相続で名寄帳を取る方法 請求先と共有不動産の確認点

相続で名寄帳を取るときは、不動産のある自治体へ、相続人として請求します。故人が住んでいた市だけでなく、別の市にある土地や家屋は、それぞれの所在地で確認が必要です。
申請書では、故人の名義、必要な年度、単独所有と共有所有の範囲を指定します。資料の名称が同じでも、手数料や非課税物件の掲載範囲は自治体で違うため、送る前に現行の案内を確認しましょう。
- 名寄帳は物件の所在地ごとに請求する
- 名義と年度と共有分を指定し手数料の単位を確認する
- 載らない物件もあるため取得範囲を残して登記資料へつなげる
名寄帳は不動産がある自治体へ請求する

名寄帳は、固定資産税の課税資料を基に、その自治体内の名義ごとの土地・家屋を一覧にした資料です。一般には物件所在地の市町村の資産税担当へ請求し、東京23区など取扱いが異なる地域は管轄窓口を確認します。
故人の住所が甲市でも、土地が乙市にあれば乙市へ確認します。納税通知書、登記資料、古い売買契約書から所在地の候補を並べ、どの自治体へ請求したかを一行ずつ残してください。
名寄帳と評価証明書を取り違えない
名寄帳と固定資産評価証明書は同じ書類とは限りません。例えば那覇市は、名寄帳は公印のない課税台帳の写しで、証明書ではないと案内しています。登記等の提出先に証明が必要なら、求められる資料名を確認して別に取得します。
全国の登記情報を調べる所有不動産記録証明書を使っても、評価額や自治体が把握する未登記家屋の確認まで代わるわけではありません。所在地の手がかりを得た後、その自治体の名寄帳等へつなげます。
申請書では名義と年度と共有分を具体的に指定する

申請書へ、故人の氏名、登録されていた住所、死亡した旨、申請者との関係、必要年度を記載します。転居前の住所や旧姓の手がかりがある場合は、検索に必要か担当課へ確認します。
単独名義と共有名義を別の欄で確認する
故人の単独名義と、故人を含む共有名義では、資料や名寄せの単位が分かれることがあります。「父の分を全部」とだけ書くより、「単独所有に加え、父を共有者とする土地・家屋も確認したい」と具体的に伝えてください。
| 指定・確認する項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 名義 | 同じ氏名でも単独と共有の組合せが分かれる場合がある |
| 年度 | 過年度資料と最新年度で掲載内容が異なる |
| 土地と家屋 | 建物が未登記でも課税台帳に登録されている場合がある |
| 手数料の単位 | 名義・年度・部数等で変わる場合がある |
那覇市の2026年1月からの案内では、名義人一人・年度ごと一部300円です。例として、単独名義の最新・前年度と、共有名義の最新年度の三部を頼むなら900円となります。同じ頼み方や単価が全国共通ではないため、必要な名義の数も含め担当へ確認します。
相続関係と本人確認の書類を添えて送る

相続人として請求する場合は、故人の死亡と申請者の相続関係を示す戸籍等、申請者の本人確認資料などを用意します。法定相続情報一覧図があれば使える範囲を確認し、必要資料を省略し過ぎないようにします。
代理人に頼む場合は、相続人の委任状と、委任する人が相続人であることを示す資料等が必要になります。親族だから誰の名寄帳でも自由に請求できるとは考えず、申請する人の立場を伝えてください。
郵送費と手数料の支払方法は自治体の案内を使う
郵送は、自治体所定の申請書、本人確認や相続関係の資料、必要な手数料、切手を付けた返信用封筒等をそろえます。戸籍等がコピーでよいか、原本が必要かも、提出先の案内を使います。
川口市の名寄帳は無料で、郵送には申請書、返信用封筒等、本人確認の写し、相続関係の証明等を添える案内です。一方、那覇市には所定の手数料があり、郵送時の支払いは定額小為替等を確認します。収入印紙や切手を手数料として同封すればよいと決めないでください。
届いた名寄帳の欠落と登記名義を確認する

届いたら、依頼した年度、故人の名義、共有の組合せが合っているかを見ます。課税明細や手元の登記資料と、所在地・地番・家屋番号を一件ずつ照合してください。
非課税の私道等が必ず載るとは限りません。川口市は、公衆用道路等の非課税の土地・家屋を名寄帳に記載せず、評価証明書の未登録証明など別の確認が必要と案内しています。名寄帳にないという理由だけで、故人の権利がないと判断しないことが大切です。
申請した年度と単独共有の範囲を控えに残す
共有部分が見当たらない場合は、申請した範囲に共有が含まれているか、別の共有名義の資料があるかを担当へ確認します。家屋の記載だけある場合は、課税上の登録と登記の有無、実際の所有経緯も分けて調べます。
最後に、請求控えへ取得日、確認済みの範囲、掲載されないと確認した物件、追加請求を記録します。地番が分かった物件は登記事項等で所有者・持分・担保を確かめ、名寄帳だけを最終的な権利証明にしないようにしてください。
よくある質問

故人の住所地へ請求すれば全国分を取れますか
名寄帳は原則としてその自治体内の資料です。不動産の所在地ごとに請求先を確認し、東京23区などの窓口の違いにも注意します。
名寄帳の料金は全国一律ですか
一律ではありません。無料の川口市、名義・年度等で料金が変わる那覇市のように違うため、部数と対象を伝えて確認します。
私道が載っていなければ父の持分はありませんか
そうとは限りません。非課税物件を掲載しない自治体もあるため、掲載範囲を確認し、地番が分かれば登記事項等で持分を調べます。