相続放棄の撤回と取消し 受理前後の手続きと認められる条件

相続放棄の撤回と取消し 受理前後の手続きと認められる条件のイメージ

相続放棄の申述をした後で財産が見つかっても、受理された放棄を自由に撤回することはできません。一方、まだ受理前なのか、詐欺や強迫などの事情があったのかによって、検討する手続きは変わります。

最初に申述先の家庭裁判所へ受理の状況を確認し、出した書類と新しく判明した事実をそろえます。親族との口約束だけで元に戻ったと思わず、取消しの条件と短い期間制限を確認してください。

この記事でわかること
  • 申述の受理前と受理後で変わる対応
  • 単なる後悔と法律上の取消し事由の違い
  • 取消しの期限と必要な資料や関係者への影響
目次

相続放棄は申述前と受理前後で対応が変わる

相続放棄は申述前と受理前後で対応が変わるに関する資料のイメージ

相続放棄は、家庭裁判所に申述する手続きです。家族間で財産を受け取らないと話しただけなら、法律上の相続放棄が成立した場合とは区別します。

受理前は取下げができるか裁判所へ確認する

申述を提出した後でも、受理される前なら取下げができる場合があります。照会書に回答したか、受理の処理が済んだかを、自分で推測せず申述先へ確認します。

取下げ後に相続するか迷う場合も、最初の熟慮期間が自動でリセットされるものではありません。期限と期間伸長の要否を合わせて確認してください。

受理後は原則として自由な撤回ができない

民法は、相続の承認及び放棄は熟慮期間内でも撤回できないと定めています。受理後に家族全員が賛成しても、同意だけで相続人の地位へ戻れる制度ではありません。

借金が思ったより少なかった、気持ちが変わったという事情と、法律上の取消し事由があることは別です。通知を受け取った日だけでなく、受理された事実と時期も確認します。

詐欺や強迫などの取消し事由があるか確認する

詐欺や強迫などの取消し事由があるか確認するに関する資料のイメージ

受理後でも、詐欺や強迫など、民法の規定に基づく取消しが認められる余地はあります。取消しを求めるなら、誰が何を伝え、それによってなぜ放棄したかを具体的に示す必要があります。

財産が後から見つかっただけで当然には戻せない

「財産はない」と言われて放棄した後に預金が見つかった場合も、発見したことだけで取消しが決まるわけではありません。相手が知りながら隠したのか、何を前提に意思表示したかなどを調べます。

錯誤による取消しには、意思表示の重要な部分に誤りがあること等の要件があります。調査しなかった事情や重大な過失、相手方の認識なども問題となり、知らなかったという説明だけでは足りません。

無効の主張と取消しの申述を分ける

本人の意思に基づかない申述や、意思能力がない状態で行われた申述などは、無効が問題になる場合があります。詐欺等を理由とする取消しの手続きと同じ説明で済ませないようにします。

法改正前の錯誤を無効とする古い記事や裁判例もあります。いつの意思表示かを確認し、現在の取消しの規定をそのまま過去の行為に当てはめないことも必要です。

取消しには追認可能時から六か月などの期間がある

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取消しは、いつまでも主張できるものではありません。民法第919条は、追認をすることができる時から6か月間行使しない場合と、承認又は放棄の時から10年を経過した場合の期間制限を定めています。

取消しの原因と期間の起算日を記録する

追認できる時とは、単に新しい預金を見つけた日と常に同じではありません。取消しの原因となった状況が消滅し、取消権を知った時期等を、原因ごとに確認します。

だまされていたと分かった連絡、強迫が終わった事情、当時の相談記録などを保存します。記憶が曖昧な場合でも、分かる日付と根拠を時系列にして弁護士へ示してください。

相続放棄の時から十年の期間も確認する

10年の起算を、親の死亡時と一律に説明するのは正確ではありません。条文上は承認又は放棄の時からの期間であり、放棄の記録を確認する必要があります。

6か月と10年の両方が過ぎるまで待てるという意味でもありません。どちらかの期間が問題になる前に、必要な申述や権利行使を確認してください。

家庭裁判所へ資料を添えて取消しを申し立てる

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取消しを求める場合は、家庭裁判所へその旨を申述します。元の相続放棄の事件番号や受理通知、申述書の控え、取消しの事情と資料を準備し、提出先と必要書類を確認します。

受理後も民事上の効力が争われる余地がある

家庭裁判所の手続きで受理されたことと、関係者との間で実体的な効力が最終的に確定することは別です。債権者や他の相続人が争う場合は、民事訴訟等で判断されることがあります。

弁護士へは、取消しが認められる可能性だけでなく、無効を争うべきか、その後の遺産や債務をどう扱うかまで相談します。

次順位相続人と債権者への影響を確認する

自分の放棄を前提に、次順位の人が申述や財産管理を進めている場合があります。誰へどの通知が届き、財産の処分が行われたかを確認します。

取消しを求めている最中に、預金を受け取ったり遺産を売却したりしないでください。地位が戻るはずだという予測で動くと、別の紛争や返還の問題が増えるおそれがあります。

判断を変える前に申述書と新資料をそろえる

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相談時には、申述書と照会への回答、受理に関する書類、戸籍、新たに見つかった財産の資料、家族との連絡を持参します。取消したい理由を短くまとめ、その裏付けになる記録を添えます。

まだ放棄していない段階なら、プラスとマイナスの財産を調べ、期限内に判断できなければ熟慮期間の伸長を検討します。取消しができるかもしれないことを前提に、調査を省いて放棄することは避けてください。

取消しを考えるきっかけが新しい財産の発見なら、親の財産の調査方法も参考に資料を整理します。発見日だけでなく、放棄前にどのような調査をしたかも残してください。

よくある質問

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受理前なら相続放棄を取り下げられますか

受理前なら取下げができる場合があります。処理状況と必要な手続きを申述先に確認し、元の熟慮期間も合わせて確認してください。

後から預金が見つかれば取消しできますか

発見だけで当然に取消しできるわけではありません。詐欺や錯誤等の要件と、放棄した経緯や証拠を個別に確認します。

取消しを求める期限は何年ですか

原則として追認できる時から6か月と、承認又は放棄の時から10年の期間制限があります。どちらかが問題になる前に申述等を確認してください。

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