相続税のお尋ねが届いたら 回答の書き方と申告が必要かの確認手順

相続税のお尋ねが届いたら 回答の書き方と申告が必要かの確認手順

相続税のお尋ねが届いたら 回答の書き方と申告が必要かの確認手順のイメージ

税務署から相続税の「お尋ね」が届いても、それだけで税金の支払いが決まったわけではありません。亡くなった人の財産などを確認し、申告が必要かを検討するための書類です。

封書に書かれた回答期限を確かめ、預金だけでなく自宅、保険、生前贈与を調べて判断します。お尋ねへの回答と、必要な相続税申告は別の手続きとして進めてください。

この記事でわかること
  • お尋ねが届いた事実だけで申告義務や脱税が確定するわけではない
  • 財産と対象贈与を資料で確認してから基礎控除と比較する
  • 回答書を返しても相続税の申告や納付の代わりにはならない
目次

お尋ねは申告の要否を確認する書類で税額の請求ではない

お尋ねは申告の要否を確認する書類で税額の請求ではないに関する資料のイメージ

届いた文書の名前と求められている内容を確かめる

「相続についてのお尋ね」「相続税の申告要否検討表」など、届く書類の形式や名称は一律ではありません。すでに提出した申告についての照会なのか、まだ申告していない家庭への案内なのかを読み分けます。

封筒と文書を一緒に保管し、税務署名、担当部署、対象となる人、回答期限を控えます。不審な連絡先や振込案内がある場合は、国税庁の公式案内から税務署の代表番号を調べて問い合わせてください。

お尋ねへの回答と法定の申告義務は別になる

申告要否を確認する一般的なお尋ねは、通常、回答したかどうかだけで税額を決めるものではありません。ただし、届いた書類の根拠や求められた手続きは個別に確認します。

回答書を出さないこと自体と、申告が必要なのに期限内申告をしないことは別です。反対に、お尋ねが届かなくても、自分の家庭に申告義務があるなら申告しなければなりません。

一般的な申告要否確認のお尋ねへの回答は任意とされています。ただし、資料照会の内容や調査等の位置付けは文書ごとに確認する必要があり、「税務署の書類はすべて回答しなくてよい」という意味ではありません。

届いた時期だけで調査対象に選ばれた確率を決めたり、封書が来なければ税務署に財産を把握されていないと考えたりしないでください。申告の要否は自分の財産資料から判断します。

回答に使う財産資料を集めて申告要否検討表を作る

回答に使う財産資料を集めて申告要否検討表を作るに関する資料のイメージ

亡くなった日の残高と財産の持ち主を調べる

預金は銀行ごとの死亡日時点の残高を確認し、現金、証券、不動産、事業資産なども一覧にします。死亡前に口座から引き出した現金は、使わず残っていれば財産の確認が必要です。

子や配偶者名義の口座でも、資金の出どころや管理の実態から亡くなった人の財産に当たる場合があります。分からない口座を推測で除外せず、名義、入金元、管理者を分けて記録してください。

財産の所在が十分に分かっていないときは、親の財産を調べる資料と照会先から調査を始められます。

保険金と生前贈与は預金とは別に確認する

亡くなった人が保険料を負担した死亡保険金などは、相続税の対象となることがあります。非課税枠があることと、保険金自体を確認しなくてよいことは同じではありません。

暦年課税の贈与には加算対象期間があります。2026年末までの相続は原則前3年、2027年から2030年は2024年1月1日以後の対象贈与、2031年以後は原則前7年です。精算課税は別のルールなので、過去の申告書も探します。

入力前に税務上の評価額と資料の日付をそろえる

土地の購入額や売却査定額を、そのまま相続税の評価額へ転記するわけではありません。固定資産税の通知書にも「評価額」と「課税標準額」があり、使う欄を取り違えないようにします。

預金の残高証明、保険金の支払通知、不動産の評価資料など、記入額に対応する資料をまとめます。正確な評価がまだできない財産は、未確認と見込額を区別して担当者へ伝えてください。

申告要否判定コーナーも利用できる

国税庁の相続税の申告要否判定コーナーでは、財産や債務等を入力し、おおよその申告要否を検討できます。税務署からのお尋ねに代えて、印刷した検討表を提出できる旨も案内されています。

入力できたことが、難しい土地評価や贈与の扱いまで税務署に承認されたことを意味するわけではありません。入力した値の根拠と、不明な項目を一緒に残すことが必要です。

確認する欄記入前にそろえる資料
相続人戸籍や法定相続情報一覧図など
預貯金や有価証券死亡日残高と保有内容が分かる資料
土地建物登記と固定資産税明細や評価資料
保険金や退職金支払通知と契約又は支給内容
債務と葬式費用残高証明や請求書と支払記録
生前贈与贈与契約と過去の申告書

申告する場合と申告が不要な場合で対応を分ける

申告する場合と申告が不要な場合で対応を分けるに関する資料のイメージ

基礎控除以下でも特例を使っているかを区別する

基礎控除は3000万円と法定相続人1人につき600万円を足した額です。通常は課税価格の合計と比べますが、相続税がゼロになるすべての家庭が申告不要になるわけではありません。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使ってゼロになる場合は、適用のための申告が必要です。詳しい区別は相続税がかからない場合の申告の要否で確認できます。

すでに申告を依頼している場合は文書を税理士へ共有する

依頼済みの税理士がいるなら、お尋ねの画像と回答期限を共有してください。申告準備中なのか、提出済みなのかによって連絡方法が変わるため、家族が別に推測で回答しない方が内容をそろえやすくなります。

申告済みの内容に誤りを見つけたときも、回答欄を直すだけで申告書が訂正されるわけではありません。修正申告などが必要かを、元の申告と資料で確認します。

回答期限に間に合わないときは同封文書の連絡先へ相談する

回答期限に間に合わないときは同封文書の連絡先へ相談するに関する資料のイメージ

回答期限と相続税の申告期限を同じにしない

相続税の申告と納付は原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。お尋ねに別の回答期限があっても、それだけで法定申告期限が延びるわけではありません。

残高証明の取得や土地評価に時間がかかるなら、現在調べている内容と見込時期を同封文書の担当者へ連絡します。「調査中」と伝えたことだけで延長許可を受けたと理解せず、必要な対応を確かめてください。

申告不要と判断した資料も保管する

申告不要と判断して回答した場合も、その時点の財産一覧、評価の根拠、控除の計算、送付した回答の控えを残します。後から別の財産が見つかったときに、当初何を確認していたかが分かります。

最初にすることは、封書にある日付を予定表へ入れ、財産一覧の「確認済み」と「調査中」を分けることです。税務署へも税理士へも、分からない点を具体的に伝えられます。

よくある質問

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お尋ねが来たら必ず相続税を払うのですか

必ずではありません。財産や対象贈与、債務等を確認し、基礎控除と特例の適用から申告と納税の要否を判断します。

お尋ねを返せば申告は終わりますか

終わりません。申告が必要なら、回答とは別に相続税の申告と納付を期限内に行います。

回答期限までに財産を調べきれないときはどうしますか

同封文書の担当者へ調査中の財産と見込時期を伝えて相談します。回答の相談だけで相続税の申告期限が延びるわけではありません。

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