相続の相談はどこにする 悩み別の専門家と無料相談

相続の相談はどこにする 悩み別の専門家と無料相談のイメージ

相続の手続きについて調べ始めると、弁護士、税理士、司法書士、行政書士など、いくつもの相談先が出てきます。何がわからないかを説明すること自体が難しく、予約をためらうこともあるでしょう。

最初から専門家の違いを全て覚える必要はありません。家族の対立、税金、不動産の名義変更のうち、今どこで困っているかを整理すると相談先を選びやすくなります。期限が近い手続きがあれば、先にそのことを伝えます。

この記事では、悩みに合う専門家と無料相談の使い方を説明します。資料が十分にない段階でも、最初の面談で何を確かめればよいかまで整理しましょう。

この記事でわかること
  • 争いと税金や登記の悩みから相談先を選ぶ方法
  • 無料相談や公的窓口と銀行のサービスで確認する条件
  • 相談前の資料と初回面談で聞いておくこと
目次

相続の相談先は今困っていることと期限から選ぶ

相続の相談先は今困っていることと期限から選ぶに関する資料のイメージ

相談先を決める最初の手掛かりは、「何を解決したいか」です。自宅の名義を変えたい、申告が必要か知りたい、兄弟の要求にどう答えるか悩んでいる。こうして、実際に止まっている作業を書き出します。

家族の対立があるなら交渉を頼めるかを先に確認する

遺産の分け方や遺言の有効性で対立している場合は、弁護士へ相談することが基本です。単に協議書を清書してもらう問題と、他の相続人の主張を検討し、代理で交渉してもらう問題は違います。

まだ裁判になっていなくても、相手から期限付きの通知が届いた、遺産を開示してもらえない、署名を強く求められているといった事情があれば、その内容を伝えます。対立を隠して書類作成だけを依頼すると、途中で担当を変える必要が生じることがあります。

手続きの期限が近いときは最初に知らせる

相続放棄は、自分のために相続が始まったことを知った時から原則3か月、相続税の申告・納付は通常、死亡を知った日の翌日から10か月です。不動産の相続登記にも、相続の開始があったことと、自分が不動産の所有権を取得したことを知った日から原則3年という期限があります。

いずれも同じ日から一律に数える期限ではありません。死亡日、通知を受けた日、財産の存在を知った日をメモし、期限について自己判断している場合はそのことも説明します。相談の予約をしただけで、手続きの期限が延びるわけではありません。

税金と登記の両方があるなら連携の方法を聞く

例えば、自宅と預金を母子で分け、相続税の申告も必要になりそうな家庭では、税理士と司法書士が関わることがあります。分け方に対立があれば、弁護士の検討も必要です。

最初に会う専門家へ、他の手続きもあることを伝えます。窓口をまとめられるか、別の専門家を紹介してもらうか、家族が自分で依頼先を決めるかを相談すると、同じ資料を何度も集める負担を減らせます。

弁護士と税理士や司法書士と行政書士の役割を確認する

弁護士と税理士や司法書士と行政書士の役割を確認するに関する資料のイメージ

資格によって、代理できる手続きや取り扱える業務の範囲が異なります。以下は相続で相談する主な内容の整理です。個々の事務所がその業務を受任するか、他の資格も持つかは別に確認します。

相続の悩みと主な相談先
相談したいこと主な相談先確認する範囲
相続人間の交渉や遺産分割の争い弁護士交渉、家庭裁判所での調停・審判等の代理
相続税や贈与税の計算と申告税理士税務相談、申告書作成・代理、財産評価
不動産の相続登記司法書士登記申請の代理と必要書類の作成
争いのない相続の書類作成や調査行政書士等他法で制限されない範囲の協議書等の作成

司法書士は、裁判所へ提出する書類を作成する業務も行います。相続放棄の申述書や家庭裁判所に出す書類の作成を相談できる場合がありますが、遺産分割の調停で依頼者に代わって交渉し、代理人として活動することとは区別します。

認定司法書士には、簡易裁判所の一定の事件について代理権があります。ただし、その資格があるから家裁の遺産分割も全て代理できる、という意味ではありません。争いの相談では、何を依頼するのかを具体的に伝えてください。

書類作成の依頼にも業務の制限がある

行政書士は、遺産分割協議書等の作成や相続財産の調査などを扱います。ただし、家族間の紛争の代理交渉、相続登記の申請代理、税務申告の代理を、行政書士の資格だけで行うことはできません。

税理士へ財産の評価を頼む場合も、相続人の権利を巡る交渉まで全て含まれるとは限りません。依頼する内容に紛争や登記が含まれるときは、その部分の担当を別に確認します。

税務の担当は資格と登録や通知を確認する

税務代理、税務書類の作成、税務相談は税理士業務です。国税庁の説明では、税理士や税理士法人のほか、国税局長への通知をした弁護士等が行えるとされています。弁護士なら誰でも日常的に相続税申告を受任していると考えず、担当資格と業務の取扱いを確認しましょう。

無料相談は相談できる内容と依頼後の費用を分けて利用する

無料相談は相談できる内容と依頼後の費用を分けて利用するに関する資料のイメージ

何から始めるかを整理する段階では、無料相談を利用する方法があります。ただし、相談が無料ということと、その後の書類作成や申告、交渉も無料ということは別です。

自治体や専門職の相談会は予約と対象を確認する

市区町村には、弁護士や税理士等による相談会を設けているところがあります。地域の弁護士会、司法書士会、税理士会なども相談窓口を案内しています。居住地の制限、予約方法、時間、回数、扱う内容を公式案内で確認します。

自治体の窓口で紹介されたという理由だけで、自治体が手続き全体を代行するわけではありません。担当専門家へ継続して依頼できるか、相談会と個別契約がどのように分かれるかを聞きましょう。

税務署や法務局では制度と手続きの案内を受ける

税務署では相続税の制度や申告について相談できます。国税の一般的な質問は電話相談を利用し、資料を示して具体的な確認が必要なら、所轄税務署へ面談予約について問い合わせます。

ただし、家族に最も有利な分け方を設計し、資料を集めて申告を丸ごと代行してもらう窓口ではありません。法務局の登記手続案内も、申請の記載方法などを確認する場と、登記の代理を依頼する場を区別します。

法テラスは、相談先がわからない人へ法制度や窓口の情報を案内しています。さらに、経済的に余裕がない人について、一定の条件の下で無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替えを行います。

無料相談の利用には収入や資産等の基準があり、立替えには事件の性質や見通しなどを含む審査があります。原則として返済が必要な立替えと、相談料が無料になる制度を混同しないでください。自分が利用できるかは、家族や資産の状況を伝えて法テラスへ確認できます。

銀行の相続サービスは窓口と実際の担当を確認する

銀行の相続サービスは窓口と実際の担当を確認するに関する資料のイメージ

普段利用している銀行から相談を始めることもできます。預金の相続手続きと、複数の財産の整理を依頼する有料サービスは、同じ銀行でも内容が異なります。

預金の手続き案内と遺産整理業務を区別する

その銀行の口座について必要書類を聞く場面と、他の金融機関や不動産まで調査・整理するサービスでは、業務範囲と報酬が違います。遺産整理業務などの案内を受けたら、対象財産、最低報酬、実費、含まれない手続きを確認します。

銀行が窓口をまとめても、相続税の申告や不動産登記は連携する税理士・司法書士が担当する場合があります。その報酬が銀行への料金と別か、誰と契約するのかを見積書で確かめてください。

家族の対立がある場合の対応も聞いておく

銀行へ依頼すれば、相続人間の争いまで解決してもらえるとは限りません。遺産分割が決まらない場合にどこまで作業するか、中断や解約で費用が発生するかも契約前に確認します。

窓口が一つになる便利さと、総費用、希望する業務の範囲を比べます。直接専門家へ依頼する方法も含め、家族の手間をどこまで減らしたいかから検討してください。

相談前は家族と財産や期限を一枚にまとめる

相談前は家族と財産や期限を一枚にまとめるに関する資料のイメージ

最初の相談で完璧な資料一式を用意する必要はありません。わかっていることと不明なことを分ければ、担当者が次に調べる資料を案内しやすくなります。

初回相談に持参したい資料とメモ
項目用意するもの
家族関係亡くなった人を中心とする関係図、手元の戸籍
財産と借金通帳、登記、保険通知、借入れ資料の所在
遺言と分け方遺言の有無、家族の希望、合意できていない点
期限死亡日、通知の受領日、財産を知った日
今回の目的申告要否、登記、交渉など、確認したいこと三つ程度

資料がないことも情報として伝える

「借金はないと思う」と「確認した資料では借金が見つからない」は違います。家族の記憶だけの情報、通知書で確認した情報、未調査の部分を分けます。親の財産がわからない場合の調査資料も確認の手掛かりになります。

書類は原本と写しを区別し、提出が必要になるかを面談で聞きます。封印のある遺言を見つけたら、内容を見ようと勝手に開けず、保管の状態をそのまま伝えてください。

希望と対立している事実を別々に記録する

「母が家に住み続けたい」「兄は家の売却を希望している」「現金の額は未調査」と記せば、希望と資料の不足がわかります。自分の考えだけを結論として伝えず、他の人の主張や届いた書面も示します。

生前の準備なら、親の同意を得た範囲で資料を用意します。子が相続予定という理由だけで口座を操作したり、親名義の契約を進めたりする権限があるわけではありません。

初回面談では次の作業と契約する範囲を確認する

初回面談では次の作業と契約する範囲を確認するに関する資料のイメージ

面談が終わるとき、何をすれば前へ進むかがわかる状態を目指します。専門用語を理解できなかったら、その場で具体的な資料や手順を聞き直しましょう。

担当者と連絡方法や費用を確かめる

実際に担当する専門家、依頼する業務、含まれない業務、見積総額、追加費用の条件、家族からの連絡窓口を確認します。複数人が依頼する場合は、誰のための代理や申告を行うのかも大切です。

家族全員へ一般的な説明をすることと、対立する一人の代理人になることでは立場が違います。利益の対立があるなら、その事情を伝えて受任できる範囲を確認してください。

期限の近い作業と比較に時間を使える作業を分ける

申告まで十分な時間があるなら、同じ条件で見積りを比べることができます。一方、相続放棄の期限や相手からの通知への対応が近い場合、料金比較の前に権利を守るための作業を確認します。

生活と次の相続を含めた分け方の相談なら、母が全部相続する場合の注意点も踏まえて希望を伝えます。まず今回の目的を一つに絞り、必要な担当と次の作業を決めていきましょう。

無料相談へは一番急ぐ質問を先に持っていく

父の預金と実家があるが借金は未確認、という相談なら、「相続に関することを全部知りたい」より、死亡を知った日と未確認の借金を伝え、まず相続放棄などの判断期限を確認します。その後に、分割と登記、相続税の申告要否を順に整理できます。

家族が税金を減らしたいと考えていても、争いがあって取得者を決められないなら、税額比較だけでは次の作業へ進めません。争っている内容と自分の希望を分けて伝え、交渉を依頼する必要があるかを確認してください。

相談後は「何を、誰が、いつまでにするか」をメモします。資料を集めればよいのか、申立てを急ぐのか、別の専門家へ相談するのかがわかれば、短い面談でも次の行動につながります。依頼を決める前には、受任範囲と費用の説明をもう一度確認しましょう。

相続の相談先でよくある質問

相続の相談先でよくある質問に関する資料のイメージ

財産の額がわからなくても相談できますか

できます。家族関係、死亡日、手元の通知書と未確認の財産を伝えれば、調査の順番から相談できます。

無料相談なら手続きを全部任せても無料ですか

無料とは限りません。相談の時間や内容と、書類作成・申告・交渉の依頼は別です。契約前に業務範囲と費用を確認してください。

兄弟と遺産の分け方で揉めている場合は誰に相談しますか

代理交渉や家庭裁判所での紛争対応を検討するなら、弁護士が基本です。税金や登記の担当との連携も確認できます。

相続対策について問い合わせる
目次