未成年の相続放棄 親が代理できる場合と特別代理人の準備

家族関係を整理する戸籍と図の資料

未成年の子が相続放棄をするときは、通常、親権者などの法定代理人が手続きします。ただし、相続人である親が財産を受け取り子だけを放棄させる場合など、利益が対立する組合せでは、特別代理人の選任が必要です。

親子全員が放棄するのか、親は相続し子だけが放棄するのかで準備が変わります。親の希望だけで子の申述書を作る前に、誰が相続人で、誰が何を選ぶのかを一覧にしましょう。

この記事でわかること
  • 親子の誰が放棄するかで代理できる関係が変わる
  • 子の期限を法定代理人が知った時点から確認する
  • 特別代理人の選任と未成年用の申述をつなげて準備する
目次

親が代理できるかは誰が放棄するかで変わる

提出書類を照合するための紙資料と筆記具

親も子も放棄する場合と、子だけ放棄する場合

特別代理人は、親権者が利益の対立する子を代理できない行為について、家庭裁判所が選任する人です。財産を受ける親と、権利を失う子の判断を同じ親に任せないための仕組みで、相続放棄にも関わります。

放棄の組合せ代理関係の基本確認する点
親と未成年の子が全員同時に放棄する通常、親が子を代理できる全員の申述と親権関係を確認
親が先に放棄し、その後に子全員が放棄する通常、放棄した親が代理できる親の申述状況と子の組合せを確認
親は相続し、子だけ放棄する利益相反のため特別代理人の選任が必要子が失う財産と負債を全体で示す
同じ法定代理人の下の未成年の子の一部だけ放棄する子同士の利益相反にも注意が必要放棄する子ごとに代理関係を確認

未成年が複数いる場合は子同士の関係も見る

親が先に放棄しても、二人の子のうち一人だけを放棄させるなら、残る子の取り分に影響します。親と子の関係だけでなく、同じ親が代理する子同士の利害も確かめなければなりません。実際の組合せを家裁へ伝えて、選任の要否を確認します。

未成年者の期限は法定代理人の認識から確認する

手続きの期限を確認するカレンダーと資料

法定代理人が子の相続開始を知った経過を残す

民法917条は、未成年者の承認・放棄等の期間を、法定代理人がその未成年者のために相続が始まったことを知った時から起算すると定めています。子の年齢が18歳になるまで、いつでも放棄できるという意味ではありません。

死亡を知った日、相続人の組合せがわかった日、親の放棄に関する通知、債務の通知などを時系列にします。どの日が起算点になるかに争いがありそうなら、自己判断で後の日へずらさず専門家へ示してください。

代理人の選任中でも期間が自動的に延びるわけではない

特別代理人の候補探しや選任申立てには準備が必要です。その作業中だから3か月の期間を考えなくてよいとはせず、期限と、期間伸長の申立てが必要かを家裁や弁護士へ確認します。

特別代理人が必要なら選任と放棄をつなげて準備する

取引記録を保管するファイルと資料

子の財産全体を見て選任の資料を用意する

財産を受け継がないという選択は、借金だけを断ることではありません。預金や不動産などの権利も含めて失うため、故人の資産・負債、子の相続関係、親の選択を説明できるようにします。

特別代理人の選任は子の住所地の家裁、相続放棄の申述は故人の最後の住所地の家裁が関係します。家裁が同じとは限らないので、申立ての種類ごとに窓口を確認してください。

選任された行為の範囲を審判書で確認する

戸籍、親権関係、候補者の資料、資産・負債の一覧など、家裁が求めるものを準備します。遺産分割のために選ばれた代理人が、そのまま相続放棄も代理できると決めつけず、審判で認められた行為を確認します。候補者が単に親の希望を追認すればよいという制度でもありません。

未成年用の申述書を代理権の資料と合わせて提出する

合意の内容を確認する契約書類

未成年用の書式と代理権の資料を合わせる

子本人の欄と、法定代理人または特別代理人の欄を取り違えないよう、未成年用の申述書を使います。選任がある場合は審判書など、代理権を示す資料の要否を提出先に確認してください。子ごとの期限・提出日・追加書類を別々に記録します。

家裁は申述の判断のため、書面の照会や事情の確認をする場合があります。親や子のための代理人は、調査資料を保存し、受理後の通知や債権者への説明も追えるようにします。

受理されたからと、放棄した子の名で故人の財産を売ったり使ったりしてよいことにはなりません。まず親と子の全員について「相続する・放棄を検討中・申述済み」を一表にして、代理できる組合せを確認することから始めてください。

関連する手続きは、未成年者の相続と特別代理人 選任と分割の注意点でも確認できます。

よくある質問

疑問点を調べるための本とメモ

子が未成年なら必ず特別代理人が必要ですか

必ずではありません。親子全員が同時に放棄する場合などと、親は相続し子だけ放棄する場合では扱いが違うため、組合せを家裁へ示します。

子の一人だけを放棄させることも親が代理できますか

同じ親が代理する未成年の子の一部だけが放棄する場合、子同士の利益相反が問題になります。特別代理人の選任が必要かを事前に確認します。

特別代理人を探していれば3か月を過ぎても大丈夫ですか

自動的に期間が延びるわけではありません。子の相続開始を法定代理人が知った経過を整理し、期間伸長等の必要性を期限前に相談してください。

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