用になりますか
同一区分等の条件を満たす場合に負担金をまとめる申出を検討できます。面積算定の土地は合計面積で算定し、審査手数料は各筆について確認します。
承認後の30日はいつから数えますか
負担金の通知が到達した日の翌日から30日以内です。期限内の納付が必要で、納付時に所有権が国へ移ります。通知の受領日と資金を確実に管理してください。