死亡後の入院給付金は請求できるか 受取人と相続税の確認事項

亡くなった親に未請求の入院や手術の給付金があれば、死亡後でも請求できる場合があります。
死亡保険金の手続きだけで、生前の治療に関する給付まで確認が済むとは限りません。
受け取る権利が誰にあるかと、保険会社へ代表で請求する人は、分けて確認します。
保険証券と約款、入院歴を照合してから、必要書類と税務の扱いを整理してください。
- 死亡前の治療について未請求の給付金がないか保険会社へ確認する
- 請求代表者の口座へ入っても全額がその人固有の財産とは限らない
- 生前の非課税扱いと死亡時の未収請求権の相続税は別に判断する
死亡前の入院給付金は死亡後も請求できることがある

最後の入院以外に未請求がないか調べる
入院日数や手術の内容が、契約で定めた支払事由に該当するかを確認します。
死亡したことだけを理由に、以前の治療に基づく請求権がすべてなくなるわけではありません。
最後の入院だけでなく、過去の手術や通院で未請求のものが残る場合もあります。診療明細や領収書、以前の給付明細を比べ、請求済みと未請求を分けます。
死亡保険金とは別に申し出る
死亡の連絡をするときは、「死亡前の入院や手術で、まだ請求していない給付金も確認したい」と伝えます。
契約番号と治療期間が分かれば、対象の保障や必要資料を照会しやすくなります。
契約先が分からない場合は、親の財産や保険を調べる手がかりから、証券、保険料の引落し、郵便物を確認してください。
入院給付金を受け取る人は保険の約款で確認する

本人受取なら未収請求権の相続を確認する
親自身が入院給付金の受取人だったなら、死亡時に残った未収の請求権について相続の確認が必要です。
死亡保険金の指定受取人が、入院給付金も同じ権利で受け取るとは限りません。
保険会社が相続人の代表者から請求を受け付ける場合も、代表者が全額を自分だけの財産として取得できるという意味かどうかは、別に確認します。
約款で死亡後の受取人等を定めている場合
朝日生命の案内は、本人受取の入院給付金等について、契約に定めがあれば死亡給付金受取人、定めがなければ相続人へ支払うとしています。
日本生命にも法定相続人のうち所定の代表者による請求の案内があります。
この違いを省いて、どの会社でも必ず相続人全員の共有になる、又は死亡保険金受取人だけのものになる、と断定できません。
実際の約款の受取人条項と、死亡後の請求条項を見比べます。
診療資料と契約情報をそろえ請求期限を確かめる

診断書を先に取る前に必要な様式を聞く
給付の種類によっては診断書が必要ですが、別の資料で受け付ける場合もあります。
有料の診断書を先に取り寄せる前に、保険会社へ指定書式と代替資料の可否を尋ねてください。
| 確認する資料 | 目的 |
|---|---|
| 保険証券と約款 | 保障内容と受取人の確認 |
| 治療の領収書や明細 | 入院日 手術内容 請求済みの範囲 |
| 死亡と相続関係の資料 | 申出人と請求権限の確認 |
| 支払明細 | 給付対象と金額 税務上の検討 |
請求権の時効は死亡日から一律で起算しない
保険給付の請求権には、行使できる時から原則3年という時効の規定があります。
いつでも死亡日から3年となるわけではないので、古い治療がある場合は日付を伝えて早く照会します。
期限を過ぎたと思っても、事情によって支払いを検討する取扱いがあるため、自分だけで捨ててしまわず保険会社へ問い合わせてください。
問合せをしたことだけで時効への対応が済むとは考えないようにします。
相続税と相続放棄を給付金の性質に応じて確認する

死亡保険金の500万円枠を当然適用しない
親本人を受取人とする未収入院給付金は、死亡後に支払われても、本来の相続財産として扱われることがあります。
生前に本人が受け取れば所得税が非課税になることと、死亡時に残る権利の相続税は別です。
その場合、死亡保険金の500万円掛ける法定相続人の非課税枠を、同じように適用することはできません。
給付明細と約款を税理士へ示し、死亡保険金と区分します。
放棄を考えるときは受領や使用前に確認する
相続財産となる給付金の受領や使用は、相続放棄の判断にも関わります。
故人の負債が分からない場合は、死亡保険金と同じ扱いで受け取ってよいと決めないでください。
相続放棄の期限を確認し、契約上の帰属と受領の影響を弁護士等へ相談します。まず保険会社へ、給付名、受取人、請求代表者をそれぞれ確認することが第一歩です。
よくある質問

親が死亡した後でも入院給付金を請求できますか
生前の治療が契約の支払対象なら請求できる場合があります。死亡保険金と別に未請求の給付を照会します。
死亡保険金の受取人が入院給付金も受け取りますか
同じとは限りません。受取人と死亡後の請求に関する約款を確認し、代表請求と権利の帰属を区別します。
死亡後の入院給付金にも500万円の非課税枠がありますか
本人の未収請求権として相続財産となる場合、死亡保険金の非課税枠は使えません。給付金の性質を個別に確認します。