固定資産税の現所有者申告 相続登記前の届出と記入の準備

取引記録を保管するファイルと資料

現所有者申告書は、土地や家屋の登記名義人が亡くなった後、その不動産を現に所有している人を固定資産税の担当へ知らせる書類です。提出しても、遺産分割や相続登記が済んだことにはなりません。

記入前に、対象の不動産、相続人、分割の状況を確認します。相続人代表者指定届と一枚になっている自治体もあるので、届いた様式を見ながら、提出範囲と期限を担当課へ確かめましょう。

この記事でわかること
  • 固定資産税の申告と不動産の登記は別の手続き
  • 未分割なら相続人を一人に決めつけず資料から記入する
  • 兼用様式・期限・登記済みの扱いを自治体ごとに確認する
目次

現所有者申告は登記前の固定資産税の届出

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

死亡した登記名義人と現に所有する人を区別する

固定資産税は原則として1月1日時点の所有者に課税されます。登記簿等の名義人がそれ以前に亡くなっている場合、現に所有する相続人等が納税義務者となります。登記が変わるまで故人が税を負担し続ける、という仕組みではありません。

地方税法384条の3は、自治体が条例に基づいて現所有者の住所・氏名等を申告させる制度を定めています。どのような期限・様式で申告するかは、不動産所在地の自治体の現行案内で確認します。

全国一律の期限と思わず条例の案内を確かめる

法律は、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過した日以後の日までに、条例で定める申告を求められる仕組みです。「全国どこでも法律上3か月以内」と読み替えないでください。具体的な日数と起算日を自治体へ確認することが必要です。

地域例として、浜松市は現所有者であることを知った日の翌日から3か月以内の提出を案内し、その期間内に相続登記をした場合は申告不要としています。この取扱いを他市の物件へそのまま当てはめず、それぞれの案内を使います。

相続関係と対象不動産を資料から書き出す

合意の内容を確認する契約書類

課税明細と戸籍を別々の目的で使う

確認する内容使う資料迷うときに聞くこと
対象の土地・家屋固定資産税の課税明細、登記事項証明書地番・家屋番号が対応しているか
現所有者の範囲故人から相続人につながる戸籍等相続人が調査中の場合の記入方法
取得が決まった内容遺言、遺産分割協議書等どの添付書類が必要か
申告者・代表者本人確認・番号関係の資料誰の署名・承諾が必要か

未分割の状態を、代表者一人の取得として書かない

分け方がまだ決まっていない場合は、代表者を決めたことだけで、その人が土地や建物を全て取得したように記載しないようにします。相続人の一覧と分割状況を伝え、自治体の様式のどこへ記載するかを聞いてください。

相続放棄した人がいる、相続人の一人も亡くなっている、遺言と家族の認識が違う場合は、その事情を隠さず伝えます。期限に間に合わせるために推測で全て埋めるのではなく、不明点と入手中の資料を担当課に説明します。

自治体の兼用様式と添付書類を確かめる

支払内容を確かめる領収書と計算道具

現所有者申告と代表者届を兼ねる様式がある

現所有者申告は、主に登記名義人死亡後の固定資産税の課税のための手続きです。一方、相続人代表者指定届は、故人に送られるはずだった税の書類の受取人を定めます。役割は異なりますが、那覇市のように一つの兼用書式で案内する自治体もあります。

届いた書類名に「兼」とあれば、この一枚で足りる範囲を確かめます。名称が二つあることだけを理由に、同じ情報を必ず二重提出する必要はありません。対象税目によって別の担当課への届出がある場合は、その分だけ確認します。

登記が済んだ場合と未登記家屋の扱いも確認する

相続登記を先に終えた場合、申告を要しない取扱いがあるかは自治体へ確認してください。また、登記されていない家屋は、登記済みの土地を名義変更しただけでは課税台帳に反映されないことがあります。未登記家屋の所有者変更に別の届出がないかも聞きます。

申告後も名義変更と納税の引継ぎを進める

相談に持参する書類と封筒

受付控えを残して翌年の通知と照合する

提出した様式、添付資料、受付日、連絡先を残し、翌年度の納税通知書が誰に届くかを確認します。故人の口座振替が止まる場合もあるため、通知の宛名だけでなく納付方法まで見ておくと、引継ぎの漏れを防げます。

その後に分割が決まったり相続登記を終えたりしたら、追加の連絡が必要かを担当課へ尋ねます。申告によって法務局の相続登記の義務が果たされるわけではないので、登記側の対応も並行して進めてください。

まず、届いた申告書と固定資産税の課税明細を並べ、物件の所在地ごとに担当自治体・提出期限・必要資料を一行ずつ書き出しましょう。

関連する手続きは、相続人申告登記とは 必要書類と申出方法や相続登記との違いでも確認できます。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

現所有者申告書を出せば相続登記も終わりますか

終わりません。固定資産税のための申告と、法務局で行う不動産の相続登記は別の手続きです。

代表者だけを現所有者として書いてよいですか

未分割なら代表者一人が全て取得したとは限りません。相続人と分割状況を資料で整理し、自治体の様式に沿って記入します。

相続人代表者指定届も別に二枚出しますか

兼用様式を使う自治体があります。一枚で対応する範囲や、別の税目の届出が要るかを提出先に確認してください。

相続対策について問い合わせる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次