特例承継計画の書き方と提出期限 必要書類と確認後の手続きを解説

法人版事業承継税制の特例を使うには、特例承継計画を都道府県へ提出し、確認を受ける手続きが必要です。2026年10月17日時点の提出期限は2027年9月30日で、株式を贈与又は相続で引き継ぐ適用期限とは異なります。
計画には、誰が会社を継ぐかだけでなく、承継までと承継後5年間の経営見通しを記載します。提出先の最新様式を使い、認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けながら作成します。
- 計画提出は2027年9月30日で株式承継の期限2027年12月31日とは異なる
- 様式21では会社と先代や後継者の情報と5年間の計画を具体化する
- 計画確認だけで納税猶予は始まらず認定と申告や継続手続きが必要である
特例承継計画の提出期限と株式承継の期限は異なる

古い資料の2026年3月末をそのまま使わない
現行の法人版特例措置では、特例承継計画の提出期間は2027年9月30日までです。2026年3月31日と記載された古いパンフレットを見つけた場合は、現在の都道府県案内と国税庁資料で確認します。
一方、特例の対象となる贈与又は相続等の期限は2027年12月31日です。計画を出した日だけで財産の取得期限を満たしたことにはなりません。
計画確認と税制適用の認定は別の段階
特例承継計画は、法人版特例を受けるための準備手続きです。提出して確認を得た会社が、必ず税制を適用できると保証されるわけではありません。
会社と先代経営者、後継者、取得株式の要件を満たし、都道府県の認定と税務申告等へ進む必要があります。期限を管理するときは、計画、承継、認定申請、申告を分けて記載します。
提出前に先代経営者と後継者や会社の条件を調べる

登記と株主名簿で先代と後継者の関係を確かめる
会社の履歴事項全部証明書、定款、株主名簿、役員の就任履歴、直近の決算書などを用意します。代表者の肩書だけでなく、誰が何株を持ち、贈与や相続で何株を移すのかが必要です。
親族以外の後継者や複数の後継者を予定する場合も、現行制度の条件に当てはめます。親子だから使える、非上場だから必ず対象といった判定にはしません。
対象外会社や後継者の要件を作成前に確認する
会社の規模、上場の有無、資産保有・運用の状況等から対象を確認します。医療法人など、円滑化法の認定対象とならない法人もあります。
後継者の代表就任や役員の履歴には制度・取得原因による条件があります。改正で緩和された要件もあるため、以前の記入例の年数をそのまま写さないでください。
計画の作成・提出時点で、承継後に求められる代表権等の要件をすべて満たしている必要はありません。先代がまだ代表者である準備段階でも、実際の取得時に必要な条件を満たす予定として計画を作れます。計画提出のためだけに先に退任する、といった順番にはしません。
様式21は承継までの計画と承継後5年の計画を記す

会社と承継者の基本情報を実際の資料に合わせる
様式21の会社名、所在地、代表者、事業内容などを登記や現況と合わせます。先代経営者と後継者の欄には、実際の株式保有や就任の予定を踏まえた情報を記載します。
贈与で進める予定なのか、相続時の承継へ備えるのかを整理してから、承継時期を決めます。計画確認を急ぐあまり、実行できない代表交代日を入れないようにしてください。
承継前と承継後5年の計画は会社固有の課題から書く
「売上を増やす」「人材を育成する」だけでは、実際の引継ぎ作業が見えません。販売先の引継ぎ、後継者への権限移譲、設備更新、主要人材の配置等、会社が実行する事項へ具体化します。
| 記載する期間 | 計画へ落とす事項の例 |
|---|---|
| 株式承継まで | 後継者の担当業務と取引先への引継ぎ |
| 承継後1年目 | 代表交代と資金繰りや組織の運用 |
| 承継後2年目以後 | 設備更新や事業改善と人材育成 |
| 5年後の見通し | 事業継続と経営課題への対応 |
この表は書き方の考え方であり、そのまま貼るための認定用文案ではありません。会社の実情と矛盾しない計画を作り、認定支援機関へ内容を説明します。
認定支援機関の助言を受けて都道府県へ提出する

助言を受ける機関と作成担当を早めに決める
計画には、認定経営革新等支援機関による指導及び助言が必要です。金融機関、商工会議所、税理士等でも、制度上の認定を受けているか、該当業務を取り扱うかを確認します。
資料を渡しただけで助言欄が完成するとは限りません。経営者と後継者が計画を説明する時間、修正、添付書類の取得日数も予定へ入れてください。
提出先ごとの添付資料と提出方法を確認する
会社所在地の都道府県へ申請します。申請部数、登記事項証明書、返信用封筒等の要否や、郵送・電子申請の取扱いは提出先の案内を優先します。
たとえば東京都は、履歴事項全部証明書や返信用レターパックについて、電子申請の場合の扱いを区別しています。他県へ同じ書類一式をそのまま送るのではなく、最新の提出一覧と照合してください。
計画確認後も認定申請と税務申告や変更手続きがある

確認書と申請した計画を税務申告まで保管する
確認を受けた後も、実際に株式を取得した際の認定申請と贈与税又は相続税申告が残ります。取得原因ごとに申請期限が異なるため、計画確認日だけを見て安心しないでください。
相続税の基本の申告期限と計算は相続が発生したときの税務手続きで確認できます。会社株式以外の個人財産も併せて申告するため、法人の資料と家族の財産資料を並行して集めます。
後継者や事業計画が変わったら変更手続きを確認する
確認後に後継者や計画を変える場合には、変更確認申請等の手続きを検討します。新規提出の期限後でも変更できる場合がありますが、元の確認を得ていない人が、変更を使って期限後に新規申請できるという意味ではありません。
承継後は年次報告や継続届出も続きます。最初に会社の重要日程表へ、計画期限、財産取得期限、担当する認定支援機関を記載し、経営者と後継者で共有してください。
生前の準備段階では、親との相続の話し合いも参考に、後継者へ渡す株式と他の家族へ残す財産の予定を共有します。
よくある質問

特例承継計画を出すと納税猶予は確定しますか
確定しません。計画確認のほか、財産取得時の要件、都道府県の認定、期限内申告や担保提供等を満たす必要があります。
提出期限は2026年3月31日ではないのですか
2026年10月17日時点の現行案内では2027年9月30日です。株式承継の適用期限2027年12月31日とは異なります。
確認後に後継者を変えられますか
変更手続きを検討できます。再度の指導助言や変更確認の要否と、新しい後継者の条件を都道府県へ確認します。