海外で家族が亡くなったら 死亡届と証明書の準備方法

海外で日本人の家族が亡くなったときは、現地での死亡登録と、日本の戸籍へ届け出る手続きを分けて進めます。死亡証明書を受け取っても、それだけで日本の死亡届や火葬の準備が終わるわけではありません。
死亡を知った日の記録から提出先を選び、公館ごとの証明原本・日本語訳・不足項目をそろえる順番を説明します。ニュージーランドとシンガポールの案内は、違いを確かめる例として扱います。
- 国外死亡の3か月と現地の死亡日時の分け方
- 日本での埋火葬予定に合わせた届出先の相談
- 公館別の証明・訳文と国内の相続手続きの整理
死亡を知った日と現地の死亡日時を別々に記録する

国外で日本人が死亡したときの死亡届は、死亡の事実を知った日から3か月以内に行います。死亡した日と家族が知らされた日が同じとは限らないため、病院等の証明する日時と、届出義務者が事実を知った日を分けて記録してください。
例えば、現地で10月1日に父が亡くなり、日本の家族が10月3日に知らされた場合を仮定します。死亡証明書には現地の死亡日時を確認し、届出期限の相談にはいつ死亡を知ったかも伝えます。単に日本の現在時刻へ直した日を、死亡証明書の記載と混ぜないようにします。
最初の連絡では、故人の国籍と本籍、死亡した国・地域、現地の病院や当局、現在分かる証明書を整理します。日本大使館・総領事館へ相談し、現地で行う死亡登録、遺体や遺骨の扱い、日本の戸籍への届出を分けて確認してください。外国籍の家族が死亡した場合の戸籍上の申出等は、日本人の死亡届と同じ資料一式ではないため、国籍と家族関係を先に伝えます。
日本での埋火葬予定から届出先を選ぶ

海外の日本大使館等を通して死亡届を出す経路と、国内の市区町村へ提出する経路を確認します。法務省の案内では、死亡地、本籍地、届出人の所在地が提出先として示されています。国内の役所へ出す場合も、外国の死亡証明書の形式と訳文を、事前に提出先へ相談してください。
特に、日本へ遺体を搬送し国内で火葬する予定なら、在外公館から戸籍へ情報が届くのを待つだけで間に合うとは限りません。在ニュージーランド大使館は、国内での火葬・埋葬等を予定する場合、国内の役所へ直接届け出る方法を案内しています。
在シンガポール大使館も、在外公館経由では戸籍反映まで時間を要し、日本で埋火葬する予定がある場合は国内市区町村への直接届出を相談するよう案内しています。所要日数は国や事案により変わるため、「公館へ出したから日本の火葬許可も取れた」とは考えないことが大切です。
| 予定 | 提出前に尋ねること |
|---|---|
| 現地で火葬する | 現地当局の手続きと、日本の死亡届の提出方法 |
| 遺体を日本へ搬送する | 国内の届出先、埋火葬の予定、原本と訳文の準備 |
| 家族が国をまたいで対応する | 誰が届出人となるか、原本の所在と国内の連絡担当 |
航空搬送の証明、現地の埋葬・搬送許可、日本の死亡届の添付書面は、目的が異なります。葬儀社等へ依頼する際も、どの書類を誰がどこへ出すのかを、役所・公館の案内と合わせて確認します。
証明原本と訳文と死亡時刻を公館別にそろえる

死亡証明書といっても、現地医師の証明と、現地の公的な死亡登録証明がある場合があります。名称だけで同じとせず、提出先が認める発行機関と証明内容を確かめます。原本が必要か、認証された写しでよいか、日本語訳に誰の氏名を記すかも確認してください。
次の表は、2026年10月に確認した二つの在外公館の案内を比較したものです。国内役所や第三国へ、そのまま同じ通数を当てはめるための一覧ではありません。
| 確認する資料 | ニュージーランド大使館の例 | シンガポール大使館の例 |
|---|---|---|
| 死亡届 | 2通の案内 | 1通の案内 |
| 死亡の証明 | 現地の死亡証明書の原本等、提出方法別の案内を確認 | ICA等の指定する死亡証明書と原本の案内を確認 |
| 日本語訳 | 1通。翻訳者の記載等を確認 | 1通。翻訳者の記載等を確認 |
| 死亡時刻がない場合 | 現地の証明書にない時刻を、医師の書簡等で補う案内 | 届書の時刻・場所等を現地証明と照合 |
| 旅券など | 窓口と郵送で扱いが違う資料を確認 | 届出人の本人確認と故人の旅券等を確認 |
ニュージーランドの例では、証明書の様式によって死亡時刻が載らない場合があるため、死亡の年月日・時刻等を記した医師の書簡と訳文の準備を確認します。分からない時刻を家族の記憶で埋めず、公館へ不足項目を示してください。
郵送の場合は、窓口で原本を提示する方法と同じ扱いとは限りません。特に旅券原本は、自己判断で同封せず、公館が求める写しや提示方法に従います。死亡証明の表記が故人の戸籍・旅券と違う場合も、名前の対応を説明する資料が必要かを提出前に確認します。
提出控えと戸籍反映を国内の相続手続きへ渡す

届出後は、提出先、提出日、書類の名称、原本を送った先、追加資料の依頼を記録します。死亡届の受付、戸籍への記載、埋火葬に関する許可は、同じ日にすべて終わるとは限りません。戸籍を取得する時期と、どの証明で手続きを進められるかを、それぞれの窓口へ確認してください。
銀行、保険、年金、相続登記等の手続きは、死亡届を出したことだけでは完了しません。死亡を示す戸籍等が必要なのか、外国の証明を使う場合の訳文や原本は何かを確認します。一つしかない原本を出す前に、返却の可否や追加発行の方法を確かめておくと、ほかの手続きとの重なりを整理しやすくなります。
故人の財産の調査は、親の財産の調べ方 預貯金や不動産の照会先と必要書類を参考に、国内と海外の窓口を分けて進めます。死亡届の期限に加え、相続放棄や税の申告等には別の期限があるため、海外書類の取得中であることを早めに担当専門家へ伝えてください。
手元の資料と未確認の点を整理して相談する際は、相続サポートの相談窓口をご覧ください。
よくある質問

海外で死亡した場合も死亡届は7日以内ですか
国外での日本人の死亡については、死亡の事実を知った日から3か月以内です。現地の死亡日時と、届出義務者が知った日を分け、提出先へ期限を確認します。
日本で火葬する予定でも公館へ出せば十分ですか
公館経由では戸籍への反映に時間を要する場合があります。国内の埋火葬予定を伝え、市区町村へ直接届け出る方法と、必要な証明・許可を公館と国内窓口へ確認してください。
外国の死亡証明書と日本語訳は何通必要ですか
提出する公館や市区町村、証明の種類、郵送か窓口かによって異なります。通数だけでなく原本・写し、翻訳者、死亡時刻等の必要項目を、提出先の現行案内で確認します。