死亡保険金の据置きと税金 元金と毎年の利息を分ける

送金と受領を確かめる口座の資料

死亡保険金をすぐに使わず、保険会社へ据え置くことがあります。この場合も、保険金そのものの課税を引出しの年まで先送りできるわけではありません。

相続税等の対象となる保険金、据置き後に発生する利息、実際の引出しを別々に整理します。毎年の利息を、最後にまとめて引き出した年だけの所得にしないことも大切です。

この記事でわかること
  • 据置きでも死亡保険金の課税を引出し年へ遅らせない
  • 元金の引出しと雑所得となる利息を分ける
  • 付利日が属する年と申告条件を明細で確かめる
目次

保険金の課税を引出しの年まで先送りしない

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

本稿では、父が保険料を負担し、父の死亡によって子が取得した、一時金としての死亡保険金を据え置く場合を考えます。この前提なら相続税の課税関係を検討しますが、負担者と受取人が違う別の契約では、所得税や贈与税になることがあります。

死亡保険金の課税関係と据置契約を区別する

据置きは、取得した保険金を保険会社に預けておく選択です。第一生命も、死亡保険金の据置制度を生命保険契約そのものとは区別し、一括受取と同様に生命保険金の非課税枠を利用できる旨を案内しています。相続税の条件を満たす場合、振込まれていないという理由だけで申告対象から外しません。

また、年金として受け取る権利を取得する場合の評価とは別の話です。支払明細に「据置」「年金」等の表示があれば、どの契約のどの権利を取得したかを保険会社に確認してから税務の資料へ進みます。

元金の引出しと据置利息を別々に記録する

取引記録を保管するファイルと資料

住友生命の現行FAQは、据置開始時に課税関係が生じた元金の引出しに対する課税と、付利される利息の雑所得を分けて説明しています。引き出した額を全て新たな所得とするものではありません。

架空例として、元金1,000万円を据え置き、ある年の利息が3万円、同じ年の引出しが200万円だったとします。「200万円を受け取ったから雑所得200万円」とせず、保険会社の明細で元利の内訳と、その年の付利を確かめます。

記録する欄架空例の数字使う資料
据置元金開始時1,000万円保険金支払明細、据置申込控え
その年の利息3万円という仮定年別の付利・繰入明細
引出し200万円引出し明細と元利内訳
引出し後の残高会社明細で確認する元金と繰入利息の残高表示

3万円は商品の保証利息ではなく説明用の仮定です。引出しに含まれる元利の順序も、家族の表だけで決めず会社の取扱いに合わせます。

銀行預金の源泉分離課税をそのまま使わない

同じ利息という言葉でも、銀行の預金利息と保険金の据置利息を同じ扱いにしないようにします。第一生命は毎年の据置利息を雑所得の対象とし、源泉徴収の対象ではないと案内しています。利率だけでなく、申告の要否まで確認します。

利息の付加日と暦年の明細を照合する

合意の内容を確認する契約書類

毎年発生する利息は、引出しがなくても確認が必要です。日本生命は、利息を日割計算し、毎年の据置応当日に1年間の利息を元金へ繰り入れると案内しています。税務上も、履歴の日付が属する年の繰入利息を確認します。

たとえば、会社明細の付利日が12月28日の3万円と、翌年1月5日の1万円なら、二つの暦年へ分けて照合します。何年分もたまった利息を後年に引き出したとき、その累計を初めて全部その年の雑所得にする処理は避けます。

所得税の申告不要と住民税を分ける

給与を1か所から受け、給与収入2,000万円以下で、給与・退職以外の所得が合計20万円以下など、一定の条件で所得税の確定申告が不要になる場合はあります。利息だけが20万円以下なら誰でも非課税、という意味ではありません。

医療費控除等で確定申告をする場合には、申告不要の範囲だった所得も含めて申告する必要があります。所得税の申告をしない場合の住民税の扱いは、自治体へ別に確認してください。

据置の条件と必要な証明を保険会社へ確認する

支払内容を確かめる領収書と計算道具

据置可能な期間、対象となる契約、引出し方法、利率の変更、再預入の可否は、保険会社と契約で異なります。今見つけた他社の条件を、親が加入した契約へそのまま当てはめないようにします。

保険金支払明細と年別利息明細を二組にする

相続税の担当には死亡保険金の支払明細と保険料負担者・受取人の資料を、毎年の所得税の担当には付利日と年間利息が分かる明細を渡します。引出し明細は、その二組と元金残高の変化をつなぐ資料です。

日本生命は一度引き出した据置金を再度据え置くことはできないと案内しています。納税資金を引き出す際も、必要額、利用できる手続き、元利の表示を先に聞いておくと、残した金額と申告する利息を照合しやすくなります。

まだ使わないから何もしなくてよい、と書類を保管したままにしないことが大切です。死亡時の税務と、その後毎年の利息の確認日を別に予定へ入れてください。

相続の資料をそろえる際は、相続税の生命保険非課税枠 500万円の計算と受取人の注意点も参考に、今回の判断と全体の申告準備をつなげてください。

ご家族の資料や未確認の点を整理して相談する際は、相続サポートの相談窓口をご覧ください。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

死亡保険金を据え置けば相続税申告を後へ延ばせますか

相続税の対象となる死亡保険金について、据置きの選択だけで取得や申告期限を引出し年へ遅らせることはできません。

引き出した据置金は全額が雑所得ですか

元金と利息を分けます。据置開始時に課税関係を確認した元金の引出しと、据置利息の雑所得を同じ扱いにしません。

利息が20万円以下なら誰でも申告不要ですか

誰でもではありません。一定の給与所得者等の申告不要要件を確認し、還付申告をする場合や住民税の手続きも分けて判断します。

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