個人事業主が死亡したときの事業承継 届出と税金の手順

個人事業主が死亡したときの事業承継 届出と税金の手順のイメージ

親の店や事業を続ける場合も、税務上は親の事業を終える手続きと、子が事業を始める手続きを分けます。屋号や取引先が同じでも、青色申告の承認やインボイス登録を親の名義のまま使い続けることはできません。

最初に押さえるのは、営業を続けるための許認可や契約と、親子それぞれの申告期限です。財産の分け方がまだ決まらない場合も、帳簿と支払いを区分しながら早めに税理士と所管窓口へ相談します。

この記事でわかること
  • 親の廃業と子の開業を分けて行う税務手続き
  • 相続した年の青色申告の申請期限
  • 消費税やインボイスと許認可や契約の引継ぎ
目次

会社の株式承継と違い個人事業は資産と契約を引き継ぐ

会社の株式承継と違い個人事業は資産と契約を引き継ぐに関する資料のイメージ

個人事業では、店舗、機械、在庫、売掛金、借入れ等を確認します。会社という法人の株式を引き継ぐ方法とは異なり、誰がどの資産と契約を取得するかを整理する必要があります。

営業に必要な許可と契約を先に確認する

店舗の賃貸借、取引先、従業員、仕入先、許認可の状況を調べます。死亡を伝えた後の営業継続や地位承継の可否、届出期限は業種と契約で異なります。

屋号をそのまま使えることと、営業許可まで自動承継されることは別です。現場の営業を止めないためにも、税務届出だけで全ての承継が終わるとは考えないでください。

財産の帰属と日々の経理を分けて管理する

相続人が複数なら、店舗や設備を一人が使い始めても、その人に全ての財産が確定するわけではありません。遺言や遺産分割、債権者との調整を確認します。

当面の入金や支払いを誰が行ったか記録し、親の死亡前の売上と死亡後の営業収入を混ぜないようにします。会計ソフトや帳簿の管理権限も適切な方法で確保してください。

亡くなった親の廃業と引き継ぐ子の開業を届け出る

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事業を続ける場合でも、親の死亡に伴う廃業の届出と、子の事業開始の届出をそれぞれ確認します。2026年1月1日以後の開廃業等については、旧来の一律1か月という説明をそのまま使わないでください。

親の死亡廃業と子の開業では期限を分ける

親の死亡による廃業届は、死亡した年分の所得税の確定申告期限までに提出します。所得税法の確定申告期限の定義では、年の中途の死亡は準確定申告の期限を指すため、原則として相続開始を知った日の翌日から4か月以内という期限で確認します。

一方、子が2026年以後に事業を始めた場合の開業届は、通常、その開業した年分の確定申告期限までです。親の廃業も翌年3月まで待てると考えず、親の届出と準確定申告、子の開業届を別々の日程にします。

給与と消費税の届出は別に確認する

従業員へ給与を支払うなら、給与支払事務所等の届出や源泉所得税、社会保険等の手続きも確認します。開業届に書いたから全ての関連届出が不要になるとは限りません。

親が青色申告だった場合の取りやめや、消費税やインボイスの死亡の届出等も一覧にします。提出先と提出者を親子で混同しないよう、氏名と対象期間を明記してください。

青色申告の承認は子の名義で申請する

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親の青色申告の承認は、原則として子へ自動的には引き継がれません。既に子が青色申告をしている等の事情がなければ、子自身の承認申請を検討します。

親が青色申告者だった場合は死亡日で期限が分かれる

青色申告者の事業を相続した場合の申請期限の目安
親の死亡日子の青色申告承認申請期限
1月1日から8月31日原則として死亡の日から4か月以内
9月1日から10月31日原則としてその年12月31日
11月1日から12月31日原則として翌年2月15日

この表は通常、死亡をその日に知った場合の整理です。相続開始を知った日や休日等で期限を確認し、親が白色申告だった場合は別の申請期限を確かめます。

申請だけで控除の全ての条件を満たすわけではない

青色申告の特別控除には帳簿や決算書、期限内申告等の要件があります。申請書を出すだけで、どの控除額でも適用されるわけではありません。

事業用資産の取得費や減価償却、専従者給与の届出等も確認します。親の帳簿の数字と子の最初の帳簿がどうつながるかを、税理士と早い段階で整理してください。

消費税とインボイスを新規開業だけで判断しない

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相続によって事業を引き継ぐ場合、消費税には被相続人の売上高を使って判定する特則等があります。子は初めて事業をするから最初の2年間は必ず免税、とは言えません。

親の登録番号を期限なく使い続けない

親がインボイス発行事業者だった場合には死亡の届出と、子の登録の要否を確認します。一定期間の相続に関する取扱いがありますが、子がずっと親の番号を使える制度ではありません。

請求書の名義や登録番号をいつ切り替えるかを、登録申請の時期と一緒に確認します。取引先へ誤った番号を通知する前に、現在の登録状態と適用期間を調べてください。

親の消費税申告と子の納税義務は別に整理する

親について必要な消費税の申告と、子の事業に係る納税義務や簡易課税等の選択は別の問題です。親の選択届出を、そのまま子も使えると考えないようにします。

売上の計上時期や事業用資産の引継ぎも含め、親の最終期間と子の開始期間を区分します。帳簿を一つにまとめたまま後で分けるより、当初から区分した方が確認しやすくなります。

事業用資産と借金を含めて相続全体を確認する

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店舗の土地や建物、設備、在庫、預金、売掛金などは相続財産の評価を確認します。借金についても、家族で引継先を決めただけで債権者に対する責任が変更されるわけではありません。

税務と営業の手続きを同じ日程表にする

相続税の申告が必要なら原則10か月という期限もあります。個人版事業承継税制等を検討する場合は、適用対象や計画、青色申告等の要件を別に確認し、事業用だから全額非課税と判断しないでください。

まず前年の申告書、帳簿、固定資産台帳、借入契約、許可証、請求書をそろえます。営業を続けるための手続きと親子の申告を並行できるよう、担当と期限を決めることが第一歩です。

事業に使っていない預金や不動産が分からない場合は、親の財産の照会先と必要書類も確認してください。営業の帳簿だけでは相続財産の全体を把握できない場合があります。

よくある質問

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子が事業を続ける場合も親の廃業届が必要ですか

親の事業を終える届出と、子が事業を始める届出を分けて確認します。同じ店名で続けることだけで手続きがなくなるわけではありません。

親が青色申告なら子もそのまま使えますか

原則として自動承継されません。子の名義での承認申請を検討し、親の死亡日や従前の申告方法から期限を確認します。

子が初めて開業すれば消費税は免税ですか

必ず免税とは限りません。相続による事業承継には親の売上高等を使う特則があり、インボイス登録の状況も別に確認します。

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