相続登記が終わったら 完了書類と名義変更の仕上げを確認する

不動産登記のオンライン申請と紙資料を示すイメージ

相続登記の完了連絡を受けたら、まず対象の土地・建物と、自分の氏名・住所・持分が申請どおりかを確かめます。完了書類をしまう前に登記記録と照合し、その後で税の通知先や保険・管理契約の引継ぎを進めます。

登記完了証と登記識別情報は、どちらも「権利証」として同じ用途に使うものではありません。受け取った資料の役割を分けて保管すると、今の確認と将来の売却・相続の準備を両方進められます。

この記事でわかること
  • 完了した物件・持分・名義を登記記録で照合する
  • 完了証・識別情報・還付原本の役割を分けて保管する
  • 税通知・保険・管理契約の引継ぎと売却資料を残す
目次

完了連絡を受けたら登記記録の内容を確かめる

取引記録を保管するファイルと資料

物件と持分を申請した一覧に合わせる

登記事項証明書や登記情報で、所在・地番・家屋番号、名義人、住所、持分を確認します。家だけでなく敷地の複数筆、私道の共有持分など、申請の対象にした物件が抜けていないかを一覧で照合してください。

照合するもの確認する内容
不動産の一覧と登記後の記録地番・家屋番号・筆数・建物の種類等
遺言・遺産分割協議と権利の記録誰が、どの持分を取得したか
名義人の資料氏名、住所に誤りがないか
申請控え・受付番号どの申請が完了したという連絡か

登記完了証だけで現在の権利内容を全部判断しない

登記完了証は、申請された登記が完了したことを知らせる書類です。現在の登記簿全体の内容を証明する登記事項証明書とは役割が違います。依頼先から最新の証明書等を受け取っていれば、それを使って照合します。

記載の食い違いが見つかったら、その箇所と根拠資料をまとめて、申請した法務局や依頼した司法書士へ連絡します。自分で完了書類の文字を書き換えて済ませるものではありません。

受け取った書類を役割ごとに分けて保管する

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

登記識別情報は内容を他人へ見せない

登記識別情報は、今後の売買や担保設定等の登記で名義人本人であることを確認するために使う情報です。不動産ごと、名義人となる申請人ごとに通知されるもので、相続人全員へ同じ一枚が配られるわけではありません。

受け取る資料役割保管するときの注意
登記完了証今回の申請の完了を確認する受付番号や申請控えと対応させる
登記識別情報通知将来の登記で本人の権利を確認する情報番号部分をむやみに開封・撮影・共有しない
原本還付された戸籍・協議書等ほかの手続きや経過の確認に使う申請時に還付を求めた範囲を点検する
登記事項証明書等登記後の権利内容を確かめる取得日と対象物件を残す

返却される原本と、取得していない資料を分ける

原本還付を請求した資料と、その返却状況を照合します。手続き方法や申請時の希望によって受け取るものが変わるため、表の全てが必ず全員へ交付されると考えないでください。受取り待ちの書類があれば、法務局や依頼先へ確認します。

登記識別情報は原則として再通知されません。紛失した場合の本人確認には別の手段がありますが、単に同じものを取り直せる書類として扱わず、必要な時まで安全に保管しましょう。

税の通知先と保険・管理先の名義を引き継ぐ

合意の内容を確認する契約書類

固定資産税の宛名と納付方法を確かめる

登記の内容は自治体へ通知されますが、すべての契約や通知先が同時に自動変更されるわけではありません。現所有者申告や相続人代表者の届出をしていた場合、登記完了後の連絡の要否と翌年度の納税通知先を担当課へ確認します。未登記家屋があれば、その所有者変更は別に扱います。

火災保険や管理先は個別に連絡する

連絡先確認すること
火災保険等の保険会社契約者、補償対象、保険料の支払方法
マンション管理組合・管理会社所有者、連絡先、管理費・修繕積立金の口座
賃貸物件の管理会社賃貸人の承継、家賃振込先、預り金等
自治体の税担当登記後の通知先、未登記家屋、納付方法

不動産を共有で取得したなら、連絡担当と費用負担を家族で記録します。名義の登記だけで管理の担当まで決まったと思わず、毎月届く請求や緊急連絡の行先を引き継いでください。

将来売るときに必要な資料も一緒に残す

支払内容を確かめる領収書と計算道具

取得費や修繕の資料は登記の書類と分けて残す

親が購入したときの売買契約書や領収書、増改築の資料、今回の登記費用等は、将来売却するときの税務の確認に役立ちます。全てが取得費になると決めつけず、何の費用かがわかる形で保管してください。登記識別情報があっても、購入代金の証拠にはなりません。

物件別のフォルダーに、権利関係、契約と管理、税務資料を分けると、売却や次の相続の際に探しやすくなります。まず今回の申請控えと登記後の記録を並べ、物件と持分が合っているかを確認するところから仕上げましょう。

関連する手続きは、相続登記を自分でする手順 必要書類と申請書の作成方法でも確認できます。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

登記完了証があれば登記事項証明書は不要ですか

役割が違います。完了証は申請の完了を知らせる書類なので、名義や持分など現在の登記内容は登記事項証明書等で照合します。

登記識別情報は相続人全員に同じものが届きますか

同じものが全員へ届くわけではありません。対象不動産と名義人となる申請人ごとの取扱いや交付状況を確認してください。

登記が終われば保険や管理会社の名義も自動で変わりますか

自動で全て変わるわけではありません。火災保険、管理組合、賃貸管理などの相手ごとに、名義・連絡先・支払いを確認します。

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