年金受給者が亡くなったときの手続き 未支給年金の請求と必要書類

年金受給者が亡くなったときの手続き 未支給年金の請求と必要書類のイメージ

年金を受けていた親が亡くなったら、年金を止める手続きと、まだ受け取っていない分を遺族が請求する手続きを分けて確認します。死亡後に振り込まれたからといって、全額が返還対象とは限りません。

年金は亡くなった月分まで支給の対象になります。振込月と支給対象の月が違うため、入金日だけを見ず、年金の通知と支給機関で確認することが必要です。

以下は日本年金機構の公的年金を中心に整理します。企業年金や旧共済などでは遺族の範囲や書類が異なる場合があるため、親が受けていた年金の名称も調べておきましょう。

この記事でわかること
  • 年金の停止と未支給年金の請求の違い
  • 未支給年金を受け取れる遺族の条件と必要書類
  • 請求の期限や税金とほかの遺族給付の確認方法
目次

年金の停止と未支給年金の請求は別の手続き

年金の停止と未支給年金の請求は別の手続きに関する資料のイメージ

停止の届出は、これから先の年金の支払いを止めるためのものです。未支給年金の請求は、亡くなった人に支払われるべきだった年金を、条件を満たす遺族が受け取るためのものです。

振込日と支給対象月を分けて確認する

公的年金は原則として偶数月に、その前月までの2か月分が支払われます。たとえば10月に亡くなった場合、10月の振込みが通常の8月・9月分なら、その入金は死亡後の月の年金を先払いしたものではありません。

さらに死亡月の10月分も支給対象となり、まだ受け取っていなければ未支給分の確認が必要です。実際の入金や停止処理の時期が違う場合もあるため、通帳だけで金額を確定せず支給機関へ尋ねます。

入金済みでも未支給の請求が必要になる場合がある

亡くなった後に親の口座へ入金された分には、死亡月までの分と、その後の過払い分が混在する可能性があります。家族が口座から引き出して分ける前に、対象月と受取資格を確認してください。

遺族が受け取れる未支給分と、返還が必要な過払い分は別の扱いです。どちらも同じ「死亡後の入金」として処理せず、必要な請求や返納の案内に従います。

出典:日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき

出典:公立学校共済組合 年金受給者の死亡と未支給年金

死亡届が省略できるかを確認する

死亡届が省略できるかを確認するに関する資料のイメージ

日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、年金受給権者の死亡届を原則として省略できます。ただし、未支給年金を受け取りたい遺族の請求まで省略されるわけではありません。

死亡届が必要な場合の期限を確認する

機構の案内では、死亡届が必要な場合は10日、国民年金は14日以内とされています。年金証書と死亡を確認する資料などを用意し、年金事務所等へ提出します。

障害基礎年金や遺族基礎年金だけを受けていた場合などは、市区町村の窓口へ提出する扱いがあります。役所へ一般の死亡届を出したことと、年金で必要な届出が済んだことは分けて確認してください。

年金の通知を見て支給機関を確かめる

親が複数の年金を受け取っていた場合は、振込通知や年金証書を集めます。厚生年金に加えて企業年金や共済の給付があれば、同じ用紙一枚で全てが終わると決めつけないようにします。

電話や窓口で確認するときは、年金の名称、基礎年金番号等、死亡日、マイナンバー収録の有無が不明であることを伝えます。番号が手元にないときも、必要な確認方法を窓口へ尋ねてください。

出典:日本年金機構 年金受給者が亡くなった場合の届出

未支給年金は生計を同じくしていた遺族が請求する

未支給年金は生計を同じくしていた遺族が請求するに関する資料のイメージ

未支給年金を受け取れるのは、年金受給者が亡くなった当時に、生計を同じくしていた所定の遺族です。相続人全員で分ける遺産ではなく、遺族が自身の権利として請求します。

順位遺族の範囲
1配偶者
2子
3父母
4孫
5祖父母
6兄弟姉妹
7上記以外の3親等内の親族

法定相続人の順位とは違う

生計同一などの条件を満たす先順位の人がいれば、後順位の人は受け取れません。同順位の人が複数いるときは、そのうち一人が代表して請求します。

たとえば、父と生計を同じくしていた母が受け取る場合、子が遺産の半分を相続するからといって、未支給年金も半分ずつ受け取るわけではありません。相続の取り分の表と、年金の請求順位の表を混ぜないようにしてください。

別居していたことだけで受取不可とは決まらない

生計同一は、住民票の住所が同じという意味だけではありません。別居していても、生活費や療養費の援助、定期的な音信や訪問など、事情を資料で説明する場合があります。

同居していたから必ず認められる、別居だから必ず認められない、のどちらにも決めず、暮らしと家計の関係を伝えます。機構の案内では、別住所の場合に生計同一関係に関する申立書などを用意します。

相続放棄と年金の請求資格は別に確認する

国民年金や厚生年金保険の未支給年金は、通常の相続財産とは別の権利です。相続放棄をした人でも、遺族の範囲と生計同一などの条件を満たせば請求できる場合があります。

ただし、旧三共済や農林共済の年金などには異なる扱いがあります。放棄を予定している場合は、親の預金を使う行為と未支給年金の請求を混同せず、年金の種類と入金の内容を窓口や弁護士へ示して確認してください。

請求書と続柄や生計同一の資料を用意する

請求書と続柄や生計同一の資料を用意するに関する資料のイメージ

日本年金機構の現行の請求書と添付書類の案内を使います。戸籍で続柄を示す資料、生計同一を示す資料、本人確認と振込先の資料は、それぞれ証明する内容が違います。

主な書類確認すること
年金受給権者死亡届兼未支給年金等請求書亡くなった人と請求者の情報
年金証書受給していた年金
請求者のマイナンバー等の確認書類個人番号と本人確認
戸籍等や法定相続情報一覧図亡くなった人と請求者の続柄
住民票の除票と世帯全員の住民票等死亡時の住所や生計同一の関係
生計同一関係に関する申立書等別住所などの具体的な生活状況
請求者の口座を確認できる書類振込先の口座番号と名義

省略できる資料と必要な資料を窓口で分ける

マイナンバーの記載や、機構が確認できる情報によって、一部の添付書類を省略できる場合があります。書類を集める前に自分の条件を確認すれば、取得費や来庁の回数を減らせます。

戸籍や住民票は、亡くなった日より後に交付されたものが必要と案内されています。以前の相続や別の手続きで取った古い資料を、そのまま提出できると決めないようにします。

事実婚や別居などの事情は先に相談する

事実婚の配偶者などは、一般の続柄資料だけで足りない場合があります。別住所の申立書も、家族が同じ説明を形式的に書けばよいというものではなく、実際の援助や生活状況に沿って記載します。

送金や連絡の記録があるなら、どの資料が必要かを確認します。年金を受け取るために、実際にはなかった同居や仕送りを記載しないでください。判断に必要な事情を整理して窓口へ示すことが大切です。

提出方法と時効を確認して請求する

提出方法と時効を確認して請求するに関する資料のイメージ

書類が整ったら、日本年金機構の案内する提出方法を選びます。2026年4月更新のページでは、郵送、予約した窓口相談に加え、所定の電子申請の方法も案内されています。

申請方法ごとに添付と控えを残す

電子申請では、対象の手続きを選び、請求書をPDFやJPEGで添付するなどの手順があります。画面へ基本情報を入力しただけで請求書の提出まで終わったと判断しないようにします。

郵送なら提出物の写しと発送記録、電子申請なら受付や送信結果を残します。受け付けた後に追加資料を求められる場合もあるため、連絡の取れる電話番号を正確に記載してください。

未支給年金の時効は原則5年だが起算点を確認する

機構の時効一覧では、未支給年金の時効は5年、起算日は受給権者の年金の支払日の翌月の初日です。死亡日からすべて一律に5年と置き換えないようにします。

年数がたっている場合や、親自身が請求前だった年金がある場合などは、対象となる給付と時期を具体的に伝えて確認します。請求できる人がいると分かったら、時効ぎりぎりまで待たず資料を用意する方が確実です。

出典:日本年金機構 年金の時効

遺族年金と税金も取りこぼさず確認する

遺族年金と税金も取りこぼさず確認するに関する資料のイメージ

未支給年金を受け取った後は、入金内容と税金を確認します。相続税の対象となる財産の表へ、通常の預金と同じ扱いでそのまま加えるものではありません。

未支給年金は受け取った遺族の一時所得になる

公的な未支給年金は、受け取った遺族の一時所得として所得税を確認します。他の一時所得との合計、必要な支出や特別控除なども関係するため、未支給年金の額だけで機械的に申告の要否を決めないようにします。

保険の満期金など、同じ年にほかの一時所得がある場合には、一緒に確認してください。企業年金や私的な年金まで、すべて同じ課税関係になると一般化しないことも必要です。

遺族年金や死亡一時金は別の条件で確認する

遺族年金は、残された家族の生活を支える給付で、未支給年金とは制度が違います。死亡一時金や寡婦年金も、納付歴や家族関係などの条件があるため、自分から相談して該当の可能性を確認します。

未支給年金を請求したら、すべての遺族給付を申請したことにはなりません。年金証書と家族関係、死亡日を伝え、ほかに請求できる制度がないかを窓口へ尋ねましょう。

親の預金や不動産の相続も残っているなら、財産の調査先と必要書類を別の一覧で管理します。年金の請求者と、遺産を受け取る人を分けて記録すると、入金後の処理も混乱しにくくなります。

よくある質問

よくある質問に関する資料のイメージ

市区町村へ死亡届を出せば未支給年金も受け取れますか

受取りには別途請求が必要です。年金の死亡届を省略できる場合でも、未支給年金の請求まで自動で行われるわけではありません。

別居していた子でも未支給年金を請求できますか

死亡時に生計を同じくしていたなどの条件を満たせば、請求できる場合があります。別居中の生活費の援助や暮らしの関係を、必要な資料で説明します。

相続放棄をすると未支給年金も受け取れませんか

国民年金や厚生年金保険の未支給年金は、条件を満たせば放棄後も請求できる場合があります。旧共済など異なる扱いもあるため、支給機関で年金の種類を確認してください。

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