相続放棄受理通知書と受理証明書の違い 取得方法と提出先

相続放棄が受理されたときに届く「受理通知書」と、別途申し込む「受理証明書」は、交付される方法が違います。通知書を受け取っていても、提出先から証明書を求められたら、受理した家庭裁判所へ交付を申請します。
一方、通知書で手続きできる場合もあるため、必ず証明書の原本が必要と決めつける必要はありません。必要な書面と通数、原本を返してもらえるかを提出先に確認してください。
受理通知書は結果のお知らせで証明書は申請して取る

受理通知書は、家庭裁判所が申述人へ、相続放棄の申述を受理した結果を知らせる書面です。受理証明書は、その事実を証明するため、必要に応じて交付を申請する書面です。
| 比較点 | 受理通知書 | 受理証明書 |
|---|---|---|
| 取得 | 受理後に送付される | 交付を申請する |
| 再取得 | 通常は再発行されない | 必要通数を再申請できる |
| 使う場面 | 提出先の求める証明に応じて確認する | |
放棄の有効性まで全て確定するものではない
証明書は、申述が受理された事実を示します。後に法定単純承認等をめぐって争われる場合まで、実体法上の有効性を全て保証する書面ではありません。争いがある場合は、受理されたから問題がないと自己判断しないでください。
提出先に必要な書類と原本の扱いを確認する

債権者から返済を求められた、ほかの相続人が銀行や登記の手続きをする、といった場面で証明が必要になります。まず、どちらの書面をどの形で提出するかを聞きます。
手元の通知書で足りるか確認する
相続登記で通知書を提出したい場合は、手元の通知書の記載内容を示し、受理証明書を別途取得する必要があるかを法務局や依頼先に確認します。通知書なら無条件に使える、証明書の原本が常に必要、といういずれにも決めつけず、今回必要な資料を確かめてください。
原本と写しの扱いを先に確認する
複数の金融機関や債権者へ出す場合は、必要通数、写しの可否、原本返還の方法を確認します。通知書を唯一の原本のまま渡して戻らない、とならないよう控えも残します。
申述した家庭裁判所へ交付を申請する

証明書が必要なら、相続放棄を受理した家庭裁判所へ申請します。現在住んでいる場所の裁判所ならどこでも交付する、という手続きではありません。
事件番号と亡くなった人の情報を準備する
申請書には事件番号、被相続人、申述人、必要通数等を記載します。事件番号は受理通知書で確認できます。申請書式は受理した家裁の案内を使用してください。
費用と返信用封筒を確認する
証明書は通常一通につき収入印紙150円が必要です。郵送なら返信用封筒や郵便切手、本人確認資料等を確認します。古い書式の郵便料金をそのまま使わず、申請先に現在の必要額を聞いてください。
本人以外の請求は利害関係を示す

申述人本人のほか、ほかの相続人や債権者などの利害関係人が申請する場合があります。利害関係人であることを説明する資料が必要で、誰でも自由に取れる書類ではありません。
受理の有無を調べる手続きと分ける
誰が放棄したのか分からない場合の「申述の有無の照会」と、受理証明書の交付は別です。裁判所の照会に対する回答書が届いても、証明書の交付も同時に終わったとは考えないでください。
利害関係の根拠を示す
相続関係が分かる戸籍や債権を示す契約資料など、立場に応じた資料を確認します。自分が放棄した後に他の人の証明を求める場合も、以前相続人だったことだけで交付資格が決まるとは限りません。
紛失や氏名変更があれば裁判所へ先に確認する

通知書をなくし事件番号も分からなければ、申述した家裁に連絡し、被相続人と申述人の氏名、死亡日、受理されたおおよその時期等を伝えて確認方法を聞きます。
氏名や住所が変わっている場合も伝える
受理当時と現在の氏名・住所が違う場合は、つながりを示す戸籍や附票等を求められることがあります。どの資料が必要かを先に確認してください。
交付にかかる日数は裁判所や申請事情によって異なります。まず提出先へ必要書面を確認し、次に受理家裁の申請案内を読む順番で進めれば、不必要な交付や書類の取り直しを減らせます。
よくある質問

受理通知書をなくしたら相続放棄が無効になりますか
通知書をなくしただけで放棄が無効になるわけではありません。証明が必要なら、受理した家裁へ受理証明書の交付を相談します。
受理証明書は何度でも取得できますか
必要に応じて交付を再申請できます。申請資格、通数、費用、本人確認資料を受理した家裁に確認してください。
債権者にも通知書の写しでよいですか
提出先の扱いによります。通知書の写しで足りるか、受理証明書の原本が必要かを、債権者に確認してください。