相続税申告書の控えをなくしたら 閲覧と写しの取得方法を確認する

相続税申告書の控えをなくしたら、まず申告を依頼した税理士の保存控えや、当時の電子申告データを探します。見つからない場合には税務署の閲覧サービスや保有個人情報の開示請求を検討できますが、窓口で控えが即時に再発行される制度ではありません。
自分が提出した相続税申告書を見たいのか、故人が過去に提出した申告書を見たいのかでも、必要な資格や書類が異なります。申告者、税目、年分、必要な部分を特定してから問い合わせます。
- 税理士の控えと電子申告データを探す順序
- 相続税の送信データと所得税専用PDFサービスの違い
- 閲覧・写真撮影と開示による写しの取得の使い分け
まず税理士の保存控えと送信データを探す

申告書の一部だけ残っているなら、提出税務署、相続開始日、被相続人の氏名、申告者、税理士の名前を確認します。税理士へは、申告書本体だけでなく、財産明細や添付資料、電子申告の受信通知も残っているかを尋ねます。
相続人全員の申告が同じとは限らない
一つの相続でも、全員が同じ内容で共同提出しているとは限りません。母の申告書だけが見つかったときに、他の相続人の申告や修正もすべて含むとは考えないでください。必要なのが当初申告か、後の修正・更正後の情報かも確認します。
税額を知りたいだけなのか、相次相続控除や財産の取得費に関する資料として必要なのかで、探す部分が変わります。使用目的と提出先から求められた内容を伝えると、必要以上の個人情報を取り寄せずに済みます。
e-Taxの受信通知と情報取得サービスの対象を分ける

電子申告したときの申告データや受信通知が保存されている場合には、そこから提出内容を確認できる可能性があります。税理士が代理送信した場合も含め、当時の控えと保存先を確認します。受信通知だけで全明細が分かるわけではありません。
所得税専用のPDF取得を相続税へ流用しない
国税庁の「申告書等情報取得サービス」は、e-Taxまたは書面で提出した所得税等の確定・修正申告書等をPDFで取得する対象限定のサービスです。相続税申告書をなくしたら、この仕組みで同じように取得できる、と読み替えないでください。
申告書等閲覧サービスは本人資格と目的を確認する

申告書等閲覧サービスは、過去の提出内容を確認して適正な申告書等を作るためのサービスです。相続税申告書も対象ですが、資産や所得を第三者に証明するための制度とは目的が違います。申告書を所管する税務署へ、本人か代理人か、どの部分が必要かを伝えます。
代理人や相続人の資格は追加資料で示す
本人確認資料に加え、代理人なら委任状等が必要です。故人の過去の申告書を相続人が見る場合や、共同提出した申告書の全体を代理人が見る場合には、相続関係や他の納税者の委任等の追加条件が関係します。「相続人なら他の人の申告を全部見られる」とは考えないでください。
| 確認したい内容 | 窓口で伝えること | 注意点 |
|---|---|---|
| 自分の相続税申告書 | 税目・相続開始日・提出先 | 本人の情報の範囲を確認 |
| 共同提出した申告書全体 | 共同提出者・代理関係 | 全員の委任等が関係する場合がある |
| 故人自身の過去の申告書 | 相続関係・申告者の死亡 | 必要な委任・相続証明を確認 |
閲覧は原本を持ち帰る手続きではありません。写真撮影は認められる条件や撮影できない部分があり、職員の確認等に従います。撮影機器の扱いも含め、予約時に必要書類と方法を尋ねてください。
写しが必要なら保有個人情報の開示請求も区別する

書面の写しを必要とする場合は、保有個人情報の開示請求という別の手続きがあります。開示できる情報の範囲、本人や代理人の資格、手数料、交付方法を確認します。他の人の個人情報が当然に全て開示される制度ではありません。
ただし、故人が生前に提出した申告書は、相続人ならこの開示請求で写しを取れるというものではありません。国税庁は、そのほとんどが開示請求の対象とならないと案内しています。故人の書類については、相続人による閲覧の資格と必要書類を税務署へ確認してください。
すぐ交付される再発行とは考えない
国税庁の案内では、開示等の決定は原則として請求から30日以内で、延長となる場合もあります。閲覧当日の写真と、開示決定後の写しの取得を同じ日程で考えず、使う期限を先に伝えて相談します。
まず手元の申告書の一部や税理士からの送付メールを探し、「誰の、何税の、いつの申告の、どの部分か」を一行にしてください。そのメモを使って元の税理士、続いて所管税務署へ確認すると、手続きの取り違えを減らせます。
関連する確認:相続税申告に必要な書類 財産別の一覧と集め方や不足時の対応。
よくある質問

税務署で相続税申告書の控えを再発行できますか
控えをその場で再発行する制度ではありません。元の税理士や電子申告の保存データを探し、必要に応じて閲覧・撮影や開示請求を確認します。
所得税のPDF取得サービスで相続税も取れますか
相続税へ同じ仕組みを使えるとはいえません。申告書等情報取得サービスは対象が所得税等に限られており、相続税の送信済み保存データや閲覧等とは分けて確認します。
共同申告なら他の相続人の部分も自由に見られますか
自由に全体を見られるとは限りません。本人か代理人か、共同提出者の委任等、閲覧できる情報の範囲を税務署へ確認してください。