相続放棄したか調べる方法 家庭裁判所への有無照会と必要書類

ほかの相続人が相続放棄したかは、故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ、申述の有無を照会して確認できます。ただし、誰でも電話で調べられる制度ではなく、相続人または利害関係人であることを資料で示す必要があります。
故人と調べたい人を正確に特定し、照会先の書式と添付書類をそろえます。「有無の回答を得ること」と「受理証明書を取得すること」は別なので、使う目的も先に整理しましょう。
- 照会できる立場を相続関係や債権資料で示す
- 故人と対象者の戸籍上の氏名・住所・調査期間を特定する
- 有無の回答と受理証明書、自分の放棄期限を分ける
他の相続人の放棄は家庭裁判所へ書面で照会できる

相続人と利害関係人では証明する内容が違う
相続人が確認する場合は、故人とのつながりを戸籍等で示します。債権者などは、契約書、判決書、登記事項証明書など、故人の相続について具体的な利害関係がある資料を用意します。単に親族や知人であるという説明だけで、誰の記録でも検索できるわけではありません。
| 照会する立場 | 示す内容の例 | 先に確認する点 |
|---|---|---|
| 相続人 | 故人との関係がわかる戸籍等 | 先順位・代襲・数次相続などのつながり |
| 債権者等 | 契約書、判決書、担保の登記等 | 照会時点の利害関係と相手の特定 |
| すでに放棄した人 | 照会する目的と利害関係の資料 | 相続人としての照会か、別の利害関係で扱うか |
電話の問合せと記録の照会を区別する
福岡家裁は、相続放棄等の有無を電話で回答しないと案内しています。電話では提出方法や不足書類を聞き、有無の回答は所定の書面照会で求める、と役割を分けてください。照会先は、原則として故人の最後の住所地の管轄家裁です。
故人と照会対象者を戸籍の氏名で特定する

略字や通称では記録を正確に特定できないことがある
故人の氏名、本籍、最後の住所、死亡日と、照会対象者の氏名・続柄等を、家裁が求める項目に沿って記入します。旧姓や戸籍上の漢字が違う場合は、その点も確認してください。「兄」などの呼び名だけで対象を特定しないようにします。
名古屋家裁は、照会対象者の氏名を戸籍のとおり正確に記載するよう求めています。別の表記のままだと、記録を見つけられない可能性があります。回答が「該当なし」だったときも、検索した人・期間・裁判所の範囲を見直すことが必要です。
何年何月から調べるかも照会先の案内で確かめる
調査期間の指定や古い記録の扱いは、家裁の案内によって異なります。死亡日からか、先順位者の放棄受理日などからかを、自分で全国共通の期間として決めないでください。知っている受理日・事件番号等があれば、それも伝えます。
事件番号が分からない場合は照会の目的を伝える
自分の申述事件を確かめたいなら、まず受理通知書や家裁からの照会書にある「令和○年(家)第○号」等の事件番号を探します。書類をなくしたときは、被相続人と申述人の氏名、申述した裁判所、おおよその時期を整理して、本人確認と確認方法を担当係へ尋ねます。
受理証明書を請求したいのに事件番号や受理日が分からない場合、有無の照会を先に求める家裁もあります。大阪家裁の利害関係人向け案内でも、事件番号や受理年月日が不明なら有無の照会を先に行うよう示されています。ほかの人の放棄を調べる照会では、相続関係や利害関係の資料を照会先へ確認してください。電話で誰の記録でも教えてもらえる手続きではありません。
出典:大阪家庭裁判所 受理証明書交付申請の案内(2026年11月1日確認)
管轄家裁の様式と必要書類をそろえる

照会者本人の確認と利害関係の資料をそろえる
多くの家裁では、照会書、故人の最後の住所等がわかる資料、照会者の本人確認・資格資料、相続関係または利害関係を示す資料が必要です。原本か写しか、発行後何か月以内か、番号の記載がない住民票が必要かは、提出先の一覧で確認してください。
東京家裁は、相続人からの申請と利害関係人からの申請を分けて書式・説明を案内しています。書類名が似ているため、最初に自分の立場に合う説明書を選ぶことが大切です。
代理依頼と返信方法も事前に聞く
この照会の代理人は弁護士に限るという家裁の案内があります。家族や司法書士に頼めば必ず代理で出せる、と決めず提出先に確認してください。照会自体に手数料がかからない場合でも、郵送回答用の封筒や切手、資料取得費は別に必要になります。
回答が来たら証明書の取得や次順位の対応へ進む

受理済みを証明して提出するなら別途証明書を確認する
有無照会は、家裁の記録で申述受理の有無を調べるものです。銀行や債権者へ提出する受理証明書が必要なら、回答だけで足りるか、別の交付申請が要るかを提出先と家裁に聞きます。受理という記録の確認と、後の民事上の有効性の判断も同じではありません。
自分の熟慮期間は照会中でも別に管理する
先順位者の放棄を知ったことで自分が相続人になる場合、自分の承認・放棄の判断も必要です。有無照会を出したから自分の期間が自動的に止まるわけではないので、知った経過を残し、必要な期間伸長などを早めに相談してください。
まず戸籍で故人と対象者を特定し、何をするために照会するのかを一文にします。その資料を手元に、管轄家裁の「有無照会」の案内を確認しましょう。
関連する手続きは、相続放棄したら誰が相続するか 順位の移り方と家族への連絡でも確認できます。
よくある質問

相続放棄したか電話で家裁に聞けますか
電話で誰でも有無を確認できる制度ではありません。相続人や利害関係人として必要資料を用意し、管轄家裁の書面照会を利用します。
相続放棄した本人以外も照会できますか
相続人や、債権者など利害関係を示せる人は照会できる場合があります。自分の立場を証明する資料は照会先の家裁で確認します。
有無照会の回答が受理証明書になりますか
同じものではありません。提出先が受理証明書を求めるなら、別の交付申請の要否と必要資料を家裁へ確認してください。