遺言執行者の通知書を準備する 宛先と遺言の写しをそろえる確認表

手続きの期限を確認するカレンダーと資料

遺言執行者の任務を始めたら、遅滞なく遺言の内容を相続人へ通知します。「就任しました」という連絡だけでなく、誰にどの遺言の内容を知らせたかが分かる準備が必要です。

相続人の宛先、通知書へ入れる事項、遺言の写し、発送と不達の記録を一組にします。残高調査がまだ終わっていない場合も、遺言の通知と財産目録の作成・交付を分けて進めましょう。

この記事でわかること
  • 就任承諾と任務開始の経過を記録する
  • 取得財産のない相続人も含め宛先を整理する
  • 遺言通知と財産目録を別に管理し発送後も追う
目次

就任承諾と任務開始の日を記録する

取引記録を保管するファイルと資料

遺言で指定されていることと、執行者への就職を承諾して任務を始めることを区別します。民法1007条は、承諾したときは直ちに任務を行い、開始後は遅滞なく遺言内容を通知することを定めています。

指定された長男が就任を承諾し、預金の調査はまだ途中という例なら、承諾日、任務を開始した日、現時点で分かる遺言と相続関係を記録します。何月何日に通知するという予定も置き、調査中のまま連絡が止まらないようにします。

「7日以内ならよい」といった一律の日数が条文にあるわけではありません。必要な確認を進め、事情がある場合もその経過を残しながら、遅滞なく対応する必要があります。

取得がない人も含め相続人の宛先台帳を作る

家族関係を整理する戸籍と図の資料

通知先は、遺言で財産を受け取る相続人だけに絞りません。前婚の子、代襲相続人等も含め、戸籍から相続人を確認します。受取人の一覧をそのまま相続人の一覧に置き換えないようにします。

宛先台帳の列確認する内容
氏名と続柄戸籍等で確認した相続人。受遺者との区別
現在の住所住所資料、転居情報、確認した日
通知の内容遺言の写しの版と添付ページ
発送と結果発送日、追跡番号、配達又は返送
次の対応住所再確認、再送、専門家への相談

相続人が未成年者や判断能力の低下した人である場合は、誰へどのように通知するかを法律関係に応じて確認します。家族の一人に渡せば本人全員への通知が済むと決めないでください。

所在不明の相続人がいるときは、調べた資料と不明の理由を記録します。他の相続人への通知を含めどう進めるか、弁護士等へ相談するための資料にもなります。

通知書の記入欄と遺言の添付を照合する

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

通知書では、被相続人、対象の遺言、執行者、任務開始と連絡先を特定します。そのうえで遺言の内容が分かるよう、適切な写し等を添えて、添付物の名前とページを照合します。

記入する項目照合元
被相続人の氏名と死亡戸籍等の資料
遺言の作成日・方式遺言書、公正証書、情報証明書等
執行者の立場指定条項又は選任の審判書等
通知する内容本文と別紙目録を含む写しの範囲
今後の連絡財産調査の予定、連絡先、問い合わせの方法

原本そのものを相続人ごとに送り回す方法にはせず、保管しながら必要な写しを用意します。別紙目録があるのに本文だけを添えたり、訂正前の案文を遺言と取り違えたりしないようにします。

通知は遺言内容を知らせるためのものであり、相続人がその配分へ同意した証書を作ることとは別です。受領の返事だけを、遺留分放棄や遺言への異議を取り下げた意思として扱わないでください。

未調査の財産を通知遅延の理由にしない

贈与の合意を記録する契約書類

相続財産目録を作って交付する義務は、民法1011条に別に定められています。遺言内容の通知と、調査した財産の目録を同じ書類だと思わず、それぞれ準備します。

全ての残高や評価が確定するまで、遺言内容の通知を保留する理由にはしません。一方、目録も遅滞なく作成・交付する義務があるため、通知を出したら調査はいつでもよいという意味ではありません。

未確認の口座があれば、何を照会中か、どの資料が未取得かを管理します。目録の追加や訂正の際は版と交付日を残し、死亡日時点の残高と現在の残高も区別してください。

発送と到達と後送資料の履歴を残す

支払内容を確かめる領収書と計算道具

通知の送り方が一律に内容証明だけへ限定されているわけではありませんが、内容と到達を後から説明できる方法を選びます。写し、発送の受領証、追跡、返送された封筒等を相続人ごとに保存します。

不達なら、宛先の確認と再送等を行い、いつ何を試したかを台帳に残します。発送したという記録だけで、相手に知らせる対応が終わったと判断しないようにします。

その後に財産目録や補足資料を送った場合も、最初の通知と同じ記録へ追記します。問い合わせや異議があれば、その内容を通知の受領確認とは別に残し、執行の権限や対応に迷う点を弁護士へ相談してください。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

遺言で財産を受け取る人だけに通知すればよいですか

民法1007条2項の通知は相続人が対象です。財産を取得しない相続人も含め、戸籍等から宛先を確認します。

財産調査が終わるまで通知を待てますか

遺言内容の通知と財産目録は別の義務です。全残高の確定まで通知を保留せず、目録作成も遅滞なく進め、未確認資料を管理します。

相続人から受け取ったと返事があれば配分への同意ですか

受領の返事と遺言への同意や遺留分放棄は別です。どの意思表示かを混同せず、疑問や異議があれば内容を記録して確認します。

相続対策について問い合わせる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次