個人事業を相続して青色申告するには 申請書と開始帳簿の準備

税額の計算を確かめる資料と計算機

父の青色申告の承認は、事業と一緒にそのまま子へ移るわけではありません。承継する子自身の承認状況と申請期限を確かめ、申請書と実際の記帳の準備を並行して進めます。

父が青色申告をしており、11月に亡くなって、未承認の子が事業を引き継ぐ例で説明します。申請欄の情報をそろえ、父の締切帳簿から子の開始帳簿へ何を引き継ぐかを確認しましょう。

この記事でわかること
  • 父の青色承認と子本人の申請を区別できる
  • 申請欄と事業開始の資料を対応させられる
  • 承継資産の開始残高と控除要件を準備できる
目次

父の承認と自分の承認状況を分けて確認する

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

まず、父が青色申告の承認を受けていたかと、子が既に承認を受けているかを別々に調べます。前年の決算書だけでなく、申請や承認、取消し等の記録も確認してください。

ここでは、父が11月10日に亡くなり、未承認の子が父の青色事業を承継するという前提にします。この場合、青色申告の承認申請の期限は原則として翌年2月15日です。休日等に当たる場合の扱いも確認します。

父が白色だった場合や、子自身が既に青色の承認を受けている場合は、この前提をそのまま当てはめません。自分の事業内容と承継状況を税務署等へ示し、必要な手続きを確かめます。

父の準確定申告、子の承認申請、子の確定申告は別の手続きです。父の申告を税理士へ頼んだときも、子の申請まで依頼に含まれるかを確認しておきましょう。

申請書の事業と開始日と記帳方法をそろえる

取引記録を保管するファイルと資料

申請書は子自身の納税地や事業の情報で作成します。父の控えが見つかっても、氏名だけを差し替えて提出するものではありません。

国税庁の現行の申請書と記載要領を使い、事業所、所得の種類、開始した年月日、簿記方式、備付帳簿名等を、実際に行う内容と合わせます。

申請の確認項目用意する資料・確認先
子の納税地と事業所住所、店舗や事務所の所在地
事業の種類と開始年月日承継の経緯、実際の営業開始の記録
相続による承継の情報父の氏名、死亡日、父の承認状況
簿記方式と備付帳簿会計ソフトの設定、仕訳帳・総勘定元帳等
提出先と提出方法子の納税地を所轄する税務署、e-Tax又は書面

申請期限と帳簿の準備期限を別に管理する

申請期限が翌年でも、帳簿を始めるのをその日まで待つわけではありません。承継後の売上、仕入れ、現金や預金の動きを、事業開始から記録する必要があります。

相続開始日と実際の開始事情が異なる場合など、記載に迷う欄は事実を示して確認します。承継の経緯を整えるために、実際と異なる開始日を作らないようにします。

父の締切帳簿から承継した資産と債務を抜き出す

合意の内容を確認する契約書類

父の帳簿を死亡時点で確認し、子が取得した事業資産や債務を抜き出します。事業を続ける人と財産を取得する人が同じとは限らないため、相続関係の資料との照合が必要です。

項目父の資料で確認子の開始時に確認
売掛金請求別の未回収額と売上計上取得した債権と回収の消込み
商品・材料数量と棚卸しの記録引き継ぐ在庫と開始残高
設備固定資産台帳と償却の履歴取得範囲と税務上の償却計算
現預金・借入れ口座別残高と契約使用権限、債務承継と金融機関の手続き

父の口座残高を、そのまま子の事業用預金として使えるとは限りません。遺産分割や銀行手続きが残っている資金と、子が使う営業資金を分けて記録します。

設備の税務上の取得価額や償却は、相続税の評価額へ一律に置き換えるものではありません。父の取得価額・償却履歴を残し、子の償却明細へどう反映するかを税理士等へ確認してください。

承継した売掛金の回収も、子の新しい売上へ重ねないようにします。父の締切残高と子の開始残高を対応させることで、後日の入金を追いやすくなります。

控除の要件と初年度の提出まで確認する

支払内容を確かめる領収書と計算道具

申請を出せば自動的に65万円控除になるわけではありません。55万円控除は、正規の簿記による記帳等、貸借対照表等の添付、期限内申告といった条件を確認します。

65万円控除には、55万円の要件に加え、e-Taxによる期限内の申告又は一定の優良な電子帳簿の保存等の条件があります。これらに当たらない青色申告者の10万円控除や、所得金額等による限度も別に確認します。

初年度は、月次の締め、現金と預金の照合、証憑の保管、決算書の作成、提出方法まで担当を決めます。電子帳簿の条件は、会計ソフトを使っているだけで満たしたと判断しないでください。

承認申請の控えに、開始残高表と不足資料一覧を添えて保管しましょう。事業開始の記録と申請の内容がつながっていれば、父の申告担当と子の申告担当が異なる場合にも引き継ぎやすくなります。

関連する資料の準備は、相続の相談はどこにする 悩み別の専門家と無料相談も参考にしてください。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

父が青色申告なら子は申請不要ですか

父の承認が自動的に子へ移るわけではありません。子自身の承認状況を調べ、承継条件に応じた申請を確認します。

11月に父の青色事業を承継した場合の申請期限はいつですか

父が青色承認済みで子が未承認という前提では、原則として翌年2月15日です。休日等の扱いと自分の事実関係を確認してください。

青色申告の申請をすれば65万円控除を使えますか

申請だけでは決まりません。記帳、決算書、期限内申告に加え、e-Tax又は所定の電子帳簿の条件等を確認します。

相続対策について問い合わせる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次