遺産分割調停を欠席しそうなとき 連絡と遠隔参加の確認手順

遺産分割調停の期日に行けないと分かったら、呼出状に書かれた担当書記官へ早めに連絡します。自分だけで延期や欠席の扱いを決めず、事情を伝えたうえで、期日変更や遠隔参加などを確認してください。
連絡したこと、書面を出したこと、親族に代わりを頼んだことは、いずれも正式な参加と同じとは限りません。裁判所へ伝える内容と、当日までに準備する資料を整理します。
- 担当書記官へ早めに伝える情報
- 遠隔参加と代理や書面提出の違い
- 欠席後の進行と次回までの確認
欠席が分かった時点で担当書記官へ連絡する

連絡先は、事件を扱う家庭裁判所の担当部係です。呼出状で事件番号、期日の日時、担当者を確認します。相手方へ欠席すると伝えただけでは、裁判所への連絡になりません。
| 連絡前に準備すること | 伝える内容 |
|---|---|
| 事件と本人 | 事件番号 氏名 申立人/相手方の立場 |
| 出席できない理由 | 病気 入院 移動困難等の具体的事情 |
| 可能な対応 | 別の日の候補 遠隔参加できる時間と環境 |
| 書面と連絡 | 必要な資料の有無 折返し先 提出方法 |
例えば通院と重なる場合は、単に「忙しい」ではなく、変更の可否や時間帯を説明します。資料の提出を求められたら、何をいつまでに出すかを確認してください。勤務等の事情も、連絡すれば必ず正当な欠席理由になるとは限りません。
期日変更を希望しても、許可や変更の案内を受けるまでは、元の期日が当然になくなるわけではありません。電話した日、担当者、返答、次に行うことを残し、不明なら正式な期日の扱いを再確認します。
当日に急病や交通障害が起きた場合も、連絡できる状態なら速やかに伝えます。無断で行かなかった後に説明するより、裁判所が連絡先と対応を把握できる状態にしておくことが大切です。
ウェブや電話で参加できる条件を裁判所へ確かめる

遠方に住む、体調や安全上の事情で来庁が難しいなどの場合は、ウェブ会議や電話会議を利用できるかを相談できます。利用するかどうかは、当事者の意見や具体的な事情を聴いた裁判所が判断します。
希望した人全員が、好きな場所から自分の電話をかけて参加できる制度ではありません。利用の申出書、本人確認、接続テスト、参加場所、当日の連絡方法などを、担当部係の案内へ合わせます。
| 確認する項目 | 当日までの準備 |
|---|---|
| 方法と許可 | ウェブ/電話等の利用可否と申出の手続 |
| 場所 | 非公開性を保ち落ち着いて話せる場所 |
| 機器と通信 | 対応機器 音声 映像 接続テスト 充電 |
| 本人確認 | 指定された本人確認資料と確認方法 |
| 資料 | 提出済み書類と調停案を手元にそろえる |
| 障害時 | 切断や遅延が起きた場合の電話先 |
調停は非公開で進められるため、公共の場所や第三者が出入りする場所で参加できると決めないようにします。家族が隣で助言してよいか、支援者の同席が必要ならどう申し出るかも確認します。
遺産分割では、遠隔参加での意思確認や調停成立の方法も事前に尋ねます。他の事件、とくに離婚等に関する電話参加の制限を、そのまま遺産分割へ当てはめないでください。一方、スマートフォンで参加できたから、全ての手続がネットだけで終わるとも限りません。
代理人の選任と書面提出を代替参加と混同しない

弁護士を代理人とする方法もあります。ただし、依頼したら本人の出席が一切不要と決まるわけではなく、事実の確認や合意などで本人の関与を求められる場合があります。本人と代理人で、参加と連絡の方法を打ち合わせます。
弁護士以外を手続代理人とするには、法令上の例外を除き家庭裁判所の許可が必要です。配偶者や子であること、委任状を持っていることだけで当然に代理参加できるわけではありません。許可申請の資料と、認められる権限の範囲を確認してください。
また、意見書を郵送することと、期日に参加して合意することは別です。書面で伝えられる主張、提出期限、相手方用の部数、当日の扱いを確かめます。書面に「全て任せる」と書いただけで、どの案にも同意した扱いにしないことが大切です。
分割案への具体的な承諾が必要な場合は、金額や対象財産、代償金の期限、清算条項を確認して対応します。出席できないからと空欄の書面へ署名したり、実印を家族へ預けて自由に押してもらったりしないでください。
欠席しても同意や相続放棄にはならない

欠席したことだけで、相手の分割案に同意したり、相続放棄をしたりしたことにはなりません。相続放棄は家庭裁判所への別の申述であり、調停へ行かないことで代用できません。
ただし、欠席が続き合意の見込みがないと判断されれば、調停が不成立となることがあります。遺産分割調停の不成立では原則として審判へ移り、裁判官が主張や資料等に基づいて判断します。欠席していれば決定を止められる、ということではありません。
正当な理由のない不出頭には、法令上の過料の定めもあります。過料が直ちに科されるとは限りませんが、無断欠席に影響がないと考えて放置するのは避けます。
期日の後は、次回日時と裁判所からの連絡、求められた資料を確認します。自分が何を主張し、どの資料をいつ出すかを残してください。出席が難しい状態が長く続くなら、遠隔参加や代理の体制を早めに相談しましょう。
呼出状を手元に置き、行けない理由と可能な参加方法をまとめてから連絡してください。欠席するかどうかだけでなく、本人の意向と資料をどう手続へ届けるかまで確認することが要点です。
手続きの状況や相談したい内容を整理する際は、相続の相談窓口もご利用ください。
よくある質問

電話で欠席を伝えれば期日は延期されますか
必ず延期されるわけではありません。事情を伝え、期日変更の可否、必要書面、元の期日の扱いを担当書記官へ確認します。
子に委任状を渡せば代わりに出席できますか
親族が当然に手続代理人になれるわけではありません。弁護士以外の代理には原則として家庭裁判所の許可が必要です。
欠席すると相続を放棄したことになりますか
なりません。相続放棄は別の申述手続です。ただし調停や審判が進む可能性があるため、連絡と意見・資料の提出を放置しないでください。