教育資金贈与は2026年3月で終了 既存口座の扱いと今後の学費支援

教育資金贈与は2026年3月で終了 既存口座の扱いと今後の学費支援のイメージ

教育資金の一括贈与の非課税制度は、2026年3月31日で新規適用が終了しました。これから専用口座を開いたり、既存口座へ追加で資金を入れたりして、1500万円の非課税枠を使うことはできません。

一方、期限までに特例の適用を受けた資金は、引き続き教育費に使えます。祖父母が必要な学費をその都度負担する非課税の扱いも残っているため、制度が終わったことと、孫への援助に税金がかかることは分けて考えてください。

既存口座がある家族は契約書と残高から、これから支援する家族は学費の請求と支払時期から確認を始めます。同じ教育資金でも、出発点によって必要な手続きが違います。

この記事でわかること
  • 2026年4月以後の新規利用と追加拠出は終了しても既存資金の利用は続けられる
  • 既存口座の残額は契約終了時や贈与者の死亡時に税金を確認する必要がある
  • これからの学費支援は都度払いと現金の贈与を分けて方法を選べる
目次

教育資金一括贈与の新規適用と追加拠出は2026年3月で終了した

教育資金一括贈与の新規適用と追加拠出は2026年3月で終了したに関する資料のイメージ

終了したのは、父母や祖父母などから将来の教育費をまとめて受け取り、金融機関の管理のもとで一定額を非課税にする特例です。通常の教育費の負担とは、もともと別の仕組みでした。

2026年4月以後に1500万円枠は新しく使えない

この特例は、原則として契約時に30歳未満の子や孫が対象で、非課税限度額は1500万円でした。学校等以外への支払いには、その1500万円の内側に500万円の限度もありました。

しかし、適用期限は延長されず終了しています。以前の解説に対象年齢や非課税限度額が書かれていても、今から利用できる制度として読まないようにしてください。

たとえば祖母が2026年10月に孫へ大学進学用として500万円をまとめて渡す場合、この一括贈与特例は使えません。教育資金という名前で普通預金に入れても、特例の専用口座と同じ扱いにはなりません。

既存口座の管理と学費支援そのものは続けられる

2026年3月31日までに特例の適用を受けた金銭等には、その後も制度が適用されます。新規利用の終了日を、すべての口座の解約日と考える必要はありません。

制度終了後に分けて確認すること
家族の状況現在の扱い確認する資料
これから特例を使いたい新規適用はできない学費の請求書と支払予定
既存口座に追加したい追加拠出による特例適用はできない既存契約と追加予定額
期限内に適用した資金が残る契約に従って利用を続ける残高と領収書の提出記録

既存の教育資金口座は領収書を提出して利用を続ける

既存の教育資金口座は領収書を提出して利用を続けるに関する資料のイメージ

既存口座のお金は、通常の預金と同じように使途を問わず引き出せるものではありません。金融機関に教育費の支払いを確認してもらい、契約に沿って払戻しを受けます。

対象になる教育費と払出しの手順を確認する

授業料や入学金など、学校等へ支払う費用と、塾や習い事など学校等以外へ支払う費用を分けます。年齢や支払先によって対象範囲が変わることもあるため、請求書の費目を確認してください。

払戻しには、いったん家族が支払い、領収書を出す方法や、請求書等を使う方法があります。取り扱う方法は金融機関によって異なります。新学期の支払いを立て替える前に、口座管理店へ確認しておくと手戻りを減らせます。

孫名義の口座であっても、祖父母が自分の都合で資金を取り戻せるわけではありません。すでに贈与された財産の扱いと、口座の払出し条件は契約で確認します。

銀行ごとの書類提出期限と残高を把握する

領収書の提出期限は、支払いの都度提出する方式か、1年分をまとめる方式かなどで違います。銀行のアプリで出したつもりでも、差戻しのままなら教育費としての記録が済んでいない可能性があります。

残高を見る際には、口座のお金だけでなく、支払済みで未提出の領収書も確認します。教育費として使った事実を金融機関が記録した額と、家族の認識が一致しているかが大切です。

支払日、支払先、費目、金額、提出日、受付結果を一つの一覧に残してください。卒業後や契約終了時にも、対象外の支出と提出漏れを区別できます。

口座の終了時や祖父母が亡くなったときは残額の税金を確認する

口座の終了時や祖父母が亡くなったときは残額の税金を確認するに関する資料のイメージ

残った資金の税金は、口座へ入れた時点だけで決まるわけではありません。契約が終わる時と、贈与した祖父母が亡くなる時を別の出来事として確認します。

30歳到達や在学の届出によって契約終了時期が変わる

30歳に達したときは、原則として契約終了の対象になります。ただし、学校等に在学している場合や一定の教育訓練を受けている場合に、必要な届出をして継続できることがあります。

30歳到達時の継続届は、30歳に達した月の翌月末日までに、在籍証明書等を添えて金融機関へ提出します。その翌年以後は、各年の12月31日までに、その年中に在学等の日があったことを届け出ます。

期限までの届出がなければ契約終了の対象になります。40歳到達など別の終了事由もあるため、30歳で一度証明すればずっと続く、と考えないようにします。提出書類と銀行の受付方法を早めに確認してください。

契約終了時に残額がある場合は、贈与税の対象になり得ます。孫本人の死亡による終了は扱いが違い、既に相続税の対象になった管理残額も調整するので、銀行残高だけへ税率を掛ける計算はしません。

2023年4月1日以後に取得した資金に対応する残額は、暦年課税で計算する場合、祖父母から18歳以上の孫への贈与でも一般税率となる点に注意が必要です。他の贈与との合計や選択していた課税方式も確認します。

祖父母の死亡時は拠出時期と孫の状況が判定に関わる

契約期間中に祖父母が亡くなったら、金融機関へ連絡します。教育費として記録された支出を除いた一定の管理残額が、相続や遺贈で受け取ったものとみなされる場合があるためです。

贈与した人の死亡時に確認する拠出時期
資金を取得した時期管理残額の主な確認点
2019年3月31日以前この時期の取得分は死亡時の管理残額への算入対象外
2019年4月1日から2021年3月31日死亡前3年以内の取得分か確認する
2021年4月1日から2023年3月31日死亡前3年以内という制限がなくなる
2023年4月1日から2026年3月31日孫の状況に加え贈与者の課税価格合計5億円超の判定も確認する

この表だけで税額は確定しません。死亡日に孫が23歳未満、学校等に在学中、一定の教育訓練を受講中といった場合は、管理残額を課税しない扱いがあります。ただし2023年4月以後の取得分では、贈与者の相続税の課税価格合計が5億円を超える場合に、その例外が使えないことがあります。

また、2021年4月以後の取得分に対応する管理残額が相続税の対象となる場合は、相続税額の2割加算も確認します。2019年から2021年3月までの取得分と、同じ扱いにまとめないでください。

祖父と祖母の両方から拠出している場合は、贈与者ごとに計算します。誰がいつ資金を入れたか、金融機関の管理記録を税理士へ渡すと、死亡した人の財産一覧に含める額を確認できます。

これからの学費は必要な時期に必要な額を支払う

これからの学費は必要な時期に必要な額を支払うに関する資料のイメージ

新規口座を使えなくても、必要な教育費を祖父母が負担する方法は残っています。扶養義務者から、通常必要と認められる教育費を、必要な都度受け取って直接使う場合は、贈与税の非課税の対象です。

扶養義務者が通常必要な教育費を負担する非課税は残っている

たとえば、孫の授業料の請求に合わせて、祖父が学校へ振り込む方法です。学費の通知、振込記録、領収書がそろうと、何のために支払ったかを後から説明できます。

この非課税は、年間110万円の基礎控除とは別です。通常必要な学費として150万円を都度負担するケースが、110万円を超えたという理由だけで課税になるわけではありません。

数年分を先に渡して預金する方法とは区別する

将来の授業料として数年分を一括で渡し、孫の預金に残す方法は、都度払いの非課税とは違います。教育費の名目でも、貯蓄や投資に回した部分は課税の検討が必要です。

支援額を決める際は、学校の請求時期に合わせて予定を組むと整理しやすくなります。支払方法と記録の残し方は、孫の学費に贈与税がかからない支払い方で具体的に確認できます。

教育費を超える現金の贈与は別の税制と老後資金を比較する

教育費を超える現金の贈与は別の税制と老後資金を比較するに関する資料のイメージ

学費の支払いではなく、孫が将来自由に使う財産も残したいなら、通常の現金贈与として考えます。その際は贈与時の税金と、祖父母の相続時の扱いの両方を見ます。

暦年課税の110万円は受け取る人ごとの年間合計

暦年課税では、孫が1年間に受け取った贈与財産の合計から110万円を差し引きます。祖父から110万円、祖母から110万円を受け取れば、孫の合計は220万円です。贈与する人ごとに110万円の枠が増えるものではありません。

相続等で財産を受け取る人の暦年贈与には、相続税へ加算する期間もあります。2026年末までの相続は前3年、2027年から2030年は2024年1月1日以後、2031年以後は前7年という移行です。孫が相続や保険金などを受け取るかで扱いも変わります。

相続時精算課税は元に戻せない選択である

相続時精算課税には、2024年以後の年110万円の基礎控除と、累計2500万円の特別控除があります。年齢や親族関係などの要件と、選択届出が必要です。

2500万円を渡せば相続税もかからない、という制度ではありません。年110万円の基礎控除を超えた一定の贈与財産を、将来の相続税の計算に含めます。同じ贈与者について暦年課税へ戻れないため、今回の援助だけで決めないことが大切です。

学費の予定と祖父母の生活資金を同じ表で確認する

孫へ残す資金を増やしても、祖父母自身の医療費や介護費が不足すれば、家族の支援計画は続きません。生活費、住まいの修繕、施設入居などの支出を見込み、無理なく渡せる範囲を考えます。

贈与と相続で税を払った後に残る額を比べたい場合は、生前贈与と相続の比較も参考にしてください。学費を負担することと、自由に使える財産を移すことを分けると、家族に合う方法を選びやすくなります。

支援方法を決める前に契約書と学費の予定を整理する

支援方法を決める前に契約書と学費の予定を整理するに関する資料のイメージ

既存口座がある家族が確認する書類

教育資金管理契約書、贈与者ごとの拠出履歴、口座残高、領収書の受付記録をそろえます。孫の年齢と在学状況、契約終了予定も記入してください。

祖父母が亡くなっている場合は、金融機関への届出と管理残額の通知を確認します。支払済みなのに未提出の領収書がある、誰の拠出分か分からない、といった事項は空欄ではなく未確認として残します。

これから支援する家族が決める支払者と記録

学校の請求に合わせた都度払いなら、誰がどの学費を負担するかを決め、請求書と振込記録を一緒に保管します。現金を贈与するなら、学費支払い用のお金とは分けて、合意と送金の記録を残します。

最初に家族で確認するのは、非課税枠をいくら使えるかより、いつ、誰に、何の費用が必要になるかです。既存口座の残高と支出予定が分かれば、金融機関や税理士へ具体的な相談ができます。

教育資金贈与の終了でよくある質問

教育資金贈与の終了でよくある質問に関する資料のイメージ

2026年4月以後も1500万円を非課税で一括贈与できますか

教育資金の一括贈与特例は新規利用できません。通常の現金贈与の課税や、必要な学費を都度負担する非課税の条件を別に確認します。

制度終了で既存の教育資金口座もすぐ解約しますか

新規適用の終了だけを理由にすぐ解約する必要はありません。既存資金は契約に従って利用し、年齢や残高などの契約終了事由を確認します。

孫の学費が年間110万円を超えると贈与税がかかりますか

通常必要な教育費を扶養義務者が必要な都度負担する場合は、110万円を超えても非課税の対象です。将来分を預金として渡す場合は扱いが違います。

相続対策について問い合わせる
目次