不動産の共有持分を贈与する手続き 契約と登記に必要な準備

不動産の共有持分を贈与する手続き 契約と登記に必要な準備のイメージ

自分が持つ不動産の共有持分は、原則としてほかの共有者の同意を得ずに贈与できます。

ただし、物件全体を自由に処分できるという意味ではありません。贈る割合と、受け取った後に誰と共有するかを先に確認します。

一般的な宅地や建物の持分贈与では、契約、登記、贈与税などの費用を一組で考えます。

農地など別の許可が必要な不動産や、住宅ローンが残る物件は、その条件を確認してから進めてください。

この記事でわかること
  • 自分の持分の処分と共有不動産全体の処分は違う
  • 契約には物件全体に対して移す割合を正確に書く
  • 贈与税と登記費用などを別々の評価基準で確認する
目次

共有持分の贈与は自分の権利の範囲で進める

共有持分の贈与は自分の権利の範囲で進めるに関する資料のイメージ

登記事項証明書で贈る人の割合を確認する

共有持分は、不動産全体に対して自分が持つ権利の割合です。

例えば父と叔父が土地を2分の1ずつ持つ場合、父が贈れるのは父の持分の範囲であり、叔父の権利まで子へ渡すことはできません。

確認には登記事項証明書を使います。固定資産税の通知書の宛名や、実際に住んでいる人だけで所有者を決めないでください。

父がすでに亡くなっているなら、生前贈与ではなく相続の手続きから検討します。

贈与後の共有者と利用方法も決める

自分の持分だけの贈与と、不動産全体の売却や建替えは別です。子が持分を得ても、叔父の持分を含む土地を単独で売れるようになるわけではありません。

税額を小さくするために持分を細かく分けると、後の売却や次世代の相続で合意が難しくなることがあります。

実家を兄弟で分けるときの選択肢も読み、持分を渡す以外の方法と比べておきます。

贈与契約には不動産と移す持分を正確に記す

贈与契約には不動産と移す持分を正確に記すに関する資料のイメージ

父の持分2分の1の半分なら物件全体の4分の1

父が持分2分の1を持ち、その半分を子へ贈る例を考えます。子へ移すのは物件全体の4分の1で、贈与後は父4分の1、子4分の1、叔父2分の1になります。

契約書の「2分の1を贈る」が、父の持分の半分なのか、物件全体の半分なのか曖昧だと、登記申請と食い違います。

不動産の所在や地番等に加え、物件全体を基準とした移転持分を明記します。

住宅ローンと担保の条件を先に確認する

抵当権のある物件を贈っても、担保が自動的に消えることはありません。

ローン契約に所有者変更の制限がないか、債務を誰が負担するかを金融機関へ確認してください。

子が借入金などの負担も引き受ける贈与では、通常の無負担の贈与と税務上の評価が異なる場合があります。

負担を差し引けば贈与税が減るとだけ考えず、父の譲渡所得も含めて試算します。

贈与による持分移転登記の必要書類をそろえる

贈与による持分移転登記の必要書類をそろえるに関する資料のイメージ

贈る側と受け取る側の資料を分ける

一般的な贈与登記では、登記申請書、登記原因証明情報、贈る側の登記識別情報、印鑑証明書、受け取る側の住所を証する情報、固定資産評価の資料などを確認します。

住所変更が未登記なら、先にその手続きが必要になることもあります。

資料確認する内容
登記事項証明書現在の名義 持分 担保
贈与契約や登記原因証明情報対象不動産 日付 移転持分
本人と住所等の資料贈る人と受け取る人の登録情報
固定資産評価の資料登録免許税の計算に必要な価額

必要書類は登記の状態や申請方法によって異なります。

法務局の現行様式を基に確認し、登記識別情報が見つからない場合は、再発行されると決めつけず司法書士や法務局へ相談します。

申請後は登記記録と権利を示す情報を確認する

完了後は、父4分の1、子4分の1、叔父2分の1という契約どおりの持分になったかを確認します。

新しく通知された登記識別情報等は、契約書と区別して安全に保管してください。

相続登記の3年の義務を、そのまま贈与登記の期限と取り違えないことも必要です。原因が相続である場合の手続きは、相続登記の義務化と期限で確認できます。

贈与税と登録免許税などは別々の基準で計算する

贈与税と登録免許税などは別々の基準で計算するに関する資料のイメージ

共有だからといって一律に割引評価しない

通常の持分贈与では、財産全体の税務上の評価額に、贈る持分の割合を掛けることが出発点です。

第三者へ共有持分を売る場合の買取価格が低いからといって、その価格を贈与税にそのまま使うわけではありません。

土地と建物でも評価方法は異なります。さらに負担付贈与などは取扱いが変わるため、一般の贈与評価と分けて確認します。

登記費用と不動産取得税も見積もる

贈与税以外に、登録免許税、適用条件に応じた不動産取得税、証明書代や専門家報酬などがかかります。

贈与税の基礎控除内であっても、名義変更の費用がゼロになるわけではありません。

今すぐ持分を移す必要があるのかを決め、不動産の生前贈与と相続の税金や移転費用を同じ物件で比較します。

最初に登記事項証明書と評価資料を取り、贈る割合を決めて試算を依頼してください。

よくある質問

よくある質問に関する資料のイメージ

共有者に相談せず自分の持分を子へ贈れますか

一般的には、自分の持分だけならほかの共有者の同意を要しません。ただし、物件全体の処分や農地等の別の許可、契約上の制限は別に確認します。

父の2分の1の持分の半分を贈ると子の持分はいくらですか

物件全体の4分の1です。父の残る持分も4分の1となるため、契約と登記の割合を一致させます。

贈与税がかからなければ登記費用も不要ですか

不要にはなりません。登録免許税や証明書代などは贈与税とは別に発生します。

相続対策について問い合わせる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次