故人のGoogleアカウントの手続き データ請求と閉鎖を選ぶ前に

故人のGoogleアカウントを整理するときは、先に閉鎖を申し込まず、必要なデータや未精算の資金があるかを分けて確かめます。Googleは、家族等からのリクエストを審査する仕組みを案内していますが、パスワードやログイン情報を家族へ渡す制度ではありません。
ここでは、父の写真と文書を残したい長女が、閉鎖するかを検討する架空例を使います。公式への請求目的、用意する資料、本人が設定していた可能性のある無効化管理ツールを整理し、受付後に残す記録まで説明します。
- データや資金の請求と閉鎖を選ぶ前の確認
- 公式の審査へ示す資料と受付記録
- 無効化管理ツールと2年以上の未使用の違い
閉鎖する前にデータと資金とアカウントの目的を分ける

最初にG01として、分かっているアカウントのメールアドレスと、父の利用を示す資料を整理します。次にG02で、何を残したいか、未精算の資金について確認したいか、閉鎖を希望するかを分けます。同じアカウントに関することでも、請求の目的は一つとは限りません。
| 目的 | この例で確認すること | 先に決めないこと |
|---|---|---|
| データについて請求する | 父が保管した写真や文書のうち必要な物 | 家族なら全コンテンツを必ず受領できるとはしない |
| 資金について請求する | 対象サービスと未精算の内容が分かる資料 | アカウントに必ず換金可能な残高があるとはしない |
| アカウントを閉鎖する | 必要な請求が残っていないか | 保存したいデータの確認前に閉鎖を先行しない |
Googleの英語版公式案内は、閉鎖を選択した場合、後からアカウント内のコンテンツを渡す請求には対応できないと説明しています。また、すでにコンテンツの請求を提出した場合は、完了まで待ってから次のリクエストをするよう案内しています。
長女が父の写真を残したいなら、削除の受付が早そうという理由だけで閉鎖を選ばず、データの請求方法を先に確認します。何を取得する必要があるかを家族で整理し、その判断の記録をG02に残してください。
取得したいデータと本人や請求者の資料を整理する

Googleは、適切な場合に家族や代理人と連絡を取り、故人のアカウントを閉鎖したり、一定の場合にコンテンツを提供したりすると案内しています。請求は慎重な審査を経て判断され、故人のパスワード等の提供は行われません。家族関係を示せば本人のアカウントへ無条件にログインできる、という手続きではありません。
G03には、問い合わせる人の氏名、父との関係や立場、連絡先を整理します。故人や請求者の確認資料は、国や地域、請求の目的、公式フォームで求められる内容を見て用意してください。海外の解説に出てくる書類を、日本でも必ず最初から全て必要と決めないようにします。
| 準備の区分 | 記録すること |
|---|---|
| 故人と対象 | 氏名、分かっているメールアドレス、利用サービス |
| 欲しいデータ | 写真、文書等の種類と、必要な理由や対象範囲 |
| 請求者 | 本人確認、家族関係や代理の立場を示すために指定された資料 |
| 提出の管理 | フォームの指定項目、送った資料、受付日、連絡先 |
書類を送る前に、公式ヘルプから目的に合う窓口へ進んでいることと、資料に不足がないかを確認します。戸籍等に他の家族の情報が含まれる場合も、必要な範囲や提出方法は窓口の指示に従ってください。審査結果が出る前に、提供されるデータの種類や時期を確定した予定として扱わないようにします。
アカウント無効化管理ツールの設定と通知を確認する

生前の本人は、アカウント無効化管理ツールで、一定期間利用しなくなった場合の通知やデータ共有を設定できます。死亡の知らせを受け取ったら即座に実行する制度ではなく、設定した期間アカウントが利用されなかった場合に動く仕組みです。
データを受け取る相手は10人まで指定でき、相手ごとに共有するデータの種類を変えることもできます。ただし共有できない情報もあります。Appleの管理連絡先とは別の制度なので、家族の指定方法や取得範囲を同じものとして扱わないでください。
| G04で分ける状況 | 確認の進め方 |
|---|---|
| 本人が設定を家族へ説明していた | 通知を受ける人と共有予定のデータを整理 |
| 家族へGoogleから通知が届いた | 対象アカウント、通知内容、ダウンロードの案内を確認 |
| 設定したか分からない | 指定済みやデータ共有済みと決めず、故人についての正式請求を確認 |
| 生前の自分が準備する | 自分の設定で期間、連絡先、共有内容を選び直す |
Googleは、このツールの連絡先には設定した時点で通知は送られず、指定の期間利用されなかった場合に通知されると説明しています。生前の準備では、家族に設定を理解してもらい、連絡先が変わったら見直すことが大切です。ダウンロードする人の確認に携帯電話番号が使われることも案内されています。
未使用ポリシーと申請中の記録を別に管理する

Googleには、2年以上利用されていない個人のGoogleアカウント等を削除する権限を定めたポリシーがあります。2年経過した日に必ず消えるという意味でも、家族がその日まで待てばデータを引き継げるという意味でもありません。
これは個人アカウントの案内です。会社や学校等で提供されたアカウントは、組織の管理者や契約の確認が別に必要となります。父が仕事で使っていたアドレスを、個人アカウントと決めつけないでください。
| 受付後の記録 | 次に確認すること |
|---|---|
| 受付日と請求目的 | データ、資金、閉鎖のどの請求か |
| 提出済み資料 | 追加依頼と重複していないか、不足は何か |
| 審査結果 | 提供の可否、対象、公式に示された次の操作 |
| 取得できたデータ | 保存先、ファイルを開けるか、必要な物がそろったか |
| 閉鎖の判断 | 残る請求と家族の確認、実施結果の通知 |
保存後も、メールや文書に含まれる他人の情報に配慮して取り扱います。データの取得は、預金や証券の名義変更、取引の実行まで認めるものではありません。そこから財産の手掛かりが見つかった場合は、各機関の正式な相続窓口へ資料をつないでください。
財産の手掛かりを調べる全体の流れは、親の財産の調べ方 預貯金や不動産の照会先と必要書類も参考にしてください。
資料の確認や手続きの進め方に迷う場合は、相続サポートの相談窓口をご覧ください。
よくある質問

家族なら故人のパスワードを教えてもらえますか
Googleはパスワードや他のログイン情報を提供しないと案内しています。家族等は目的に合う正式なリクエストを行い、審査を受けます。
閉鎖してから必要なデータを請求できますか
Googleは閉鎖を選択すると後のコンテンツ提供請求には対応できないと案内しています。必要なデータがある場合は、閉鎖を先行しないでください。
無効化管理ツールは死亡の知らせで実行されますか
一定期間アカウントが利用されなかった場合の設定です。死亡届で直ちに実行される仕組みとは異なり、本人が選んだ期間や共有内容を確認します。