空き家の電気と水道を止める前に 管理作業と漏水対策を確認する方法

空き家になった実家の電気と水道を、両方とも続けるか両方とも止めるかの二択にする必要はありません。内覧や清掃、防犯設備などで必要なものを確認し、契約、設備、見回りの方法を組み合わせて決めます。
特に水道は、契約を残すこと、普段の元栓を閉めること、凍結に備えて水抜きすることが別の作業です。料金を減らす判断が設備の停止や漏水につながらないよう、契約一覧を作って確認する方法を説明します。
- 電気と水道が必要な管理作業の見分け方
- 漏水や凍結対策と契約中止を区別する方法
- 名義や請求先と再開予定を管理する確認表
電気と水道が必要な作業を先に書き出す

まず、今後数か月で行う清掃、家財整理、点検、内覧、工事の予定を書きます。その作業に水や電源が必要か、業者が持参する方法で対応できるかを確認してください。
国土交通省の空き家管理受託ガイドラインも、通電・通水の維持や使用中止は物件の状況によるとしています。排水トラップの封水程度なら、巡回時に水を持参する対応が考えられる一方、電力が必要な設備がある場合は通電を続けることが考えられます。
| 作業や設備 | 停止前に確認すること |
|---|---|
| 清掃と内覧 | 利用日、照明や掃除機、手洗いの必要性 |
| 防犯・通信機器 | 電源と通信契約、停電時の通知 |
| 給湯器等 | 凍結防止機能や電源の必要性 |
| 浄化槽等 | 運転停止の可否と保守点検先 |
| 換気や排水管理 | 設備の運転と巡回時の作業 |
設備を一覧にしておけば、「人が住んでいないから不要」と考えて警備機器まで止めてしまうことを防げます。機種が分からない設備は、取扱説明書や点検業者に確認してから決めます。
水道の継続と元栓を閉める作業を分ける

通水を行う管理方法なら、水道契約を続ける案があります。ただし契約があるだけで設備が保全されるわけではなく、訪問時の点検や漏水確認が必要です。不在中の元栓の扱いも決めておきます。
一方、長期不在時の漏水被害を防ぐため、閉栓・中止を案内する自治体もあります。奥州市は、空き家で水抜きを行わず、凍結破損から多額の漏水が生じた事例を公表しています。地域と設備が違う案内を、そのまま全国一律の正解にはできません。
契約中止と水抜きは同じ作業ではない
水道の使用中止を申し込んでも、建物内や給湯器に残った水が全て自動で抜けるとは限りません。寒冷地では、止水栓の位置、排水する箇所、給湯器や配管の対応を水道事業者や設備業者へ確かめます。
元栓を閉めたまま使えない設備や、別の手順が必要な機器もあります。自分で操作する範囲を確認し、見回り担当が替わっても同じ手順を取れるよう、写真付きの管理メモを残してください。
必要な電源と止める機器を設備ごとに確かめる

電気の契約を残して普段はブレーカーを落とす案でも、全回路を一律に止めてよいとは限りません。凍結防止ヒーター、給湯器の凍結防止機能、防犯設備など、通電を前提とする機器があるためです。
例えば、冬季の空き家で給湯器の凍結防止に電力を使う機種なら、節約のつもりで電源を切ると必要な機能が働かなくなるおそれがあります。取扱説明書と業者の指示を優先し、どの回路を残すかを特定します。
使わなくなる冷蔵庫は、中身の処分、清掃、乾燥などを含めて準備します。劣化した配線や漏電が疑われる場合に、通電を続ける判断だけで安全を確保できるわけでもありません。電気工事業者等へ点検を相談してください。
契約容量を下げられるか、どの料金プランが合うかも電力会社へ確認できます。全国共通の基本料金で計算せず、実際の請求と必要設備から見直します。
死亡連絡と名義変更や中止の受付を進める

親の口座が凍結して引落しができなくなっても、それだけで電気や水道の契約が希望日に終わるわけではありません。未払いと予定した中止を区別して、事業者へ死亡と今後の利用方針を伝えます。
| 契約台帳の列 | 書き込むこと |
|---|---|
| 供給先と顧客番号 | 住所、事業者、検針票等の番号 |
| 今後の方針 | 継続、名義変更、中止の希望日 |
| 支払い | 現契約者、請求先、支払方法、未払分 |
| 設備の条件 | 残す回路、元栓、水抜きの担当 |
| 現地の作業 | 立会いの要否、鍵、作業報告先 |
手続きに必要な資料や立会いは事業者で異なります。料金の最終精算、再開する場合の申込み、契約名義と相続人の関係を確認し、受付番号や完了通知を保管してください。
兄が見回り、妹が料金の窓口を担うなら、契約変更をした日と現地の操作をした日を共有します。管理会社へ依頼している場合は、どちらが料金を払い、漏水等の異常を誰へ知らせるかも契約へ合わせます。
再開予定と年間料金を表にして見直す

節約額は、月々の基本料金だけでなく、再開の手間、内覧や工事までの期間、管理作業の変更を含めて考えます。すぐに売却の内覧を予定している家と、長期間立入り予定がない家では判断が異なります。
仮に電気と水道の基本料金等が合計月3,000円なら年3万6,000円です。これは計算方法を示す仮定で、実際の料金や相場ではありません。この負担と、必要な管理が行えるかを並べて判断します。
継続を選んだ後も、検針票の使用量が管理予定と合うかを確認します。誰も通水していない月に水量が増えていれば、漏水や使用状況を調べるきっかけになります。
解体や売却の予定が固まったら、工事業者や不動産会社と中止日を調整してください。日常の使用中止と、メーターや引込設備の撤去は別の手続きになることがあるため、先に依頼内容を確認します。
よくある質問

空き家の水道は必ず残すべきですか
一律には決められません。通水の管理方法、長期不在時の漏水、地域の凍結リスクを確認し、契約中止と元栓や水抜きの作業を分けて判断します。
電気契約を残してブレーカーを全部落としてよいですか
凍結防止ヒーターや給湯器、防犯設備などが必要な場合は一律に停止しません。機器の説明書や業者の指示で残す電源を確認します。
親の銀行口座が止まれば契約も解約されますか
引落不能と解約は別です。事業者へ死亡と今後の利用方針を連絡し、名義、請求先、支払方法、中止日と未払料金を確認してください。