相続した自社株は会社に買い取ってもらえるか 売渡請求と売却の税金

相続した自社株は会社に買い取ってもらえるか 売渡請求と売却の税金

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相続した非上場の自社株を会社へ買い取ってもらうことは、会社との合意や法定手続きにより可能な場合があります。ただし、相続人になっただけで会社へ買取りを強制できるわけではありません。

まず確認するのは、自分から売却を申し入れる場面か、会社から法的な売渡請求を受けた場面かです。手続きの期限と価格の決め方が異なるため、通知書や定款を読んでから交渉へ進みます。

この記事でわかること
  • 相続人が売りたいという希望と会社に買う義務があることは別である
  • 会社法の売渡請求には定款と決議や価格決定の期限がある
  • 売却代金全体と手取りを分けみなし配当の特例を確認する
目次

相続した株式を会社へ売れるかは会社側の判断と財源による

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任意の買取りには会社との合意と自己株式取得の手続きが必要

会社が自社株を買うことを自己株式の取得といいます。相続人と会社が価格等に合意しただけで、会社法の決議や財源規制を省略できるわけではありません。

会社に現金があっても、自己株式を取得できる分配可能額などの規制があるため、手元資金だけで可否を決めません。会社側の顧問税理士や弁護士に、実行可能な金額と手続きを確認します。

譲渡制限株式の相続と第三者への譲渡を区別する

譲渡制限株式でも、相続による取得そのものと、相続後に第三者へ売る行為では扱いが異なります。第三者へ譲渡するなら承認請求等の手続きを確認します。

譲渡を承認しない場合の会社又は指定買取人による買取りには別の手続きがあります。「売りたいと言えば必ず会社が買う」という一般的な権利と混同せず、定款と会社法上の経路を調べます。

会社からの売渡請求は定款と期限のある別制度

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会社が相続人へ売渡しを求めるには定款の根拠を確認する

会社法174条以下の売渡請求は、相続等により譲渡制限株式を取得した人に対し、会社から株式を売り渡すよう求める制度です。定款の定めと、対象者等を定める株主総会の特別決議等が必要です。

この決議では、対象となる相続人の議決権行使に制限があります。経営者の株式を相続する場面では、少数株主による支配の問題にもつながるため、形式だけの手続きと考えないでください。

1年の請求期限と20日の価格決定の期限は別

会社による売渡請求は、会社が相続等による取得を知った日から1年を経過するとできません。また、価格の協議が整わない場合の裁判所への価格決定申立てには、請求の日から20日という短い期間があります。

通知が来たら、受領日と請求日が分かる資料を保管し、署名する前に弁護士へ確認します。期間を過ぎた場合の効果もあるので、税務評価を依頼してから法律相談を考えるという順番で待たないことが必要です。

価格協議が整わず、20日以内に裁判所への申立てもなかった場合は、会社法177条5項により売渡請求は効力を失います。「会社が一方的に決めた純資産額で自動的に売買が成立する」といった説明と混同しないでください。

売却価格とみなし配当の特例から手取りを確認する

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相続税評価と売買価格は目的が異なる

非上場株式の相続税評価は、相続税を計算するための評価です。会社へ売る価格や、会社法の手続きで決める価格と、必ず一致するわけではありません。

会社の財産、利益、配当、将来性、持株割合や支配力など、評価の目的に応じた要素を確認します。会社側の提示額が税務評価額と同じという理由だけで妥当と判断しないでください。

売却額のほかに税金と受領時期を比べる

1000万円で売れることと、その1000万円がそのまま手元に残ることは違います。取得費、譲渡に伴う費用、配当扱いになる部分、税の特例を確認して手取りを求めます。

相続税の納付に使う予定なら、売買契約だけでなく代金支払日も重要です。家族全体の税負担の入口は相続税の計算の流れで確認し、売却の税額とは別に予定表へ記載します。

通常は対価の一部がみなし配当になる場合がある

個人が非上場株式を発行会社へ売ると、対価のうち対応する資本金等の額を超える部分が配当所得とみなされる場合があります。第三者への通常の株式譲渡と同じ税率だけで手取りを見積もらないでください。

相続した株式については、一定の要件でみなし配当課税をせず、対価全体を株式譲渡の収入金額とする特例があります。

納付すべき相続税と売却期限や届出を確認する

この特例は、相続等により取得した人に納付すべき相続税額があり、その課税対象となった非上場株式を所定の期間内に発行会社へ譲渡することなどが条件です。

期間は相続開始日の翌日から、その相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。単純に死亡日から3年と短く覚えず、譲渡前に会社を通じて提出する届出等も国税庁の案内で確認します。

取得費への相続税加算など別の特例との関係も確認します。相続税がゼロの人や、課税対象になっていない株式でも一律に使える制度ではありません。

買取り前に集める資料と専門家への確認事項

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交渉を始める前に株主であることと株数を確かめる

株主名簿、定款、株券の有無、遺言や遺産分割協議書、直近の決算書、相続税申告と株価評価の資料をそろえます。遺産分割前で株式が共同相続されている場合は、権利行使や処分の権限も法律面から確認します。

会社から通知を受けた場合は、その通知と封筒を最優先で加えます。期限が動いているかどうかを、手元の資料から判断するためです。

会社の提案と自分が希望する条件を分けて記録する

価格、支払日、一括か分割か、税の特例の届出を誰が担当するかを整理します。会社が買わない場合には、ほかの株主や第三者への譲渡等も候補になりますが、それぞれ承認や手続きが必要です。

最初にすることは、任意の買取交渉なのか法定の売渡請求なのかを確認することです。親の財産が十分に分からない段階なら財産の調査資料を使い、株式の所在と会社の連絡先から整理してください。

よくある質問

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相続した株式を会社に必ず買ってもらえますか

必ずではありません。任意の買取りには会社との合意と自己株式取得の手続きや財源規制の確認が必要です。

会社の売渡請求を受けたら価格に従うしかありませんか

価格は協議し、所定期間内に裁判所へ価格決定を申し立てる方法があります。請求の日から20日の期限があるため早急に確認します。

相続税評価額がそのまま買取価格になりますか

必ずしもなりません。相続税評価と売買価格は目的が異なり、価格の根拠と税引き後の手取りを別に確認します。

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