贈与税の税務調査で確認されること 契約と送金の記録を準備する

贈与税の税務調査では、送金の有無だけでなく、誰が財産を渡し、誰が受け取り、実際に管理・使用していたかを確認します。契約書と通帳だけを別々に出すより、贈与の流れを時系列で説明できる資料を準備します。
税務署から連絡が来たら、まず調査なのか、申告の見直しを求める行政指導なのかを確かめます。過去の書類を書き換えず、当時の事実と、まだ分からない部分を分けて対応することが大切です。
- 調査の連絡で確認する対象年・税目・資料
- 贈与の合意、原資、非課税の理由を説明する準備
- 調査結果と修正申告・追加負担を確かめる順序
調査の連絡では対象年と税目と日程を記録する

連絡した職員の所属・氏名、対象の税目と年分、調査の日時・場所、求められた資料をメモします。電話の相手に疑問があれば、国税庁が公表する税務署の連絡先へ確認してください。
税務調査と行政指導の連絡を分ける
国税庁は、調査と行政指導のどちらかを、具体的な手続きに入る前に明示する運用を示しています。「お尋ね」という文書名だけで、税務調査が決まったとも、回答を放置してよいとも考えず、確認の目的と回答期限を聞きます。
実地調査は原則として事前通知がありますが、一定の場合には通知をせず行われることもあります。すでに税理士へ依頼しているなら、届いた文書と電話のメモを早く共有し、立会いや日程の調整を相談します。
贈与の合意と金額と非課税理由を資料につなぐ

税務署が確かめる事実を、資料へ結び付けます。贈与契約書があっても、渡した人がその後も自分のために口座を使っていたなど、実際の管理と食い違う場合は説明が必要です。
通帳だけでなく財産の出所をたどる
| 確認する事実 | 準備する資料の例 | 説明したい内容 |
|---|---|---|
| 誰のお金か | 給与・売却代金等の入金、出金元口座 | 送金前の所有者と原資 |
| いつ何を贈ったか | 当時の合意が分かる書面、振込履歴 | 対象財産、日付、受取人 |
| 受け取った後の管理 | 通帳、運用・使用の履歴 | 受贈者が管理・使用した事実 |
| 非課税や控除の根拠 | 支払明細、特例の申告書等 | 生活費等の目的と適用条件 |
生活費なら、受け取った金額と実際の支出を対応させます。住宅取得等の特例を使ったなら、対象年の制度と申告・居住等の条件を確認します。家族間の送金をすべて贈与、またはすべて生活費と一括りにしないことが出発点です。
分からないことは推測せず確認して答える

当時の記憶があいまいなら「確認してから回答する」と伝え、通帳等で照合します。分からない贈与日や金額を、その場の推測で埋めると、資料と説明の間に余計な矛盾が生じます。
資料の控えと提出記録を残す
提出・提示した資料の名称、対象期間、提出日、担当者、質問と回答を記録します。原本を預ける場合は、返還や預かりの手続きも確認してください。求められた範囲が分からないときは、どの事実を確認するためかを質問します。
後から日付をさかのぼって贈与契約書を作ったり、元のデータを消したりしないでください。申告漏れに気付いた場合も、書類を隠すのではなく、贈与の事実と税務署からの連絡段階を税理士へ示して対応を検討します。
調査結果と修正申告の説明を分けて受け取る

調査結果の説明では、どの贈与について、なぜ申告との差が生じ、追加税額はいくらかを確認します。贈与が成立せず名義預金とされる問題と、成立した贈与の申告漏れは、税目や確認時期が違います。
追加税額と加算税の扱いを確かめる
修正申告の勧奨に応じるかは納税者の判断ですが、納得できない点を残したまま署名せず、事実と根拠を確認します。修正申告そのものに不服申立てはできず、更正の請求の制度とは異なるため、手続きの効果も税理士に聞いてください。
延滞税や加算税は、申告・納付の状況や調査通知との前後などで扱いが変わります。「自主的に出せば必ず負担ゼロ」と決めず、税額、対象期間、理由の説明を分けて受け取ります。最初に取りかかるのは、連絡内容のメモと、該当年の申告控え・通帳をそろえることです。
関連する確認:相続税の税務調査はいつ来るか 調査の流れと確認される財産。
よくある質問

贈与契約書があれば調査で問題になりませんか
契約書だけで結論は決まりません。原資、受贈者の合意、送金後の管理や使用が一致しているかを確認します。
税務署のお尋ねと税務調査は同じですか
同じとは限りません。連絡が調査か行政指導か、確認の目的と対象年・資料を担当者へ確かめて対応します。
調査前に申告すれば加算税は必ずなくなりますか
必ずなくなるとはいえません。調査通知との前後や申告の状況等で変わるため、連絡の時系列と申告内容を税理士へ示して確認します。