相続の残高証明書の取り方 基準日と銀行別の必要書類

相続の残高証明書の取り方 基準日と銀行別の必要書類のイメージ

相続の残高証明書は、銀行に指定した日の預金残高を証明してもらう書類です。相続税の確認に使うなら、原則として亡くなった日を基準に依頼します。

発行を申し込む手続きと、預金を解約して受け取る相続手続きは別です。相続人の一人から証明を請求できる場合もありますが、死亡と相続人であることを確認する資料や受付方法は銀行ごとに違います。

まずは使う目的と基準日を決め、口座のある銀行へ必要書類を確認しましょう。定期預金の利息や過去の出金まで調べたい場合は、残高証明書以外の資料もあわせて依頼します。

この記事でわかること
  • 残高証明書の基準日と預金の払戻しとの違い
  • 主要銀行の受付と必要書類を確認する方法
  • 定期預金の利息と取引履歴を補う判断基準
目次

残高証明書は死亡日時点の預金を確認する資料

残高証明書は死亡日時点の預金を確認する資料に関する資料のイメージ

通帳に印字された最後の金額が、そのまま死亡日の預金とは限りません。未記帳の入金や引落しがあれば、銀行の記録を基に残高を確かめます。

相続税には通常死亡日を指定する

相続税では、相続開始時点の財産を評価します。証明書を発行する申込日や、分割が決まった日ではなく、亡くなった日現在の残高を依頼するのが基本です。

例として父が10月14日に亡くなり、11月に証明を依頼する場合を考えます。11月の現在残高だけでは、死亡後の入金や支払いが反映されている可能性があります。「相続のため10月14日現在」と、基準日を伝えてください。

どこまでの残高を証明するか確認する

同じ銀行に普通預金と定期預金、外貨預金がある場合、どの取引が記載されるかを確認します。証明の範囲が一支店なのか、ほかの支店も含むのかも依頼先へ尋ねます。

証明書は一定時点の残高を示すものです。親がなぜ出金したか、誰が預金を取得するか、ほかの銀行に口座がないかまで一枚で証明する資料ではありません。

分けるための資料と分割の結果を分ける

相続人同士で預金額を共有するときにも、残高証明書は役立ちます。ただし、証明を請求した人がその預金を取得できる、という意味ではありません。

遺産分割や遺言の確認、銀行所定の相続届など、払戻しに必要な手続きは別に進めます。父の財産全体が不明な場合には、親の財産の調べ方で所在の調査から整理してください。

相続人であることを示して発行を申し込む

相続人であることを示して発行を申し込むに関する資料のイメージ

まず銀行へ相続が発生したことを連絡し、残高証明書を希望すると伝えます。預金を受け取る人が未定でも、財産を確認するために発行を申し込める場合があります。

死亡と相続関係と本人確認の資料を用意する

基本的には、口座名義人が亡くなったこと、請求する人が相続人等であること、請求者本人であることを確認できる資料が必要です。戸籍等と本人確認書類、実印や印鑑証明書など、銀行の案内に従います。

相続人全員の同意が常に必要と決めつける必要はありません。一方、単独で証明を請求できることと、単独で預金を解約できることは別です。

法定相続情報一覧図を使えるか尋ねる

登記官の認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを、戸籍の束に代わる資料として利用できる銀行があります。原本の要否と、ほかに必要な本人確認資料を確認します。

みずほ銀行の案内では、認証文付き一覧図の原本を提出する場合、死亡と相続人であることを確認する戸籍は原則不要とされています。ただし、印鑑等の確認まで全て省かれるわけではありません。

遺言執行者や相続財産清算人等が請求する場合は、その資格を示す別の資料が必要です。自分がどの立場で申請するのかを最初に伝えると、書類の案内を受けやすくなります。

出典:みずほ銀行 相続預金の残高証明書

銀行ごとの受付と必要書類を確認する

銀行ごとの受付と必要書類を確認するに関する資料のイメージ

受付は、すべての銀行が窓口だけ、またはすべてネットだけ、というわけではありません。取引内容や請求者がその銀行に口座を持つかなどで分かれます。

銀行今回確認した案内申込前の確認点
三菱UFJ銀行相続発生を事前に連絡して発行を依頼既に連絡済みか 手数料を現金で払うか
三井住友銀行相続人の自行口座の有無等で案内先が分かれる残高証明か入出金証明か 郵送を利用できるか
みずほ銀行近くの店舗で発行を申し込む一覧図の原本と印鑑等の必要資料
ゆうちょ銀行ゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口貯金の有無の調査と残高証明を分ける

三菱UFJ銀行は相続発生の連絡後に依頼する

三菱UFJ銀行は、残高証明書や経過利息計算書、取引推移表の依頼について、事前の相続発生連絡を案内しています。連絡時に希望を伝えるか、既に連絡した場合は相続手続き中であることを示して問い合わせます。

証明書発行の手数料を現金で払いたい場合などには支店での取扱いになる案内もあります。通常の本人向けアプリの残高証明発行を、そのまま亡くなった人の口座へ使わないようにします。

三井住友銀行とゆうちょ銀行も請求内容を区別する

三井住友銀行では、郵送による相続手続きを行う人のうち、相続人が同銀行の口座を持ち残高証明を希望する場合の案内先と、そうでない場合や入出金証明の店舗受付を分けています。

ゆうちょ銀行は、貯金の有無の調査は無料でも、判明した口座の残高証明書の発行には手数料が必要と案内しています。「口座を探す」と「金額を証明する」を別の依頼として確認してください。

出典:三菱UFJ銀行 相続の証明書発行

出典:三井住友銀行 相続預金の証明書発行

出典:ゆうちょ銀行 貯金の調査と残高証明

預金の種類と経過利息を漏れなく指定する

預金の種類と経過利息を漏れなく指定するに関する資料のイメージ

相続税の資料として使うなら、普通預金の金額だけで終わらせず、定期預金等の利息や外貨などの取引も確認します。銀行にあるすべての取引が、同じ形式の証明一通に記載されるとは限りません。

定期預金は既経過利息の資料も確認する

死亡日までに発生している利息相当額などが、税務上の評価に関係する場合があります。必要なら、経過利息の計算書や証明を残高証明の依頼時に申し出ます。

銀行によって別の発行手数料がかかる場合があります。死亡日の残高証明を取った後で再度窓口へ行くより、税理士や提出先に必要な利息資料を先に確かめておくと手間を減らせます。

外貨や投資商品は必要な資料が変わる

外貨預金では、通貨、残高、利息等と、税務上どの為替で評価するかを分けて整理します。銀行の画面に出る円換算額だけで申告額を確定させないようにしてください。

銀行で買った投資信託、保険、貸金庫なども、預金と同じ欄だけを見て調査完了にしないことが必要です。証券会社の口座や銀行の投資商品は、銘柄や口数などを確認できる資料も依頼します。

書類を受け取ったら、氏名、基準日、対象の支店や口座、商品と金額を照合します。別の支店の口座が載っていない場合などは、その理由と追加の依頼を確認してください。

使途や入出金は取引履歴で確認する

使途や入出金は取引履歴で確認するに関する資料のイメージ

残高証明書は、指定日の一点の情報です。死亡前後の大きな出金、家族への振込み、未記帳の支払いなどを調べたい場合には、取引履歴等の資料を別に請求します。

死亡前と死亡後の動きを時系列で見る

父の死亡日残高が500万円、現在残高が430万円でも、その差額だけで誰かの使い込みと断定はできません。葬儀費用の引落し、医療費、入金など、日付と使途を明細で確かめます。

出金した人が分かっても、親の生活費を立て替えていた可能性などがあります。取引の金額と、領収書や家族の説明を対応させ、不明点を先に質問へまとめてください。

発行できる期間と費用を先に確認する

取引履歴の保存期間や発行可能な期間、手数料の計算方法は銀行によって異なります。必要以上に長期間を一括依頼する前に、調査目的に合う期間を伝えます。

三井住友銀行の案内でも、残高証明と預金入出金取引証明は料金や発行の単位が違います。残高証明の料金だけを見て、履歴も同額で出ると見込まないようにしましょう。

争いに関係する資料なら、元の証明や明細を保存し、内容を改変せず専門家へ示します。無断で親や他の家族のIDを使って情報を取りに行くのではなく、相続人等として正式な照会を使います。

手数料と発行日数を確認して資料を保存する

手数料と発行日数を確認して資料を保存するに関する資料のイメージ

発行手数料と受取方法を確認して申し込み、申込日、証明の基準日、到着予定を一覧へ残します。金融機関によっては郵送や確認のため日数を要し、即日発行とは限りません。

手数料は申込時の現行料金で確認する

今回確認した三井住友銀行の案内では、残高証明書は一通880円、発行後の郵送は約1週間から10日が目安とされています。休日や取引内容によって変わるという条件も付いています。

これは全行共通の金額や納期ではありません。みずほ銀行の既経過利息の証明のように別料金となるものもあり、古い比較表だけで合計費用を決めないでください。

証明を取得した後の用途も記録する

税理士へ渡した原本、家族共有用の写し、銀行へ提出して返却を待つ資料を区別します。どの相続のどの日付の証明かが分かる名前で保管すると、別の手続きの証明と取り違えにくくなります。

相続税の申告が必要かを調べる段階なら、父の相続税と申告期限もあわせて確認します。証明書を申し込んだことだけで財産調査完了とせず、不足する商品や履歴を一覧へ残して次の作業につなげてください。

よくある質問

よくある質問に関する資料のイメージ

残高証明書は相続人全員の同意がないと取れませんか

相続人の一人から請求できる場合があります。必要な資格確認資料や印鑑等は銀行ごとに異なるため、発行の請求と預金の払戻しを分けて問い合わせます。

残高証明書の日付はいつを指定しますか

相続税の資料なら原則として亡くなった日現在を指定します。遺産分割など別の目的で追加の基準日が必要かは、利用先と確認してください。

通帳があれば残高証明書はいりませんか

一律に不要とはいえません。未記帳の入出金や定期預金の利息等を含め、何を確認する資料が必要かを提出先へ尋ねてください。

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