飲食店の営業者が死亡したら 相続の地位承継届と添付資料

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

個人で飲食店の営業許可を受けていた親が亡くなった場合、相続により営業者の地位を承継する手続きがあります。家族が同じ店を続けるからと放置せず、許可証と相続関係を確認して、所在地を管轄する保健所等へ連絡してください。

ここでは父個人の許可で営業していた一店舗を、同じ厨房と営業内容で長女が続ける架空例を使います。地位承継届に書く事項と、別に確認する責任者や設備、店舗契約を整理します。

この記事でわかること
  • 営業者の名義と届出の時期の確認
  • 相続関係と承継者の同意を示す資料
  • 届出欄と許可更新や設備変更の分け方
目次

営業許可の名義と期限を確認し管轄保健所へ連絡する

手続きの期限を確認するカレンダーと資料

許可証F01で、営業者、施設名と所在地、営業の種類、許可番号、有効期間を確認します。屋号が父の名前に似ていても、許可の名義が法人なら、父個人の死亡による相続承継と同じ手続きとは限りません。代表者変更など、法人として必要な届出を確認します。

食品衛生法56条は、営業者に相続があったときの地位承継と、承継した人が遅滞なく届け出ることを定めています。「死亡後30日」といった他業種の申請期限を、そのまま飲食店へ当てはめるものではありません。書類集めを理由に放置せず、まず事実と継続予定を伝えてください。

F01で確かめる欄窓口へ伝えること
営業者父個人か法人か
施設店の住所、屋号、厨房等をそのまま使う予定か
許可の内容番号、営業種類、有効期間
死亡と継続死亡日、続けたい人、営業内容の変更予定

この例では有効な飲食店営業許可を引き継ぐ前提ですが、期限切れや別の営業種類がある場合は扱いを相談します。地位承継の届出をすれば有効期間が新たに最初から始まる、と考えないことも大切です。

承継者と相続関係を戸籍や同意書で示す

家族関係を整理する戸籍と図の資料

長女が店を手伝っていたことと、許可営業者の地位を承継する人としての確認は別です。この例では相続人が母、長女、次女の三人と分かったものとし、その関係をF02、長女を承継者に選ぶ同意に関する資料をF03として整理します。

食品衛生法は、相続人が二人以上いる場合、その全員の同意によって当該営業を承継すべき相続人を選定したときは、その人が地位を承継する旨を定めています。口頭で「姉に任せる」と聞いたことだけで、指定された同意書まで取得済みとしないでください。

準備する資料この例で示したいこと
F02 戸籍等父の死亡と、相続人全員の関係
F02の代わりに確認する資料法定相続情報一覧図の写しを利用できるか
F03 同意書等長女を営業の承継者として選ぶ必要な同意
その他の指定書類許可証の原本、書換え交付申請等の要否

福島県や金沢市等の案内では、戸籍等や法定相続情報一覧図の写し、相続人が複数の場合の同意書等が示されています。実際の提出資料は所在地の窓口に確認し、単に最新の戸籍一通だけで全員の関係を示せると決めないようにします。

営業者の地位を長女にする合意と、店舗の土地建物、設備、預金、借金を誰が取得・負担するかは、関連していても別の整理です。母が店舗を取得して長女が借りるなどの場合も、許可の届出だけで賃貸借や資産の取得まで完了したことにはなりません。

許可証の番号と死亡日と施設情報を届出欄へ転記する

取引記録を保管するファイルと資料

保健所等の現行の地位承継届と記載例を入手し、F01〜F03から情報を対応させます。自治体により様式や提出部数、許可証の取扱い等が違うため、他市の用紙をそのまま使わず、営業施設の所在地の案内を確認してください。

届出で確認する欄元になる情報間違えやすい点
承継する人長女の氏名や住所等営業施設の住所と本人の住所を混同する
被相続人父の氏名等屋号だけで個人を特定しようとする
原因と年月日相続による承継と父の死亡日届出書を作った日と取り違える
施設と営業F01の施設名、所在地、営業の種類同じ店の別許可を書き落とす
許可番号等F01の番号と許可の情報古い許可証の番号を転記する

用紙の欄名や添付欄に合わせて記入し、許可証と戸籍、同意書の氏名に違いがあれば事情を示します。許可証を紛失した場合の扱い、書換えの手続き、郵送や電子申請の可否も、提出先へ先に確認すると手戻りを減らせます。

例えば渋谷区の現行案内は、地位承継に伴って食品衛生責任者等が変わった場合は、別途変更手続きが必要としています。届出に必要な資料の一覧と、別に変更する事項の一覧を分けて作ると、受付が終わった後も確認を続けられます。

責任者や設備の変更と許可更新を別に確認する

合意の内容を確認する契約書類

長女が引き継ぐことを決めたら、今までと変わる事項をF04に書き出します。同じ場所だから届出一通で何を変えてもよい、とは考えないでください。厨房の拡張や営業種類の追加を予定する場合は、工事や設備購入を決める前に保健所等へ図面と内容を示して相談します。

F04の変更予定先に確認する先と資料
父が食品衛生責任者だった責任者の変更と資格を保健所へ確認
厨房を広げたい改装図面と営業内容を示し、変更か新規許可等か確認
別の食品製造も始めたい営業種類と必要な許可・届出を確認
店舗の借主を子へ変えたい店舗賃貸借契約と貸主の承諾等を確認
許可の期限が近い地位承継とは別に更新の時期と申請を確認

食品衛生責任者が変わる場合の資格資料や届出も、自治体の現行案内に沿って用意します。営業者の変更と責任者の変更を同じ欄に一度書けば済む、と決めつけないようにします。

営業の引継ぎに伴う従業員の雇用、仕入先との契約、支払い口座、父の未払金も別に整理します。食品衛生法上の地位承継によって、全契約の名義変更や、父と子の税務申告が自動で完了するものではありません。

提出後は、届出の控えや受付記録、許可証の返却・書換えの状況、不足資料の回答を保存します。F01〜F04に、保健所、店舗の貸主、税務の担当など、確認先と次の期日を付けて管理してください。

複数の専門家への相談を分けるときは、相続の相談はどこにする 悩み別の専門家と無料相談も参考にしてください。

資料の確認や手続きの進め方に迷う場合は、相続サポートの相談窓口をご覧ください。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

親の飲食店営業許可は必ず取り直しますか

相続による営業者の地位承継制度があります。個人か法人か、有効な許可と継続する内容を示し、管轄の保健所等へ確認します。

地位承継届は死亡後30日以内ですか

食品衛生法は遅滞なく届け出ると定めています。他業種の30日期限と混同せず、死亡後速やかに窓口へ連絡して必要資料を準備してください。

届出を出せば許可期限や責任者も更新されますか

地位承継と許可更新、食品衛生責任者等の変更は別に確認します。改装や営業種類の追加も、先に保健所等へ相談してください。

相続対策について問い合わせる
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